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兄弟パロ
通報、パクリ×
季節の変わり目は、我が家にいつも以上の賑やかさと、少しの緊張感をもたらす。 男の子ばかりの兄弟。それだけでも目が回るような毎日なのに、それぞれ少しずつ「生きづらさ」や「不自由さ」を抱えている。だけど、だからこそ、この家には独特の暖かい空気が流れていた。
けちゃ
リビングに響き渡るのは、次男で高校2年生のけちゃ(17)苦労性の声だ。しっかり者で面倒見がいい彼は、実質この家の家事全般と弟たちの世話を仕切ってくれている。
あっと
ソファで気だるげにスマホをいじりながら、長男で高校3年生のあっと(18)が低い声で笑う。普段はクールで一見ぶっきらぼうに見えるが、実は誰よりも弟たちのことを見守っている、我が家の大柱だ。
あっきぃ
ちぐさ
リビングの真ん中では、4歳のあっきぃが楽しそうなアイデアを思いついたのか、両手をバタバタとさせて興奮している。発達障害 (ADHD)の傾向があるあっきぃは、感情が高ぶると声が大きくなり、じっとしていられない。 その隣で、3歳のちぐさが耳を塞ぎながら、あっきぃの服の裾をぎゅっと握っていた。同じく発達障害(ASD)の傾向があるちぐさは、人一倍繊細で予想できない大きな音が苦手だ。
幼い二人の凸凹は時々ぶつかり合うけれど、お互いをお互いが大好きなのは見ていてすぐに分かる。
まぜ太
中学三年生のまぜ太(15)が階段の下から声をかけてきた。その視線の先、2階の奥の部屋には、中学二年生のぷりっつ(14)が居る。
ぷりっつは少し前、大きな音や声を聞くと耳の奥が激しくいたんでしまう病気を患った。 元々は誰よりもお調子者で、大声で笑うのが、トレードマークだったぷりっつ。 そんな彼が、静かな部屋で休んでいなければならない状況を、三男のまぜ太は、誰よりも心配していた。
あっと
あっとが立ち上がり、ちぐさをひょいと抱き上げる。ちぐさはあっとの首にしがみつき、あっきぃは「ぷりちゃ!ぷりちゃ!」と嬉しそうにまぜ太の後に続いた。
まぜ太がぷりっつの部屋のドアを、いつもより優しくノックする。
まぜ太
部屋の中では、ぷりっつが防音用のイヤーマフを少しづらしベットの上で漫画を読んでいた。みんなの姿を見ると、その表情がパッと明るくなる。
ぷりっつ
口では軽口を叩きながらも、ぷりっつの声はいつもよりずっと静かだ。 あっきぃがベットに飛び込み、ちぐさがあっとの腕の中から、ぷりっつにトコトコと近づいてお気に入りの絵本を差し出した。
あっと
あっとが低い声で、室内に響かないようにやさしく、ゆっくり話しかける。
ぷりっつ
ぷりっつが優しい声でちぐさの頭を撫でる。ぷりっつは耳を悪くしてから、人の表情や手振りをよく見るようになっただからこそ、言葉を上手く伝えられない、ちぐさの「察して欲しいこと」というサインに誰よりも早く気づくことができる。
まぜ太
まぜ太が声を潜めながら、あっきぃの事を優しく捕まえる。
あっきぃ
まぜ太
あっきぃ
あっきぃの身振り手振りを交えたマシンガントークをまぜ太は「はいはい、そっか」と根気強く、小さな声で聞いてあげる。 まぜ太は普段口が悪いけれど、本当は根が真っ直ぐで、子供の相手が抜群上手い。
そんな、すこし静かで、愛おしい時間が流れていた、その時だった...
ピカッ。
カーテンの隙間から一瞬、部屋の中が真っ白になるほどの鋭い光が差し込んだ。
あっと
♡10
#発達障害
コメント
5件
めっちゃ素敵な兄弟物語ですね…!それぞれが凸凹を抱えながらも、お互いを想い合って静かに寄り添う感じが、じんわり沁みました。ぷりっつが病気で耳が弱くなったからこそ、ちぐさの“察してほしい”サインを一番にキャッチできるようになった描写、すごく好きです。最後の閃光、何が起こるんだろう…続きが気になりすぎます!