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騎士

おはようございます

騎士

おはよう…

姫は沈んだ顔をしている

騎士

(隣国の王子と)

騎士

(婚約を控えておられるのに…)

騎士

姫!

騎士

これを…

騎士は薔薇を差し出す

薔薇…?

綺麗ね…

騎士

庭園に咲いていたので

騎士

姫に見ていただきたいと思い、持ってまいりました!

ありがとう

気を使ってもらって、嬉しいわ…

騎士

ありがとうございます!

騎士

騎士

(彼女はきっと)

騎士

(気づかないだろう…)

三本の薔薇に込めた

身分違いの想いに

(貴方は、きっと)

(知らないのでしょう)

(薔薇の花言葉を)

三本の薔薇の花言葉は

【愛しています】

姫は薔薇を見つめ

二本の薔薇をティアラに

一本の薔薇を胸元に飾った

(貴方は、きっと…)

(気づかない…)

(心に秘めた、この想いに…)

騎士

おはようございます

騎士

おはよう

騎士

その、花飾りは?

騎士

(花飾りの薔薇って…)

花瓶に飾ったままでは、寂しいでしょう?

せっかくの…プレゼントなのだから

騎士はハッと息を飲んだ

騎士

姫…

騎士

(もしや、姫は…)

何かしら?

騎士

薔薇の花言葉を

騎士

騎士

ご存知ですか?

知らないわ

騎士

そう…

騎士

ですか…

心に芽生えた淡い期待を

姫の言葉が、手折る

騎士

(姫は婚約を控える身)

騎士

(いずれは、隣国へと嫁がれる…)

騎士

(なのに、何を期待しているんだ?)

騎士は首を横に振ると 姿勢を正した

花屋

お花は、いかがですか?

人と人はすれ違う

だから僕は、花を売る

想いを届けるために

今宵も、また一人

悩める人が、やって来た

花屋

いらっしゃいませ

花屋

騎士様

花屋

お花は、いかがでしょうか?

騎士

花か…

騎士

悪い。今は、巡回中だ

花屋

お疲れ様です

花屋

そう言えば、もうすぐですね?

花屋

姫様のご婚約発表…

騎士

そうだな

花屋

花屋

姫様に、お花を贈られてはいかがでしょうか?

騎士

姫に?

花屋

美しい姫様には

花屋

きっと

花屋

赤い薔薇が、よくお似合いですよ?

騎士

赤い薔薇か…

花屋

気持ちは、きっと

花屋

伝わります

騎士

商売上手だな

騎士

買わせてもらうよ

花屋

ありがとうございます

花屋

何本に、なさいますか?

騎士

騎士

七本…

花屋

七本ですね?

花屋

お買い上げありがとうございます

翌日

騎士

おはようございます

騎士

おはよう

騎士

姫!

騎士

これを…

騎士

お受け取り下さい!

姫の前にひざまずき

七本の薔薇を手渡す

【密やかな愛】

と想いを込めて

真っ赤な薔薇…

綺麗ね?

姫は薔薇の香りを楽しんだ後

五本の薔薇を騎士に返した

これが私の

正直な気持ちよ…

五本の薔薇の花言葉は

【貴方に出会えて嬉しい】

騎士

姫…

騎士

(姫は…)

騎士

(花言葉をご存知なのか?)

騎士は薔薇を受け取ると

二本の薔薇を姫に贈った

騎士

これが

騎士

騎士

自分の気持ちです…

「この世界に2人だけ」

ふふっ

キザな人ね?

それじゃあ

私はこれを

姫は一本の薔薇を 差し出した

騎士

一本の薔薇の花言葉は

騎士

「私には貴方しか居ません」

騎士

騎士

姫…

ちゃんと伝わったかしら?

これが私の答えです

騎士

もちろんです!

連れ出してくれますか?

私を…

お城の外の世界へ

騎士

喜んで!

騎士は姫の手を取り

自分の元へと引き寄せる

騎士

ずっと貴女を

騎士

外の世界へ連れ出してしまいたかった…

二人は手と手を取り合い

城を後にした

その後の二人の行方は

誰も知らない

花屋

お花はいかがです?

花屋

想いを込めて、お花を贈りませんか?

二人が消えても、世界は何も変わらない

唯一変わった事は

街の花屋の売る花の種類が、増えた事くらい…

#TELLER文芸部

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コメント

18

ユーザー

初コメ失礼します。 最初のふたりのすれ違う思いに 切なくなりました。でも、騎士がせめて想いを贈りたいと思い それに姫が気づきハッピーエンド、すごいロマンチックでした!色んな花言葉を複数の花を使わず、あえて薔薇だけにしたのもすごくオシャレで素敵でした!とても面白かったです。 フォロー、失礼します。

ユーザー

ロマンチックです…! 姫が「知らない」と拒絶しつつも、騎士の思いに薔薇の本数で答えていく様子がとても素敵でした。全体的に御伽噺のようで美しいです。

ユーザー

凄く素敵な物語でした✨ 薔薇のやりとりで想いを伝え合う二人、数が少なになればなるほど想いが強くなる花言葉、本当にロマンチックです☺️ どこか余韻を残した終わり方、心にジーンときました!(*´꒳`*)

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