そんなこんなで 名前呼び&情報をゲットし、
私はそれだけで満足した。
毎日孤爪先輩のことを考えて、
1週間経った頃。
涼風夏姫
( 見かけないなぁ )
廊下に出るたびに プリン頭を探すけれど、
運が悪いのか会うことは できずにいた。
そんな、ある日のこと。
涼風夏姫
( 今日は会えるといいなー )
なんて呑気に思いながら 駅のホームに入ると、
いつも乗る 2車両目の並ぶ場所に、
今日は人が多く並んでいた。
涼風夏姫
( あーあ、ツイてない )
内心落ち込みつつ 何となく人が少ない6車両目で
電車を待った。
そして「それ」が起こったのは 数分して電車に乗った時。
涼風夏姫
!?!?
黒尾鉄朗
〜〜〜
孤爪研磨
〜〜?
車両に乗り込んで席に座ると、
向かい側に孤爪先輩が 座っていたのだ。
涼風夏姫
( やばばばばばば )
変な汗をかく。
隣に座る背の高い人と 話している先輩は、
きっと私に気付いていない。
それどころか 覚えられてるかも危うい。
それでもいい。 見れただけでいい。
涼風夏姫
( これはラッキースケベだ )
下を見てるふりをして チラチラと盗み見する。
はーーーかっこいーーーー。
孤爪研磨
チラッ
涼風夏姫
!!!
と、スマホに向いていた目線が こちらを向く。
バチリと思いっきり目が合う。
涼風夏姫
( は?ヤバ、目合ってる、ヤバいって )
私がドギマギしながらも 目を離せずにいると、
先輩はスマホを持ってない方の手を、
孤爪研磨
👋🏻
軽く、本当に軽く横に振った。
涼風夏姫
!?
孤爪研磨
フイッ
ほんの一瞬だった。 けど私は見逃さなかった。
気付けば孤爪先輩はもう 下を向いていて、
きっと私以外誰も気付いてない。
その2人だけの秘密が 飛び上がるほど嬉しくて、
心臓が爆発しそうだった。