みぞれ
レイラーさんこと麗良さんのお姉さんと電話を終えた後、友人に向かって話しかける。 2人とも、自分のものではない携帯を握りしめ、夏だと言うのに小刻みに震えている。 決して寒い訳ではなく、恐怖心からくる震えだった。 30分前まで確かに6人だったこのグループはいつしか3人になってしまった。 いつの間にか私たちの視界から姿を消し、所持品だけをその場に残した3人。 30分間、探し回ったけど見つからず、保護者に連絡して警察にも頼ることにした。 それぞれ各家に電話をし終わったらしい。
ぜんこぱす
ぜんこぱす
茶子
みぞれ
ぜんこぱす
茶子
中学三年生の私たちには何も出来なかった。 ただ、人を頼るしかできないことが悔しい。 沈黙の時間が流れると、考えたくもないのに最悪な想像が頭をよぎる 誰かと話すにしても、こんな状況で話すことが出来るほど私に勇気は無い。 私は臆病だから。
この場にいる全員が、涙をこらえ、不安そうな顔で俯いている
めめんともり
1分ほどすると、紺色の髪を揺らした女性が肩で息をしながらやって来た。 声、的に多分レイラーさんのお姉さんだと思う。
みぞれ
めめんともり
みぞれ
紙袋を大事そうに抱えている。 よくよく見ると足は下駄で、無理に走ってきたのか足から血が滲んでいる
みぞれ
そんな様子を見ていると自然と謝罪しか出てこない。 何度も頭を下げる私に、あの人は悲しそうな表情で目を逸らした
ルカ
しばらくすると、男の人が2人走ってきた。 ベージュ色の髪の人と、金髪の男の人……多分、男の人。
メテヲ
ぜんこぱす
メテヲ
みぞれ
……思い出すだけで泣きそうになる。 ぜんさんも涙をこらえて何とか応答している。 少しの間沈黙が流れる。 すると、レイラーさんのお姉さんが口を開いた
めめんともり
めめんともり
ルカ
めめんともり
めめんともり
めめんともり
妙に落ち着いてますね……。 冷静というか、冷酷、というか。 本当に妹を大事に思っているんでしょうか……? 日を改める……って、パニックになってそんな発想出てこなかったですけど……私
茶子
めめんともり
めめんともり
……何人居なくなった……?レイラーさんで、1人目じゃないの?
めめんともり
めめんともり
メテヲ
ぜんこぱす
ルカ
めめんともり
メテヲ
ぜんこぱす
茶子
みぞれ
あのまま解散の流れになり、私は家に帰ってきた。 両親にも事情を話したかったが、もうすっかり寝に入っていた。 いつもいそがしいのにこんな話をしたらどうなってしまうだろうか。 ……とりあえず、チャットで伝えておこう。 ぐさおさんとLatteさんは……チャットでご両親にお知らせしておこうか
めめんともり
ただでさえ少ない、頼れる人間も今回の件で0人になってしまった。
めめんともり
……だから夏祭りは嫌だったんだ。 こうなったのは2人を止めれなかった私の責任だ。 妹1人すら守れないダメ人間でごめんね。
めめんともり
めめんともり
めめんともり
Latteさん、ぐさおさん、麗良……写真あったっけ……。 …あぁ、あったあった。良かった、写真持ってて
めめんともり
めめんともり
めめんともり
めめんともり
めめんともり
……こんな文を送信するとこれが現実じゃないって痛感しますね。 はぁ……
あ、一斉に写真が送られてきた。 なるほど、誰かはわかりませんがこの女の子たちを探せばいいんですね。 ……見つかるといいんですけど
めめんともり
あー、もうダメだ、今日は頭が働かない。 …もう寝ましょうか。 ……あ゙〜。今なら夢オチでした、ちゃんちゃんで許してあげますよ、全員。 今日だけですよ、今日だけ。だから、頼むから帰ってきてるなんて夢……見せてくださいよ
コメント
1件