額から汗が流れ落ちるのが分かる。
私達は灰色がかった霧の中を 必死に走っていた。
背中がヒリヒリする
くるみ
追いかけてくる霧龍が そこらにある木をなぎ倒して 追ってきているのだろう、 すごい音が後ろでしている。
くるみ
なかったら終わってたわ…‼︎)
くるみ
火事場の馬鹿力というやつである。
くるみ
やっぱり同じ速さなのね。)
クルミ
力使った方が効率いいんじゃ…⁈
ケンスケ
ああ‼︎
言われてみれば!
くるみ
ケンスケ
クルミ
任せろ‼︎
ここら辺ぐるぐる回ってっから‼︎
二手に別れた。
くるみ
この霧で方角分かんの⁈
クルミ
そんな大きく回らないよ!
くるみ
力って何よ⁈
なんかクルミ達がお守りに選ばれた理由で言ってたけど‼︎
クルミ
後で説明するから‼︎
今は体力温存に集中しよう‼︎
くるみ
ケンスケ
くるみ
ケンスケの手には 地図が広げられていた
くるみ
地図ゥ⁉︎
クルミ
まあ見ときなよ!
すると ケンスケの手が光り出した
地図にも光が伝わっていく
くるみ
光る地図から矢印が現れた
ケンスケ
これについていくぞ‼︎
くるみ
力すげえええ‼︎
クルミ
そうさそうさあぁ‼︎
ケンスケ
俺の顔ひっぱたいたのは誰でしたっけ…
クルミ
ケンスケ
物の能力を操れるんだ
クルミ
道とか場所を教えてくれる能力ね‼︎
くるみ
クルミ
100億点‼︎
ケンスケ
クルミ
くるみ
ケンスケ
これで鬼ごっこ脱出するぞ‼︎
クルミ
くるみ
ケンスケ
くるみ
光る矢印の方向に走ると 開けた場所に出た
夕日が差していて霧も薄い
霧が力の源なのか 霧龍も動きが遅くなった
額の汗を拭う
くるみ
追ってこない…?
クルミ
ここまだ少し霧あるし。
くるみ
ケンスケ
退治もしやすいな
くるみ
退治⁇
クルミとケンスケが 背負っている大きなリュックから何か棒を取り出した
くるみ
孫の手ェ⁉︎
クルミ
ケンスケ
クルミ
すると、今来た道の方から 霧龍がゆっくりと出てきた。
ゆっくりと動く姿に圧倒される
クルミ
ケンスケ
全部払ってくれるならいいよ
クルミ
まあいいよ払ったる!
クルミの手が光り出した
その光が孫の手へ伝わっていく
クルミ
しっかり見といてね‼︎
私の勇姿を‼︎
霧龍
力を振り絞るかのように吠えると、 ものすごいスピードで クルミにおそいかかった。
狙いは私だろうけど。
クルミ
孫の手アタァァァック‼︎
クルミが向かってくる霧龍に まるで野球のように 孫の手を振りかぶった
孫の手は強く光り、 霧龍の額らしき場所に当たる
ズバンッ と霧龍が上下半分に切れた。
クルミが孫の手で切ったのだ。
霧龍
霧龍が消えていき、 辺りの霧が晴れていく
クルミ
見たか‼︎
くるみ
開いた口が塞がらないとは まさにこのことだろう
ケンスケ
クルミ
ケンスケ
くるみ
孫の手って…
クルミ
孫の手で背中の痒いとこピンポイントでかけるでしょ!
それにちなんでなのか孫の手は相手の弱点をピンポイントで当ててくれるんだ‼︎
ケンスケ
クルミ
アマテラスオオミカミ
くるみ
クルミ
ケンスケ
アマテラスオオミカミ
すごい活躍だったな!クルミ‼︎
クルミ
それほどでも!
えへへ…
アマテラスオオミカミ
クルミ
ケンスケ
さっきとは打って変わって 2人の顔が青ざめる
アマテラスオオミカミ
くるみもじゃ、よく頑張った
くるみ
アマテラスオオミカミ
くるみ、早く行くがよい
家族や友が心配しておるぞ
くるみ
短い間でしたが、
ありがとうございました!
アマテラスオオミカミ
私も楽しませてもらった
あちらでも元気でな
くるみ
はいっ‼︎
アマテラスオオミカミ
帰ったら双六、
楽しみにしとるでの
クルミ
ケンスケ
アマテラスオオミカミ
プツッと通信が切れる
クルミ
ケンスケ
地図使うぞー
くるみ
さっきまでの 帰りたくないという気持ちは なくなっていた。
くるみ
こりごりだなぁ)
やっぱり、どの世界にも 危険はあるものなのだ
くるみ
行こっか!
クルミ
ケンスケ
くるみ
全速力の後の長い獣道はキツイからな…!
目の前には数分前と変わらず 井戸があった
霧が晴れてスッキリして、 差し込む夕日がより一層 神秘的に見せていた。
井戸に近づき、 中を覗き込んでみた。
風が吹いてくる
クルミ
ケンスケ
あっちでも元気で!
クルミ
くるみ
また
ビュオッ
強い突風が吹いてきて手が滑った
くるみ
タイミングっ
悪すぎでしょおおおおおお
おでこを打って、お腹を打って、 深くて暗い井戸の中に落ちていった
地面に落ち葉のパリパリした 感覚がする
土の匂いもする
ゆっくりと、目を開けた。
青い空に、白い雲。
青いといっても、水色に近い 色をしている。
見慣れた空だ。
くるみ
ことは
くるみ
ことはあ!
ことは
良かったあああああ
すごい心配したあああああ
くるみ
くるみ
けんすけ
たくま
くるみ
こんな心配されるんだ…)
クラスメートも 安堵の表情を見せている
話しかけたいけど 同じ班だった人たちが激しすぎて 話しかけられないって感じだ。
ことは
あんたの身にぃ…
くるみ
ことは
たくま
けんすけ
3人とも開いた口が塞がらないようだ
オタクのけんすけは 少しうずうずしている
信じられないけど、 本当にあったことなのだ。
あの日着ていた制服に、 しっかりと真っ白なふわふわの 葉っぱが付いていたんだから。
くるみ
はい‼︎ 完・結‼︎
無事終われました‼︎ やったあ‼︎
最後までご愛読 ありがとうございました‼︎
沢山のいいねも ありがとうございました‼︎
それでは、また‼︎