月斗
はーい
月斗
どぞ
酒呑童子
待っておったぞ
酒呑童子
彌生。
狐月
…………………
酒呑童子
久しぶりの再開だと言うのに
狐月
儂の名は狐月じゃ、
酒呑童子
けれど彌生でもあろう?
狐月
そうだとしても
そう呼ばれとう無い
そう呼ばれとう無い
狐月
お主にその名を呼ばれると
虫唾が走る
虫唾が走る
酒呑童子
これは酷い言われようじゃクク
狐月
お主はこれ以上の事を
儂にしたのだ
儂にしたのだ
狐月
これで済むだけ有難いと思え
酒呑童子
くくっ、それもそうさな
狐月
今すぐ殺してやろうか?
酒呑童子
お前さんに出来るかい?
狐月
ほう?
それは殺しても良いと
それは殺しても良いと
酒呑童子
出来るものならなぁ
狐月
、......
名取
真逆、本気で相手をする気じゃ
無いだろうね
無いだろうね
狐月
売られた喧嘩は買うのが
礼儀であろう?
礼儀であろう?
名取
止しなさい。
アレを封じるのも祓うのも
アレを封じるのも祓うのも
名取
流石がの君でも手に余る。
狐月
そんな事は無いぞ。
酒呑童子
どうした怖じ気付いたか?
狐月
我がお主相手に怖じ気付くなど
随分甘く見られたものだ
随分甘く見られたものだ
酒呑童子
くくっ、
お前さんは相変わらずだ
お前さんは相変わらずだ
酒呑童子
けれどそう云う所も
嫌いじゃ無い
嫌いじゃ無い
狐月
お主に好かれても
微塵も嬉しく無いわ
微塵も嬉しく無いわ
酒呑童子
そうだろうそうだろう。
ドォンッ
狐月
!酒呑童子貴様…
不意を突くとは卑怯な
不意を突くとは卑怯な
酒呑童子
はて、なんの事やら
狐月
我と正面から戦うのが
恐いのか?
恐いのか?
狐月
怖じ気付いておるのは
どっちじゃ?
どっちじゃ?
酒呑童子
これで分かるな
狐月
そうだのう(矢で射る)
酒呑童子
ッ!!
酒呑童子
お前さんこそ、
矢で射るとは姑息な
矢で射るとは姑息な
狐月
先に仕掛けたのはお主じゃ
酒呑童子
そうだったかのう
狐月
会わぬ内に随分
ボケたんじゃないかえ?
ボケたんじゃないかえ?
酒呑童子
失礼な儂は今も変わらぬよ
狐月
いいや、数百年前に会うた時
よりも老けておる
よりも老けておる
狐月
それと、その矢を抜く事は
余りお勧めせんのう
余りお勧めせんのう
酒呑童子
ほう(矢を抜く)
狐月
掛かったな。
狐月
【紅く滴る雫よ憎き奴の身を滅ぼせ】
酒呑童子
、?う”ァ”ァ”ァ”ァ”
狐月
どうじゃ痛かろう?
名取
何をしたんだ?
狐月
何、特別な事はしておらぬ
狐月
儂の血液は少量でも体内に入ると
狐月
血液が体内を巡り相手は
苦しみもがき花弁となり散る。
苦しみもがき花弁となり散る。
狐月
唯、それだけの事さね
名取
けれど散っていないよ?
狐月
散るには時間がかかるからのう。
桜と同じ様にのう
桜と同じ様にのう
狐月
散るまで暫くの間
燃える様な痛みが奴を襲い
燃える様な痛みが奴を襲い
狐月
最終的に自分も知らぬ内に
桜の花弁となり散る
桜の花弁となり散る
名取
そうか
狐月
はぁ、この場に童が居らんで
良かったわい
良かったわい
名取
あはは、そうだね
酒呑童子
...や、よい...
狐月
何じゃその名を呼ぶなと
申したであろう
申したであろう
酒呑童子
最期までお前さんは酷いのう
狐月
.........帰るぞ名取
名取
良いのかい?
狐月
ふん、放っておけ。
酒呑童子
くくく、お前さんの手で
最期を迎えられて幸せだよ
最期を迎えられて幸せだよ
狐月
気色の悪い事を言うでない
酒呑童子
まぁそう言うでない、
狐月
言いたい事はそれだけか?
酒呑童子
ああ。
狐月
そうか。ではな
名取
彌生、!
狐月
何じゃ?帰路は開いたぞ
名取
.......そうだね。帰ろうか
狐月
満月か...早う帰らねばな
名取
そうだね
狐月
月か昇って来る前に...
名取
大丈夫かい?
狐月
ああ、問題無い...
名取
なら、良いんだけど...
狐月
ッ、はぁ...はぁッ...拙い、
名取
彌生?
狐月
我はもう少し歩いてくる
お主は戻っておれ...
お主は戻っておれ...
名取
駄目だ。顔色が悪い
狐月
我は妖だぞ?元から青白い
名取
だとしても
狐月
今宵は満月。
妖力が格段に上がる。
故に、妖力が不安定になる
妖力が格段に上がる。
故に、妖力が不安定になる
狐月
その状態でお主らと居れば
何があるか分からぬ。
何があるか分からぬ。
狐月
だから言っておるのだ
名取
余計野放しにする訳には
いかないだろ
いかないだろ
狐月
大丈夫だとッ...バタッ
名取
彌生?彌生...!
ー三時間後ー
狐月
っ、!
名取
目が覚めたようだね
狐月
ここは、
名取
宿の部屋だよ。
君がいきなり倒れるから
君がいきなり倒れるから
狐月
...そう、だったな、
狐月
童は
名取
寝てるよ。君の帰りを待って
そのまま寝落ちしたみたいだ
そのまま寝落ちしたみたいだ
狐月
そうか。
名取
もう少し寝てたらどうだい?
狐月
否、もう平気だ。
狐月
それに我にはお主の方が
疲れている様に見えるが
疲れている様に見えるが
名取
まぁそりゃ私も人間だからね
疲れはするさ
疲れはするさ
狐月
人間でなくとも疲れるさ
名取
そんな屁理屈言う元気があるなら
大丈夫そうだね
大丈夫そうだね
狐月
だから最初からそう言うとろうが
名取
元気なら少し尋ねたい事が
あるんだけど
あるんだけど
狐月
奇遇だな。我もだ
月斗
(ᐛ👐) パァ
月斗
また