エピローグ「君の隣で咲くまで」
(春。華学園の屋上。去年よりも少しだけ暖かい風)
あれから一年。 屋上の鍵の音も、風の匂いも、全部覚えてる。 ——「次の春、またここで会おう」 あの約束を、私はずっと信じてた。
(澪がそっと屋上のドアを開ける)
桜庭 澪
(少しうつむいて桜を見上げる)
桜庭 澪
(風が吹く。背後から声がする)
藤咲 遥
桜庭 澪
(息を切らしながら、笑う遥)
藤咲 遥
桜庭 澪
(沈黙。二人の間を桜の花びらが通り過ぎる)
藤咲 遥
桜庭 澪
藤咲 遥
桜庭 澪
藤咲 遥
(澪の頬が、ほんのり染まる)
桜庭 澪
藤咲 遥
桜庭 澪
(遥が一歩近づく。風が静まる)
藤咲 遥
(手を取り合う。指先がぴたりと重なる)
あの春の約束が、 一年越しにようやく咲いた。
藤咲 遥
桜庭 澪
(桜が舞う。二人の影が、ゆっくりと重なる)
「花が散っても、想いは咲き続ける」 ——春が来るたび、二人の恋はまた、ひとひらの桜になって揺れる。
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