一歩ずつ…

昔から歌は好きだった

才能なんて１つもなかった

光るものなんて１つもなかった

ある時歌い手に出会った

どんどん好きになっていった

推しの背中を追い続けた

初めは好きで見ていたはずなのに

段々、悔しくなっていった

『歌い手になりたい』

そう思うようになった

でも、そんな簡単じゃない

技術なんかない

声の出し方だって分からないから下手

練習してもすぐにはうまくならない

悔しくて悲しくて、負けたくなかった

毎日歌った

下手でも、何でも

歌って歌って歌い続けた

調べて、練習した 少しだけでも上に行きたかった

毎日毎日歌って、喉が痛くなった時だってあった

少しだけできることが増えた

でも…

自分なんか、まだまだだった

上手い人の歌を聴いて毎回苦しくなった

上手い人は上手い

自分には、何も無いその現実を叩きつけられた

一度夢を諦めた

どうせ、無理だ

何も無い俺には出来ない

だけど、諦められなかった

諦められずもがいてた…

ある子がそう、言ってくれた

無理だ…一瞬そう思った

でも

やりたい

この、チャンスを逃したら二度と夢を叶えるチャンスがない

感覚だけど、そう思った

壁はいっぱいあった

歌は上手くない、お金もない、機材もない

何も無い状態からの、『一歩』

仲間が出来ても

怖かった、不安で潰されそうだった

『無理』その言葉の矢が自分の心にずっと刺さったままだった

ずっとそう思ってた

ぐちゃぐちゃの気持ちを落ち着かせる為に話した

怖くて怖くて仕方ない時

話して、切り替えた

それでも、怖かった

推しの配信を見る度

苦しくて、辛くて、怖くて、嫉妬して…そんな自分が嫌だった

言い聞かせた

自分に暗示をかけるように

繰り返し、言い聞かせた

周りが無理だと言う度、ポジティブに考えた

お前らがいけるわけない 大人になってから

今日も僕は、進む努力を