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弐十

あれからもう1ヶ月…

忙しすぎて仕事以外で話してねぇなぁ あいつ独り立ちして面倒見る機会減ったし

弐十

いやいや、これで良かったじゃん

弐十

そうだよ
元々何回告られたって振る予定だったし、これで…チクッ

弐十

(…?今なんか…)

弐十

明日も仕事だしそろそろ寝ないとな

弐十

あーくそっ!

キルシュトルテ

なになに
ピリついてんじゃん

弐十

なんでもない…

キルシュトルテ

んなわけなっしょw
普段声荒げたりしないのに

弐十

(俺どうしてこんなイラついてんだか…)

その時少し離れたところから声が聞こえた

女同僚

ニキくん、ちょっと聞いてもいいかな?
これなんだけど…

ニキ

え、なになに?
あー、これはね〜…

弐十

っ…!

キルシュトルテ

(なるほど…)

キルシュトルテ

お前さ
何にイラついてんの?

弐十

だからなんも…!

キャメロン

どうしたー?
でかい声したけどなんか
トラブル?

弐十

あ、いや…
すみません、なんでもないです

キャメロン

ん〜…
ま、何かあったらいつでも頼ってな

弐十

ありがとうございます…

キルシュトルテ

あーあ、何やってんだか

弐十

お前のせいだろ

キルシュトルテ

え、俺のせい?w

弐十

いいから!
手動かせよ、また残業に
なるぞ

キルシュトルテ

へいへい

女同僚

ありがと!
ちょっと苦戦してたから
助かったよ〜

ニキ

どういたしまして

その声の方を見ると楽しそうに笑い合っていて

弐十

〜〜っ!//

その光景を見た瞬間何故か虚しさが込み上げ ガタッと席を立ちどこかへ向かう

キルシュトルテ

あ?
ちょ、おい…!

弐十

(なんで俺っ…!)

なんでかあの場にいたくなかった あんな笑顔知らない ずっと俺にアプローチしてたくせに…! そのくせに俺にみせたことない顔をしてヘラヘラと 笑う彼を見たくて逃げだした

弐十

なんで俺逃げたりなんか…

はぁ、と長い溜息を着くと天井を見上げる 蛍光灯が眩しく目を細め考える

弐十

(どうしたんだろうな俺…)

弐十

いいじゃねぇか
あいつは女の人と恋愛して結婚してそんな幸せが待ってるんだ

弐十

(俺には関係ない…)

それからどれくらい経っただろうか

弐十

仕事終わらせねぇと…

弐十

(動く気しねぇな…)

ガチャッ

キルシュトルテ

やっぱここか

弐十

トルテさん…?

キルシュトルテ

そろそろ戻らねぇとマジで仕事終わんねぇぞ

弐十

分かってる…

キルシュトルテ

(はぁ…世話のやける)

キルシュトルテ

お前そろそろ自覚したら?

弐十

あ?

キルシュトルテ

ニキくんのことだよ
好きなんだろ?

弐十

はっ!
そんなわけないだろw

キルシュトルテ

ならなんでそんな顔してんだよ

弐十

はぁ?
何言って…

キルシュトルテ

泣きそうな顔してさ…
あいつが同僚の女の子と話してるのが嫌だったんじゃねぇの?

弐十

そんなんじゃ…っ(泣)

キルシュトルテ

ほら、さっきの思い出して泣いてんじゃん
少しは素直になったら?

弐十

これは、ちがっ…くて(泣)

弐十

(なんで俺泣いてなんか…)

キルシュトルテ

はぁ、部長に言っとくから落ち着いたら帰れ

それだけ言うと倉庫から出ていく

弐十

うっ…ヒクッ、ぁぁ(泣)

弐十

(なんでこんな苦し…)

しばらく泣き腫らすとだんだん落ち着いてきて

弐十

はは、何してんだろ…

弐十

(トルテさんから話伝わってるんだよな…?)

弐十

帰ろ…

少し時間を戻そう

ニキ

(あーくそ!最近忙しすぎて先輩と話す時間が無い!)

ニキ

先輩と話したいのに…

女同僚

ニキくん、ちょっと聞いてもいいかな?
これなんだけど…

ニキ

え、なになに?
あー、これはね〜…

ニキ

(仕事中なのはわかってる…
でも、先輩と話もできないなんて)

女同僚

なら、ここはこういうした方がいいかな?

ニキ

そうだね
その方が見やすいと思うよ

女同僚

ありがと!
ちょっと苦戦してたから
助かったよ〜

ニキ

どういたしまして

女同僚

教えてくれた人が良かっ
たんだね
凄いわかりやすい資料が
できそうだよ!

ニキ

ほんと?
それは良かった

ニキ

(こんな風に先輩が褒められるの嬉しいな)

女同僚

また何かあったら聞いてもいいかな?

ニキ

いつでもどーぞ

女同僚

助かる〜
早速作り直さなきゃ!

ニキ

おー、がんば

女同僚

ニキくんも忙しいのに
ごめんね?

ニキ

いいよそんな
じゃ、俺も仕事戻るから

女同僚

あ、うん!
ほんとありがとね

ニキ

(あんな可愛い子に頼られて嬉しいはずなのになんか…)

その時慌てるような声が聞こえた

キルシュトルテ

あ?
ちょ、おい…!

ニキ

(なにかトラブルかな?)

ニキ

とりあえず…
さっさと終わらせて先輩と話せる時間作らなきゃ!

弐十

(頭いてぇや…ちょっと泣きすぎたかも…w)

弐十

さっさと風呂入って寝よ…

そう思い歩き出そうとすると呼び止める声が

ニキ

あれ、先輩…?

弐十

あ…

ニキ

オフィスにいなかったですよね?
先に帰ったんだと思ったんですけど

弐十

その、ちょっと体調悪くて休ませてもらってたんだよ

ニキ

え、そうだったんですか
もしきついならタクシー
呼びましょうか?

弐十

いや、大丈夫…
それじゃ

そう告げると足早にその場を離れようとする

ニキ

先輩!
もしかしてなんですけど…
泣いてました?

弐十

っ!
そ、んなわけ…w

ニキ

無理に笑わないでください
それに目元が少し赤くなってますよ

見られたくないと言わんばかりにバッと顔を背ける

弐十

お前には関係ない…

ニキ

関係ないって…

弐十

それにもう俺に構うなよ
ほら今日話してた同僚の子結構いい感じだったじゃん

弐十

(やめろ…)

弐十

俺なんかよりあーいう可愛い子と付き合った方が絶対いいって

弐十

(言うな…)

弐十

俺みたいなやつより普通に恋愛した方がいいだろ?

弐十

(やめてくれ…)

弐十

一時の気の迷いとか若気の至りってことでいいだろ

弐十

(止まれ…)

弐十

だからもう俺に構うな

弐十

(止まってくれ…)

弐十

ちょうどいいじゃん
もっと周り見ろよ、俺よりいい人いっぱいいるだろ

弐十

(思ってもない言葉が止まらない…)

弐十

お互いその方がいいって

弐十

(あいつの顔見れねぇ…)

弐十

じゃ、そういうことだから

弐十

(自分の言葉に泣きそうに
なるなんて…だせぇなぁ…)

ニキ

……だ

弐十

え…?

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