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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

遠い遠い時の果て

そこに住まう人は

皆、永遠の命を持つ世界での話

赤い実の成る木の下

生まれながらに

死の呪いがかけられた少女の話

色付いた街外れ、蒼く光る湖畔

赤い実のお菓子屋の少女

ちょっぴり寒くなった今日、

誇らしげに自信作を売りにゆく

少女

待ってて...

少女

今度こそ美味しいんだから...!

時計塔の見える市、驚いた

珍しく、賑やかだった。

少女

(ラッキー♪)

街の隅、ひとりで売る。

少女

赤い実のパイどうですか

少女

自信作です...!

町の人

そんなの1つも売れないさ!

少女

(みんなと何も変わらないのに...)

少女

(おいしくできたのに...)

“今日も声は届かないのね”

“まるで透明になったみたい”

そうして誰もが知らぬ振りをした

何故なら少女は呪われているから。

夜なべでアレンジパイ。

にっこりと笑顔をつくる

まだ少女は諦めない。

時計塔の針も空を指し、

お腹も鳴るそんなとき。

(ドンッ💥)

少女を誰かが押す。

(ドサドサッ)

甘い籠は落ちる。

(グチャッ)

少女

あっ....

平気な顔でお菓子を踏み行く人達。

少女

(惨めだな....)

ふともう一人の手が

ドロドロのパイを口にいれる

少年

おいしいね

“その声で心は溢れた”

“まるで輪郭を書いたみたい”

そうして彼は手を差し出した

何故なら少女に呪われているから。

街の人達は哀れむ。

「赤い実を食べて呪われた者を」

「永遠に生きられずに死ぬのさ」

「嗚呼、なんて可哀相な話」

ふたりは笑う

それでも笑う。

“とっても素敵な呪いね”

例え明日死んでも

『今』が確かで大切になるから

“もう声は届かないのね”

“まるで透明になったみたい”

そうして誰もが知らぬ振りをした

何故なら世界が呪われているから。

『永遠』の呪いは解かれていた

まるでふたりの方が狂ったみたいだろ

そしていつか笑うように眠る

何故ならふたりは放たれているから。

死んだ世界でただふたりだけが

幸せだった。

林檎売りの泡沫少女

🍎🍎🍎🍎🍎

最後までご覧頂き、ありがとうございます! この話は、林檎売りの泡沫少女という曲をお話(?)にしたモノです!

ハート、コメント、フォローよろしくお願いいたします:-)

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106

コメント

2

ユーザー

感動しました‪( •̥ ˍ •̥ )‬ストーリーも知らなかったのでよく分かりました!

ユーザー

読んでいて楽しかったです!

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