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~中学1年生~
母
───進路。
その言葉を聞くだけで嫌気がさしてくる。
どうせ私はお母さんやお父さんの思うままの道に進まされるとわかっているから。
母
そう言って差し出してきたのは、都内でもかなり頭がいいとして有名な高校だ。
並大抵の努力じゃ足りないし、普通にしてたんじゃ入学することは不可能と言われている。
母
──飛鳥なら。
いつどんな時も、私を持ち上げ続けた言葉だ。
正直聞きあきたし、その程度では頑張れない。
だけどそれでも──
私に"No"が許されないことぐらいはわかりきっていた。
飛鳥
母
え?今から?
なんて言いたくもなるが私はたたえた笑みを崩さず、部屋に戻った。
異論は聞き入れられないこともわかりきっていたからだ。
~約1年後~
飛鳥
ぐい~っと伸びをして、解いていた問題集をパタンと閉じた。
現在は中学二年生。
去年から桃咲学園に向けて、不馴れながらも高校生レベルの勉強をしてきた。
勿論中学生の私には三次関数などむずかしすぎた。
飛鳥
──期待に、応えなくちゃ。
お母さんと、お父さんのために。
桃咲学園。
都内で知らない人はいない名門校。
しかし、
中学校と高校と大学。
それら全てを兼ね備えている。
それだけでも相当珍しいにも関わらず、桃咲学園にはまだ珍しい点があった。
桃咲『中学校』はいたって普通の学校。特別頭が良いわけじゃない。
しかし桃咲『高校』からは話が変わってくる。
桃咲『高校』は中学とはうってかわって頭が良すぎるのだ。
中学と高校の間に何があったやらさっぱりだが……とにかく高校は賢いのだ。
だから多くの人は中学を卒業した時点で別の高校に行ってしまう。
だけど特別賢い生徒は問答無用で高校へ進まされるらしい。
なんだか私と似ているなーと思いつつも、リビングに降りる。
父
母
父
母
普段滅多に家に帰らないお父さんまでいる……
リビングに入るに入れない状況、会話の内容は私を褒めちぎってる。
結局リビングには入らず、回れ右をして部屋に戻った。
そして今───。
私は桃咲学園の校門の前にいるという状況。
これが何を意味するか──。
そう、無事に合格したのだ。
ここで繰り広げられる学園生活が
私の人生を掻き乱すことになろうとは……
このときの私は想像すらしていなかったのだった───。
コメント
5件
控えめに言って神ですね()
うあああああ続きがたのしみっっっっっ