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#紫苑わーるど!
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緑山紫苑
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#スゴク・ビケイ
暗闇を突き破り、
俺の『芽』が
地上へと顔を出した。
その瞬間、
俺の意識は覚醒した。
俺は高貴で、
美しく、
よりも優れた知性を持つ存在。
この世界の全てを
支配するために生まれてきた
花小人だ。
……そして、
俺にはもう一つの記憶がある。
前世の俺は、
数々のヒット作を生み出した
超人気恋愛漫画家だった。
人間の恋愛心理やフラグの立て方、
そんなものはすべて
脳内にインプットされている。
目覚めてすぐ、
俺は根から流れ込んでくる
エネルギーに心底驚いた。
普通の人なら
ここまで大量に
肥料をやったりはしない。
つまり、
俺を育てている主は
それだけ俺に
期待をしているのだろう。
……美味しい。
青く、濃厚で
極上の輝きを放つ、
とんでもなく
ハイカロリーの肥料。
全身の細胞が歓喜に震え、
極上のご馳走を
貪るように吸収していく。
俺たち花小人は、
愛らしい姿と声で
飼い主を魅了し、
俺のこと以外
考えられないくらいに惚れさせ、
マナ(生の灯火)
を差し出させることで生きる
不思議植物。
開花から【3ヶ月以内】に
主と恋愛関係を結び、
ある【お願い】を
実行してもらわなければ、
俺は水分を失って
哀れにひからびて死ぬ。
だが、
前世の経験がある
俺からしてみれば
人間を一人惚れさせることなど
容易いはずだった。
現にこの主(シスタス)も、
毎日1リットルもの
最高級ディナーを
必死に貢いでいる。
実に扱いやすい奴隷――
メルティ・シスタス
?!
メルティ・シスタス
…………。
メルティ・シスタス
鼓膜を、
いや、
俺の繊細な神経を
激しく痛めつけてくる、
この世の終わりのような奇声。
続いて、
ベッドが軋む音と共に、
何かが激しくのたうち回るような
地響きが伝わってくる。
さらに
追い打ちをかけるように、
妙にビブラートの効いた
『森のクマさん』の爆音独唱。
メルティ・シスタス
……は?
おい、待て。
なんだこの知性のなさそうな
落ち着きのない生物は。
本当にこれが俺の飼い主か……!?
俺の高いプライドに、
激しい戦慄と頭痛が走る。
最高のご馳走(肥料)を
必死に捧げてくる
従順な下僕だと思ったら、
ただの「手が付けられない狂ったマヌケ」だった。
……いや、待て。
冗談抜きでマズい。
コメント
1件
うわ、花小人が前世持ちの恋愛漫画家で、しかも自分の主がまさかの奇声ハイテンションおばけ……これは予想外すぎて笑ったw 静かに貢がれてると思ったら、まさかの地響きと「森のクマさん」ビブラート独唱が来るギャップにやられた。でも「手が付けられない狂ったマヌケ」って冷静なツッコミが入るの、逆に面白くて好き。主が予想外すぎてこの先どうなるのか気になる〜!