そらねちゃんが、そらちゃんの膝の上で、ふと思い出したように言ったんだ。
そらね
「ねぇ、ママ、パパ。そらねね……『おとうと』か『いもうと』がほしいな!」

その瞬間、部屋の中の時間が止まった。
紅茶を淹れようとしていたジェジェの手が止まり、磁器のカップが宙に浮いたまま静止する。
そら
「……そ、そらね? 急にどうしたの……っ?」

そらちゃんが顔を真っ赤にして聞き返すと、そらねちゃんは無邪気に笑った。
そらね
「だってね、リムルおじちゃんに『きょうだいがいると、もっと楽しいぞ』って教えてもらったの! そらね、おねえちゃんになりたい!」

ジェジェ
「……リムル様、余計なことを……っ」

ジェジェ
《 警告。……個体名:ジェジェの思考回路が暴走中。……『第2子作成』に向けたシミュレーションを1秒間に4億回実行。……

ジェジェ
結論。……そら、覚悟してください。……今夜のスケジュールは、すべてキャンセルです 》

そら
「ジェジェ! 脳内でそんな恐ろしい報告しないでぇぇ!!」

ジェジェ
「……そら。……娘の願いを叶えるのは、親の務めです。……そうですよね?」

そこへ、騒ぎを聞きつけたシュナとシオンが、なぜか「赤飯」と「特製精力スープ」を持って乱入してきた。
シュナ
「そらね様、よくぞおっしゃいました! テンペストの世継ぎは多いに越したことはありませんわ!」

そら
みんな落ち着いてーーーっ!!」

ジェジェ
《 告知。……周辺の結界強度を最大に設定。……誰一人として、この部屋の邪魔をさせません。……そらね、おやすみなさい。……ここからは、パパとママの『真剣勝負』です 》

そらねちゃんは「わーい、あしたはおとうといるかなー?」と呑気に寝室へ向かっていくけれど、残されたそらちゃんは、ジェジェの熱い視線に、もう逃げ場がないことを悟るのだった。