波紅〇〇
無我夢中で走って、気付いたら家に着いていた。
何とか中に入って、玄関に座り込む。 床に涙の雫がポタポタと落ちた。
胸が苦しい。走ったからだけじゃない。
太宰さんは私の事が好きなんだ。 気付いてしまった。知ってしまった。
知りたくなかった。 だって知ってしまったら───
波紅〇〇
呼吸が上手くできない。胸の辺りが痛む。 心臓辺りの服をギュッと掴んだ。
私が好きになった人は必ず死ぬ。其れは抗えない詛い。
波紅〇〇
波紅〇〇
人を殺すから?悪事に手を染めたから?
でも其れが私の選んだ生きる道。 間違いだと思った事は無い。
じゃあ何で…
波紅〇〇
積み重なった悩みが崩れ、 今迄思っていた事が口から溢れる。
其れに益々涙が溢れて止まない。
波紅〇〇
太宰さん (彼) を愛したいだけなの。
太宰治
波紅〇〇
と、玄関扉が開いて太宰さんが顔を覗かせる。
鍵を閉め忘れていた。
太宰治
波紅〇〇
太宰治
太宰治
波紅〇〇
太宰治
と、目の前が真っ暗になる。 嗅ぎ覚えのある香りに包まれた。
太宰治
コメント
4件
あわーすきやねんんん
○○ちゃん、太宰さんによしよし されてるぅ~! 地味にずるい~! 私も○○ちゃんよしよししたい! あ、逆に○○ちゃんによしよし されるのもいいかもな… 今回も最高でした! 次もがんばってください!