テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
17
#何でも許せる人向け
ゆっきーな
557
灰猫
42
344
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
ネットの海に放たれた新曲は、またたく間に波紋を広げていた
これまでの「悲しみ」を綴った曲とは違う、聴く者の喉元に食らいつくような彰人の歌声と、咲希の叩きつけるようなピアノ
咲希
彰人
モニターに映る数字と、それ以上に熱い「仲間」の反応。彰人は、かつて伝説の夜に夢見た景色とは違う、けれどそれと同じくらい鋭い「何か」をこのユニットで掴み取れると確信していた
一方、放課後の誰もいない音楽室
志歩は、練習もせずにベースの弦を強く弾いた。不快な金属音が部屋に響く
志歩
志歩の視線の先には、咲希から送られてきたまま未読になっているメッセージが溜まっている。志歩はふと、あの日遥に言われたことを思い出す
それは咲希が絶望し、夜の闇に消えようとしたときのことだった
志歩は拳を白くなるまで握りしめ、絞り出すように続きを吐き捨てた
志歩
志歩
かつて一歌たちが「特別」であったがゆえに孤立した過去
志歩は、咲希がようやく手に入れた「普通の女子高生としての生活」を、自分の複雑な人間関係で汚したくなかった
自分を悪者にすれば、咲希は一歌たちの元で笑っていられるはずだ。そう信じていた
遥
重い沈黙を破ったのは遥だった。彼女の瞳には、いつものアイドルの微笑みはなく、友を想う一人の少女としての強い光が宿っていた
遥
遥
志歩
遥
遥は志歩の言葉を真っ向から遮り、一歩詰め寄った
遥
遥
遥の鋭い忠告に、志歩は言葉を失った。 志歩が「咲希のために」と積み上げた嘘の壁は、すでに咲希を窒息させる檻へと変わっていた
彼女にとっての「拒絶」は、咲希を外敵から守るための唯一の防壁だった。けれど、その壁は咲希の心をズタズタに引き裂きながら築かれたものだった
遥
遥
志歩
遥
志歩
遥の言葉は、正論という名のナイフとなって志歩の胸を抉る
志歩はそっと咲希からのメッセージを見る。咲希を想い行っていた行動は、咲希をどこかに縛り付けていた