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すち

…んん…

すち

ひまちゃ……、

昨日、ひまちゃんが やっと病院を退院して家に帰ってきた

昨日の退院祝いの余韻が、 まだ少しだけ残っていて、

夢の中までも、 ひまちゃんの笑顔が出てきたくらいで

また発作が起きて、 迷惑をかけないよう、 部屋は昔あった部屋に戻った。

そこにはやっぱ変なぬいぐるみばかり 置いていて、記憶のあった時の俺は 相当変な人だったってことがわかった

すち

…んぁ、

シャボン玉が割れたような感覚で 目が覚める。

俺の今いる人生だと、 隣でひまちゃんが寝てないってのは 少し違和感があった。

すち

んーん…

温もりがない、 心がじんわり、寂しいって、 言ってる。

すち

おはよぉ…

俺は下に降りた。

そこには早朝ながらも、 ひまちゃんがいて、

なつ

おはよう、すち

なつ

何?俺に会いにきたとか?可愛いな

そういって笑う彼が すごい、生き生きとしてて

本当に、病気なのか、 と疑いたくなるくらい。

可愛い、その言葉のせいで顔が 熱くなったのではない。

嗚呼、やっぱり…

なつ

…すち?どしたいきなり抱きついて…

離したく、ないよ

すち

死なないでよ…

泣かないって決めたんだ。

手に握られた小さな希望。

それは多分昔君が くれたものなんだろう。

思い出せない、けど俺は その正体を知っている。

震えるその手を離した瞬間、 ふわりと宙を舞って飛んでいきそう。

君がくれたのは、

すち

…愛…

なつ

wwすち、ねぇ、くすぐったい…ww

そうやって笑えば、 彼はそれをとめず、

まだ、俺の首元にキスを続けた。

偶に聞こえるリップ音。

あの日の君が消えてからは 聞かなくなったその音。

体はすちに抱きしめられていた。

心臓は、早かった。

ぎゅ、と心の中が、 収縮したようにも感じる。

愛、。

空っぽなこいつに俺が教えてあげた。

親を殺して、1人で、空っぽで。

だからこそ、ちょろかった。

すぐ落とせた。

そんな、“嘘でしかない愛”を

彼はまだ

宝物としていたらしい。

記憶がないこいつが、なんで分かる?

考えるまでもなかった。

すち

なつ

…すち?大丈夫?

すち

なつ

…んー…

なつ

……馬鹿だな。

なつ

かわいそうに、空っぽで。

すち

…ッ

なつ

孤独で、かなしくて、虚しくて、辛くて?

すち

…な、

なつ

同情を求めてここにいるんすか。

なつ

慰めて欲しいんすか。

なつ

ね?“千翼”先輩。

すち

ッちが…

なつ

すいませんけど俺にはそんなの出来ませんよーだ。

なつ

だって俺の問題じゃねーし

なつ

ゆーても俺ら唯昔会って今もちょくちょく遊んで、唯先輩後輩でって関係だぜ?

なつ

そんな俺がお前のことに口出すなんてなぁ…

すち

…ッ

なつ

ほら何も言い返せない。

なつ

どこにもいけないで、どこでも辛くて

なつ

ひとりぼっちな悲しい“千翼”くん。

すち

…ッうるさいなっ!俺は俺で…ッ

すち

頑張って…ッ

なつ

…殺しておいて?

すち

…ッぅ

なつ

はは、だからだよ。居場所がないのも

なつ

ばーか、何も言わないんじゃわかんねーんだよ。

なつ

頑張ってるだとか、弱いだけ。

なつ

助けろとか、甘えても良いのにな。

なつ

俺らん家来い。金さえ払えば住ませてくれるぞ。

なつ

そうだな。

なつ

すれば空っぽなお前に“愛”ってもん教えてやんよ。

君の記憶が、途絶えた日。

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コメント

17

ユーザー

なーつー特有のツンデレのツンか〜w

ユーザー

はにゃ(੭ ᐕ))? (よくわかってない)

ユーザー

え?なつくん??え??え?? え?、、、。え?(真顔) え続き楽しみだけどどーゆことだ、えなんかやばそうなのと神なのはわかるわ。

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