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もっくん、、いい人やん😭君も辛かっただろうけど度が過ぎてるよ、、
もっくんいい人やん、、感動😭😭
大森元貴side
若井の右手の小指がなかった
その理由は、透明病になったからだと若井は言った
そして、余命が後一ヶ月もないことも。
でも、慌てなかった
薄々予感はしていたことだった
俺はちゃんと冷静でいられた
俺はちゃんと冷静でいられた
若井との会話を放棄してレコーディングルームを出て行ったのは、若井とこれ以上話したくなかったから。
話していたら、理由もわからないのに泣いてしまいそうだった
なんでかはわからない。
若井の弱さをみるのが怖かったのかもしれない。
意味もないのに走って帰る
走っていれば、頭を空っぽにできる
若井が消えてしまう事実を、考えなくて済む
息が切れても、 足がもつれても、
若井のことを考えないように俺はずっと走った
大森.
俺の息を切らして言った言葉に涼ちゃんからの返事はない
それもそうだ
涼ちゃんは今微熱でレコーディングを休んで寝ている
音を立てないようにしてリビングに向かう
リビングに繋がる廊下はほんのり涼ちゃんの匂いがした
リビングに入ってソファに腰掛ける
携帯を取り出して意味もなく画面を眺める
真っ黒な携帯画面を眺めていると、さっきの若井との会話が鮮明に蘇ってきた
あの時の若井の悲しそうな顔を忘れられない
ずっとずっと残ってる
若井の言葉に嘘はなかった
あの若井の言葉は絶対に嘘じゃない
なのに
なんであの時、
嘘でしょ
って、言っちゃったんだろう
なんで、ちょっとでも若井を労われなかったんだろう
なんで?
俺は、そんなに最低な奴だったの?
嘘だって思わないと、心が苦しくなりそうだった
大切な人を知らない間に失ってしまうかもしれないことが、事実として襲いかかってくるから。
“なにそれ。初めて聞いた”
あの時自分から発せられた透明病を知らないふりするための言葉。
でも。俺は透明病のことを、ちゃんと知っていた。
孤独を感じると発症して、最終的には透明化して消えてしまう、治らない奇病。
若井の小指が消えていた時から、予感はしていた
若井が俺たちのせいで透明病になったんじゃないかって。
ごめん
ごめんね若井
若井は強いと思ってたの
レコーディングのときも 車での移動の時も
なにも喋らず、喋りかけられず、若井はどれだけ辛かったんだろう
透明病になるくらい、若井は一人で抱え込んでしまったの?
若井に抱え込ませてしまったの?
それは、俺たちが変わってしまったから?
俺が涼ちゃんと若井を引き離したから?
俺が涼ちゃんに「若井のことなんて放っておこう」なんて言ったから?
涼ちゃんを嫉妬深くさせてしまったから?
変わってしまった涼ちゃんを、俺がまだ愛しているから?
なんで
あの時選択を間違えたから、若井は透明病になってしまったの?
激しい後悔が全身を渦巻いた
大切な人を深く傷つけてしまった苦しみと痛みだけが心の中を支配していく
俺は、若井のこれからを奪ってしまった
若井は透明になって、もうすぐ死んでしまうの?
ごめんね、ごめん、若井
ずっと、若井を一人にしてた
なんで、さっき若井と一緒に入れなかったんだろう
なんで、若井をレコーディングルームに一人にしてきたんだろう
それは、若井の顔を見たら泣いてしまうから 若井のこれからを奪ったことが、どうしようもなく苦しいから。
藤澤.
藤澤.
いつの間にか泣いていたらしい。
しっとりと湿った頬を手のひらで擦って目の前の人物を見る
そこにはいつも通りの涼ちゃんがいた
若井のことをこんなに後悔しているくせに、
俺はまだ涼ちゃんのことが好きだ
だから、ごめんね若井
大森.
藤澤.
そう言って俺を抱きしめてくれる涼ちゃんは、すごく愛おしくて暖かった。
少なくとも、俺にとっては。
こんにちは✨
1000いいねありがとうございます😭 感想も沢山きていて…本当に嬉しいです🥹
この作品もいいねと感想よろしくお願いします🤲
✨そして新連載を始めます✨ “貴方に明日も会えるように” 楽しみにしていてください👍
それではまた!