翌日から、若井は藤澤がいてもお構い無しだった
若井滉斗
もっくん!今日入ってる弁当の卵焼き、半分こしよ!
若井が元貴の弁当を勝手に開けようとする
大森元貴
勝手に開けるな
若井滉斗
えーいいじゃん!もっくんの卵焼き美味しいんだもん
藤澤涼架
(藤澤はそんな2人のやりとりを穏やかに見守っている)
藤澤涼架
若井くんは、元貴くんのことが大好きなんだね
若井滉斗
当たり前っすよ!
若井滉斗
俺、元貴の全部が好きなんすから!
若井滉斗
ツンツンしてるとこも、たまにデレるとことか、
若井滉斗
ギター弾いてる真剣な顔、ご飯食べてる幸せそうな顔も、全部!
藤澤涼架
ふふ
元貴は若井のまっすぐすぎる好意にどう反応していいかわからなかった
大森元貴
……ここ、どう?
若井がギターを弾く元貴の指先にそっと触れた
若井滉斗
元貴の指、細くて綺麗。
若井滉斗
この指から綺麗な音が出るんだよなぁ…
大森元貴
…ちょ、触んなって
若井滉斗
(若井は離そうとしない)
若井滉斗
俺さ、元貴のギターの音、世界で1番好きだよ
若井滉斗
でも、元貴自身はもっともっと好きだよ
大森元貴
…///(照れる)
ただキーボードを弾いている藤澤
その日の夜
大森元貴
(俺、もっくんのこと、音楽よりも好きかも)
大森元貴
って
大森元貴
…なんで、あんなこと言うんだ、若井のやつ……!
普段の若井なら、陽キャのノリで、だが、若井の真剣な顔で、
若井の手が自分の頬に包み込んでくるの、ゆっくりと顔を近づけて来た時の感触が
まだ、鮮明に残っている
大森元貴
……っ、あつ……
耳まで真っ赤になっているのが分かる
ベットの上で、ゴロンと転がる自分
大森元貴
俺は………若井のこと、どう思ってるんだ??
大森元貴
(少し考えて)
大森元貴
やっぱり………好き…かも
大森元貴
俺も、若井のこと………