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喧騒が聞こえる。
殴られたところまでしか記憶がない。その後何があって、僕は今こうなっているのか分からない。
ただ、気付いたら、先程の広間にいて。
桃
さとみくんがいて。
橙
ジェルくんがいて。
でも。
一つだけ、前と違うことは。
青
桃
涙が、知らず知らずのうちに溢れていた。誰かの洩らす嗚咽が聞こえて、それが僕の声だと認識したのは、数秒経ってからだった。
桃
橙
橙
そう、前と違うところは。
橙
左腕が、無くなっていた。
桃
僕たちを庇ってこうなったのは、明白だった。笑って、「無事でよかった」なんて言っていたけど、汗が浮いている。
聞こえてきた嗚咽は、いつの間にか慟哭へと変わっていた。
さとみくんが率先して行こうとしていた理由。世界の過酷さ。己の非力さ。何よりさとみという男の偉大さをルフィ……あ、やべ
青
桃
橙
青
何かがおかしい。さとみくんの額に浮かんだ汗と、強がっている表情は消えて、代わりに笑いながら怒っている感じだ。
ジェルくんも、泣くのをぴたりとやめて、さとみくんと同じような顔をしている。
青
桃
橙
ネタバラシ、という言葉に驚いていたら。更に僕の目玉をひん剥かせるような人物が登場した。
紫
桃
橙
紫
二人は当然の如く対応してるけど、僕は情報過多で死ぬ。何サラッと登場しているんだろう。
青
紫
ドッキリプレートを持って元気よく登場してくるなーくん。そんな最初からいましたよみたいな顔でドッキリされても。
こういう時、どんな顔すればいいか分からないの。すぎる。
桃
橙
青
正解、とドッキリプレートを裏返すなーくん。そこには、 『相方が自分を守って片腕を失ったらシャンクス腕が状態になるのか!』と書かれていた。
青
桃
青
特殊な服を使って引っ込めていた腕を出し、ひらひらとふるさとみくん。正直、腕があることには安心したけど、それで誤魔化せるほど僕はバナナではない。
橙
青
今更思いっきり泣いてしまったことが恥ずかしくなる。つんつんと煽ってくるさとジェルに本気で殺意が湧いてきた。ゴムゴムのバズーカで吹っ飛ばしてやろうかコイツら。
青
橙
予想から一番遠い人物が計画発端者だったことでもう何も信じられなくなる。なーくんは悪ノリしてるだけだと思った、と伝えると、
紫
らしい。僕としてはなーくんが城にいる時点で十分びっくりした。
青
紫
「「「は?」」」
三人の声が揃う。どうやらさとジェルもそこまでは聞いてなかったようで、目を見開いている。
橙
紫
橙
紫
どんだけカリスマ性あんだよ、とさとみくんが言うが、本当にその通りだと思う。そもそも街の状況を把握できるだけでこの人何者?アドバイスを不審者扱いされないって僕との扱いの差は?
青
桃
青
桃
紫
アレ、とは例の『山羊という名の猿へ、愛を込めてーー』と印字されたバナナの被り物の事だろうが、なーくんの仕業だったのか。確かにやりそうではある、と変な意味で納得してしまった。
青
素直に感想を述べると何故か笑われる。本当に何故だ。
紫
ころんの勇者パーティの事を話すと、目を輝かせて入りたい、と言ってくれる。勿論賢者が入ってくれるのは冒険が大分楽になるが、懸念もある。
青
紫
指さす先には、大量の衛兵がいた。全員整列、敬礼姿勢をとっていて見事な光景だった。
ここまで統治されているとは、きっとなーくんは本当に全員にルールを叩き込んだのだろう。
青
気付いてしまった。
青
紫
大成功!と喜ぶなーくんは思ったより鬼畜なんだと知った瞬間だった。