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#たっつん
R。
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昨日も同じ海の宿に泊まった。
色々あったから、ほとんど移動出来なかった。
朝。目を覚ましカーテンを開けると、青々とした海と一昨日遊んだ砂浜が見えた。
真宮 ゆあん
部屋の隅で、荷物をまとめていたうりが小さく笑う。
瀬那 うり
真宮 ゆあん
瀬那 うり
うりが何を言っているか分からず、首を傾げる。
けどうりは、何も言わずただ荷物をまとめ出る準備をしているだけだった。
宿を出て、駅へと向かう。
波の音だけが聞こえる海岸沿いを歩いていた時、小さな写真館があった。
思わず足を止めてみると、店の看板には『インスタント写真』の文字があった。
真宮 ゆあん
真宮 ゆあん
うりは驚きつつも「記念って?」と問うてきた。
真宮 ゆあん
俺のこの言葉に、うりは少しだけ目を伏せた。 けどすぐに「いいよ撮ろ」と言い店に入った。
中に入ると、古びたカメラが多くあった。 年代物で多分高価なものだ。
俺たちは横に並び、お店の人がシャッターを切る。
撮れた写真には、ぎこちなく笑う2人が写っていた。
うりはその写真を嬉しそうに眺めていた。
真宮 ゆあん
俺はうりに現像された写真を差し出す。
でも何故か、うりは受け取ろうとしなかった。
瀬那 うり
真宮 ゆあん
瀬那 うり
真宮 ゆあん
真宮 ゆあん
うりは一瞬寂しそうに笑った。
けどすぐにいつも通りの顔になって「あぁ」。と頷くだけだった。
俺たちはまた市電を乗り継いでいた。
時間はもう昼に差し掛かっていた。
乗客もまばらで、俺たちはまた端の座席に並んで座っていた。
隣に座っているゆあんが眠そうに手すりに頭を預ける。
瀬那 うり
瀬那 うり
ふと、心の中で呟く。
こんな未来を連れてきたのは俺だ。 ゆあんを共犯者にして。夢があるのに壊すようなことをして。
瀬那 うり
ー〇〇県警察署 資料室ー
同じ頃、ゆあんの父真宮警部は古い事件のファイルを開いていた。
そこには、 『10年前 未成年恐喝事案』と書かれた資料があった。
資料は黄ばんでおり、被害者名が黒く塗りつぶされていた。
そして、加害者の写真に目をやる。
その瞬間、真宮警部の顔が強ばった。
なぜなら、加害者の名前と写真が、今回殺害された男と同一人物だったからだ。
お父さん
ページをめくる。
そこには、『同級生の秘密をバラすと脅迫』という1文があった。
真宮警部の手が止まる。
お父さん
お父さん
”同級生”その単語がいやに引っかかったのだ。
お昼過ぎ。俺たちは町外れにあった食堂へ入った。
店の中は、席が3、4個しかない狭い店で、日替わり定食がおすすめというチラシや新聞の切り抜きが辺りに貼られている。
真宮 ゆあん
瀬那 うり
うりは迷わずカレーを頼んだ。
真宮 ゆあん
そう笑いながら言うと、うりは不思議そうに「何が?」と首を傾げてきた。
真宮 ゆあん
瀬那 うり
何故かうりは自慢気に鼻を高くする。
俺はそんなうりを見てまた笑ってしまった。 つられてうりも笑う。
店内で流れているラジオを聴きながら話していると、 カレーと日替わり定食が運ばれてきた。
真宮 ゆあん
「いただきます」と2人で手を合わせ箸を持つ。 日替わり定食は、サバの味噌煮だった。
味噌汁を啜ると、うりもまたカレーを1口、口に運ぶ。 すると、スプーンを持った手が止まった。
瀬那 うり
真宮 ゆあん
瀬那 うり
あまりにも眉を顰めながら言うものだから、思わず笑ってしまった。
真宮 ゆあん
真宮 ゆあん
俺は続けてサバの味噌煮を1口食べる。タレも美味しくてご飯が進む味だ。
ふと、うりの方を見ると目を伏せたままカレーを見つめていた。
俺の問に返事はしなかった。
夜。古い小さな民宿。
ゆあんは疲れてたのか先に眠ってしまった。
俺はと言うと、眠れず机に向かって座っていた。
昼前に撮った写真をじっと眺めながら。
2人とも笑っている。けどその顔にはくまがあって上手く笑えてない。
瀬那 うり
小さく笑う。
写真を裏返して、ペンを握る。
写真の隅に小さく『ごめん』と書く。
少しだけ考えて、その文字を指で擦る。
けど指が黒くなるだけで、完全には消えなかった。
ペンを持ち直して、その下にゆっくりと文字を綴る。
『ありがとう』
少し歪な文字。だけどそれは確かに、ゆあんが隣に居てくれたから出た言葉だ。
きっとお前が居なかったらまた『ごめん』って書いたままだったと思うから。
俺は写真をそっと封筒に戻し、ゆあんのリュックの奥にしまう。
瀬那 うり
誰にも聞こえないくらいの小さな声だった。
俺はそのまま布団に入って眠りについた。
同じ頃。 真宮警部は、10年前の担当刑事の元を尋ねていた。
今は警視正の彼は白髪混じりで深いシワが刻まれている。 資料を見つめながら静かに言葉を紡ぐ。
警視正
警視正
お父さん
真宮警部は固唾を飲み、言葉の続きを待った。
警視正
お父さん
警視正は静かに首を振った。
警視正
警視正
警視正は呼吸を正しながら、また言葉を紡ぎ出す。
警視正
警視正
その言葉を聞いた瞬間、真宮警部の頭に1人の人物が思い浮かんだ。
お父さん
ずっと我が子同然のように可愛がってきた、もう1人の息子の顔が。
お父さん
家に戻る途中で真宮警部が車を路肩に止める。
ハンドルを握ったまま動けなかった。
頭の中で無尽蔵に思考が巡っているからだ。
もし…うりが本当に”誰か”を守っていたのなら。
そしてその”誰か”がゆあんだったとしたら。
私は今…息子を命を懸けて守ろうとしている相手を、「殺人犯」として見て追っていることになる。
真宮警部は苦しそうに目を閉じた。
そして急いで車を走らせる。
お父さん
お父さん
翌朝。2人はいつも通り笑っていた。
他愛のない話をしたり、オチがない話で盛り上がっていた。
だが、こんな2人の時間が刻一刻と終わりへ近付いていることを知る者はいなかった。
深淵の奥底から虎視眈々と狙いを定めている警察以外は__。
𝐍𝐞𝐱𝐭♡···▸500
◾︎◽︎To be continued◽︎
コメント
3件
今回も楽しいお話ありがとうございました!!写真館?での「ごめん」がめちゃくちゃ心にきた…。うりさんの罪悪感とそれでもゆあんくんのとなりにいて1人で背負って1人にならないのがゆあんくんの気持ちもちゃんと受け止めてるのが伝わってくる。最後の真宮警部…ゆあんくんのお父さんがうりさんに気づいたのが物語が大きく進んだなと思いました!続き楽しみにしてます!
初コメ失礼します❗もうずっと前から大好きです❤🫶🏻💕これからも頑張ってください‼️
みぅです🤍🥀 第9話、読み終えました。 写真館での「ごめん」と「ありがとう」のやり取り、すごく刺さりました…。うりの小さな罪悪感と、それでもゆあんの隣にいたい気持ちが静かに伝わってきて、胸がぎゅっとなりました。 最後、真宮警部が「うり…?」って気づくシーン、ここからどう転ぶのかドキドキです。 穏やかな日常の裏にある不安と、終わりが近づく空気感が丁寧に描かれていて、とても好きな回でした🌙 続き、大事に読みます。