第2話
那月
いっったぁ…
え…?
那月
どこ…ここ。
ガラガラ
先生
!?
先生
誰だ!そんなところに座っているのは!
那月
へ…?
先生
ここは廊下だぞ!
先生
それに、なんだその服!!!
那月
え、何が
先生
ありえん、お前は不法侵入だ!
那月
え、いやその…
先生
警官を呼ぶぞ!
那月
えぇぇぇ!?!?
俊
す、鈴木先生!
先生
あ”?
俊
や、やめてあげてください!
俊
もしかしたら何か用があって…
俊
警官を呼ぶのは違うと思います…
先生
じゃあどうするんだ?
俊
え、えっと…
俊
僕が対応します…。
俊
おいで
那月
は、はい…。
俊
怪我は?大丈夫?
那月
大丈夫…です、。
俊
怖い思いをさせてしまってごめんね
俊
あの先生、根は優しいんだけど…。
那月
そうですか…。
俊
怖がらなくて大丈夫だよ
俊
君のお名前、教えてくれる?
那月
那月…
那月
有島…那月(ありしま なつき)っていいます
俊
うむ、那月か…。
俊
僕は鷹村俊(たかむら しゅん)。
俊
那月ちゃん、君はどこから来たんだい?
那月
え、えーっと…その…
俊
お母さんやお父さんは?
那月
え、え…いや…。
俊
そうか…
俊
そこまで無理して言う必要はない
俊
とりあえず、怪我がなくてよかった
那月
ごめんなさい…
俊
え?
那月
私のせいで…俊先生が…。
俊
僕は大丈夫だよ
那月
でも!
俊
困難な情勢になってはじめて誰が敵か、誰が味方顔をしていたか、そして誰が本当の味方だったかわかるものだ。
那月
え…?
俊
小林多喜二、知ってるかい?
那月
え、えぇ…
那月
日本のプロレタリア文学の代表的な小説家…
那月
小林多喜二…ですよね
俊
よく知っているね!
那月
前、本で調べたことがあって…
俊
僕、この学校で国語を担当しているんだ
俊
だいたいみんな、蟹工船の人とか千九百二十八年三月十五日って言うんだ
俊
おもしろいなぁ、世界は広いんだなぁ。
那月
え?
キーンコーンカーンコーン
俊
おっと、もう帰りの時間か
俊
1度事務室(現代の職員室)に行かなきゃ
那月
あの
俊
はい?
那月
私、ずっとここにいても迷惑だし
那月
これ以上いるとなると…
俊
君、居場所は?
那月
な、ない…です…
俊
だったらここにいるしかないじゃないか
俊
僕が校長先生に許可を得てもらうから
俊
少しの間、ここにいなさい
俊
そして、寂しくなったら元いた所へ帰ればいい
俊
これでどうだい?
那月
ほんとうに、いいんですか?
俊
うん、何も気にしなくていいし、迷惑なんて誰も思わないよ
那月
ありがとう…ございます!
那月
失礼します…
慎太郎
鷹村先生、また怒られたんだって?
俊
う、うるさいです!
慎太郎
ん、転入り(転校生)?
俊
宮川先生、あまり頭を突っ込まないでください
慎太郎
も〜 素直になりなよ•̆ -•)モォー!
俊
うるさいです!
俊
ごめん那月ちゃん、少しここに座っていてくれないかな?
那月
は、はい…
俊
僕の用事が済んだら、今日は早めに帰るから僕の家で一休みしよう
俊
少し待ってておくれ
慎太郎
那月ちゃんって言うの?
那月
はい…有島那月です…
慎太郎
宮川慎太郎(みやかわ しんたろう)
慎太郎
よろしく
那月
よろしく…お願いします
俊
那月ちゃん、校長先生に許可を貰ってきた
俊
大丈夫だそうだから、少しの間ここにいていいよ
那月
ほんとうですか!?
那月
ありがとうございます…!
那月
お世話になります(* . .)))
俊
こちらこそ
慎太郎
え、何があったの?
俊
宮川先生、お先に失礼します
慎太郎
あ、はい…?
那月
さよなら
慎太郎
さよなら…?
慎太郎
なんなんだ…?
生徒
失礼します!
生徒
鷹村先生いますか!
慎太郎
いや、いまさっき帰ったけど…?
生徒
え…
慎太郎
僕でもよければ
生徒
結構です
生徒
失礼しました
慎太郎
えぇ…
慎太郎
生徒から人気で、モテモテで…
慎太郎
なんなんだあいつ…
まさ
宮川先生、この紙人数分あるか確認しといて
慎太郎
え、僕がですか!?
まさ
明日の授業で使うの、どうせ暇でしょ?
慎太郎
ま、まぁ…
まさ
鷹村先生、ちょっと忙しそうだったから声掛けずらかったの
慎太郎
そうですかぁ…
慎太郎
やっときます、
まさ
お願いします〜!
慎太郎
僕も早く帰ればよかった( ̄^ ̄゜)
続く