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カフェ・レガーレへようこそ

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カフェ・レガーレへようこそ

6 - カフェ・レガーレへようこそ⑤

♥

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2020年01月19日

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椎名 結

椎名 結

すみませんもう大丈夫です

頬の熱が冷めたあと店内へと戻った

結城 淳

おかえり

結城 淳

それならよかったー!

結城 淳

心配したんだよ

椎名 結

すみません

結城 淳

ううん

結城 淳

仕事戻ろっか

椎名 結

はい

本当に彼は優しい

だからこそ私は気にしてしまう

元彼を引きずり、彼の好意を無いものにしている事を

椎名 結

椎名 結

(そうだ…私、店長にも…)

藤堂 康太

お疲れ様

藤堂 康太

結、もう大丈夫?

椎名 結

は、はい

藤堂 康太

まだ赤いぞ

椎名 結

それは…!

結城 淳

そういう康太も赤いから!

結城 淳

もう絶対にさっきなんかあったでしょ!

椎名 結

な、何も!

藤堂 康太

何もない…!

結城 淳

ふーんならいいや

結城 淳

結ちゃん帰ろ?

椎名 結

あ、はい!

椎名 結

椎名 結

あの…

このタイミングで私は聞くことにした

結城 淳

うん?

不思議そうに私を見つめる彼はかっこいい

きっと大学でも女性は放っておかないはずだ

だからこそ何故私なんかを選んだのか

卑屈になってしまう

椎名 結

私…結城さんを傷つけてますよね

結城 淳

どうして?

椎名 結

だって告白、されたのに

椎名 結

曖昧にして…

私は最低だ

店長にも告白されたというのに

無かったことにしたのだ

結城 淳

結城 淳

違うよ結ちゃん

結城 淳

曖昧でもいいんだよ

椎名 結

え?

結城 淳

好きな人ができるまで俺を振らないで

椎名 結

…っ

結城 淳

曖昧でいてよ

結城 淳

俺が振り向かせるからさ

結城 淳

結ちゃんは前だけ向いてて

椎名 結

…結城さ…

結城 淳

泣かないで

椎名 結

ごめんなさ…

椎名 結

私に恋する勇気はもう…

結城 淳

結ちゃん

椎名 結

…なん、で…

急に視界が暗くなった

その代わり暖かさを感じる

俺は結ちゃんを抱きしめた

温かい

大好きな人のぬくもりを感じる

彼女もこう思ってくれてたらいいのに

結城 淳

結城 淳

好きってさ何回言えば届くんだろうね

椎名 結

…っ

結城 淳

好きだよ俺は

結城 淳

だからいつか結ちゃんも恋ができますように

今はまだ大好きな人のぬくもりになれなくてもいい

ただ雨を凌ぐ存在ぐらいにはなれていたらいいな

椎名 結

椎名 結

決めました

結城 淳

うん

椎名 結

私、健…元彼と話します

結城 淳

…!

結城 淳

そっか

椎名 結

そして向き合います

椎名 結

結城さんとも、店長とも

結城 淳

うん

結城 淳

結城 淳

うん…?

結城 淳

店長…?

椎名 結

はい

椎名 結

あ、家だ

結城 淳

ちょっ…待って

椎名 結

ありがとうございます

椎名 結

おやすみなさい

結城 淳

おやすみ~

結城 淳

って違う…!

結城 淳

行っちゃった…

俺は彼女のいないドアにつぶやく

結城 淳

店長って…どういう事…

私を待っている人がいるから

進まなきゃ

椎名 結

連絡先…消されてたらどうしよう

暫く部屋をウロウロとしたあと

意を決して彼の連絡先を開いた

椎名 結

久しぶり

椎名 結

このメッセージ見れてるかな?

椎名 結

もし見れてたら返信下さい

結?

どうかした?

椎名 結

もう一回ちゃんと話したい

椎名 結

ちゃんとお別れしたいの

分かった

それじゃ、明日あの喫茶店で

椎名 結

分かった

別れてから来ていなかったこの場所

震える手でドアを開いた

よお

椎名 結

健、もう来てたんだ

ああ

前は10分遅刻が当たり前だったのに

乃亜が直したのかな

私じゃ…出来なかったこと

取り敢えず飲み物頼むか

椎名 結

そうだね

俺は…キリマンジャロ

で、お前はリンゴジュースでいいんだよな

椎名 結

ううん

椎名 結

カプチーノにする

飲めるように…

椎名 結

いや、なんでもない

沈黙が続く中

彼が口を開いた

悪かった

無理やり別れて…

椎名 結

…!

怒ってる、よな

椎名 結

当たり前

椎名 結

そりゃ怒るよ

…っ!

だ、だよな

椎名 結

なんで笑ってるの?

いやお前さ

自分の負の感情隠してたろ

今までは

椎名 結

そう、かも

だから嬉しくてさ

椎名 結

そっか

椎名 結

あのね怒ってるけど感謝もしたい

え…?

椎名 結

健が別れるって言ってくれたおかげで

椎名 結

素敵な出会いが沢山あったの

椎名 結

だからありがとう

その出会いのおかげか

お前が良い方に進んだのは

椎名 結

うん

椎名 結

かも…

良かったな

もう店出るか?

椎名 結

うん

椎名 結

話せてスッキリした

俺も

椎名 結

それじゃあ…バイバイだね

…ああ…

椎名 結

今までありがとう

彼女は確かに変わっていた

良い方向に

コーヒー牛乳ですら飲めなかった子供舌が

いつの間にか飲めるようになっていた

そしてもう一つ

俺は自分の気持ちを隠してしまう彼女に

不安を常々感じていた

だから、乃亜に告白をされた時

不安から解消されたくてその手を取った

でも誰かが殻を破ったようだ

俺の…できなかった事を

乃亜

乃亜

健、この喫茶店はいろ!

そこはだーめ

乃亜

なんでよお

めちゃくちゃ高いらしい

乃亜

え!

乃亜

なら駄目だね

あの喫茶店は俺達のいつもの待ち合わせ場所で

大切な思い出の場所でもあるから

ここだけは上書きしたくない

行こっか

乃亜

うん!
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