テラーノベル
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コップに優しく諭す大人達。でも、コップはそういう大人達の顔に寂しさを感じた。 大人達は、撃った弾丸の処理をし終えると、COPを手に取った。 「これは危ないからだめ。私達が保管しておくから。コップ、もう触っちゃだめだよ。いい?」 念を押された。 「う、うんわかった」 そう返事をしたコップに、 「よしよし!コップは偉い子だね!偉い子だから、もうちょっとここで待っててね」 頭を撫でる大人。 でもコップの中で何かが引っかかったが、皆で寝る4段ベッドで寝た。 翌日、起床していつも通り朝ご飯を食べに行くと、なぜかいつもより人が少ない。 いつも飴玉をくれる元気なお姉さんや、いつも頭を撫でてくるおじさんがいない。 そしてこの食堂にいる大人達の顔色も悪そうだ。 「ねえ、飴玉のお姉ちゃんとかあたまなでてくるおじちゃんいないよ、なんでいないの?」 近くにいた大人に話しかける。するとすごく悲しそうな顔になって、 「お姉ちゃんとおじさんは、すごく遠い所に行っちゃったんだ。もう会えないけど、俺達の中にはいつもいるんだ…」 胸を抑えている。 コップはその事に驚いて、 「え、とおいところにいっちゃったの!?いいなあ、こっぷも遠い所に行きたい!おそと見たい!」 と言うと、大人は、 「その遠い所にはコップは行っちゃだめなんだ。寂しい思いをすると思うから…」 なぜかわからなかった。 「なんで?お姉ちゃんとおじちゃんがそこにいるんでしょ?ならたのしいよ!」 大人は、涙ぐんで、ついには静かに涙を落とした。 「そうだな…、楽しいのかもな…。 でもだめだ。絶対に行くな。いつかきっと、コップをもっと楽しい所に連れて行くから!」 コップの頭を撫でて、少し虚で寂しい笑顔で言った。でもコップは外に行ける喜びで気づかなかった。 「うん!つれてってね!たのしいところ!」 えへへとはにかむコップの眩しくて純粋な笑顔は大人達皆の癒しだった。
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