涼子
はぁ……もう11時半……
涼子
私は涼子だ。社会人の30歳。
涼子
今日は残業で、かなり遅くなってしまった。
涼子
はあ……タクシーで帰るのもお金かかるなー最悪。
涼子
自分の理想はこんな会社に着くことでもなく、残業することでもなかった。
涼子
あー…仕事辞めたいな…
バスの運転手
ブーン……
涼子
あれ?バス?
バスの運転手
次はー……桜峠ー桜峠ー
停車致しまーす……
停車致しまーす……
バスの運転手
プシュー……
涼子
バスが自分の目の前に止まった。
涼子
どうやらバス停に通りかかった時に偶然バスが来たようだ。
涼子
このバスに乗って帰ろー……
バスの運転手
発車致しまーす
閉まるドアにご注意ください。
閉まるドアにご注意ください。
涼子
もう夜中だと言うのに人はまあまあ乗っていた。
涼子
へー…こんなに人いるんだなぁ
みんな私みたいな人ばっかりなのかな……
みんな私みたいな人ばっかりなのかな……
涼子
私も挫けず頑張らないとな
涼子
何故だか自然と勇気が出てきた
バスの運転手
次はー……桜道ー桜道ー……
停車致しまーす
停車致しまーす
涼子
どうやら人が乗ってくるようだなぁ
涼子
窓から覗くと、大学生くらいの男の子がバスに乗ろうとしている
バスの運転手
止まりまーす……
バスの運転手
プシュー……
涼子
その男の子は乗ってくるなり顔を青ざめた
大学生の男の子
えっ…………まさか……
涼子
かなり大きい独り言。。
大学生の男の子
あの……みなさん……
涼子
なんでしょう……?
大学生の男の子
失礼ですがあなた31歳ですか?
女性
えっ?なんで分かるの?
女性
そうよ…私は31歳。
涼子
えっ凄い。この人年齢を当てられるのかな?
大学生の男の子
あなたは……18歳?
高校生
あっはい。僕は18歳です。
、凄いですね!見ただけで当てられるんですか?
、凄いですね!見ただけで当てられるんですか?
涼子
夜中だと言うのに大学生の男の子が盛り上げてくれたおかげで、バス内は歓喜のムードだ。
涼子
しかし、当てれば当てるほどに、大学生の男の子は顔色を悪くしていく。
涼子
時間は11時55分を回っていた。
涼子
すると大学生はある人に声をかけた。
大学生の男の子
あなたは35歳?
男性
はいそうです。流石ですね。
男性
実は明日で36歳になるんです。
男性
明日が誕生日で……
まああと5分なんですけどね
まああと5分なんですけどね
涼子
すると今まで以上に顔色を悪くした大学生の男の子がこう言った。
大学生の男の子
僕が当てられるのは年齢ではありません……人の寿命です……
涼子
えっ?
大学生の男の子
さっきの男性で確信出来ました。
大学生の男の子
あと5分で36歳。しかし寿命は35歳。ということは、あと5分以内にバスは事故を起こし、全員死ぬことになります。
女性
あら。ニュースがあってるわ。
女性
酷い事故もあるものね。