変わらない毎日 。
それが当たり前だと思ってた
失蝶
今日は先生に会うために 誰よりも早く教室に辿り着いた。
ガサゴソ
奇妙な音が鳴り響く 。
不穏な空気 _ 。
私は 不思議に思い辺りを見渡した
失蝶
沆瀣先生の机には
実月先生が居た 。
実月先生
失蝶
実月先生
実月先生
実月先生
失蝶
失蝶
シュン …
!?
背後に気配が 、
実月先生
ドンッ!!
鈍く大きな音に思わず目を閉じた 。
実月先生
沆瀣先生
実月先生
理解が追いつかない 。
沆瀣先生
実月先生
沆瀣先生
沆瀣先生
大切な生徒に手を出すやつは
容赦しない 。
この一言で瞬時に理解した 。
実月先生が私を襲おうとし …
沆瀣先生が、 庇った …
実月先生
実月先生
実月先生
実月先生
沆瀣先生
沆瀣先生
失蝶
実月先生
実月先生
実月先生
さようなら _
失蝶
沆瀣先生
振り返ると 実月先生の姿はもう無かった。
失蝶
失蝶
沆瀣先生
声は微かに震えていた …
私は大丈夫じゃないと判断した 。
先程の鈍器で殴り付けられたような音は
少なくとも大丈夫な音では無かった
失蝶
沆瀣先生
沆瀣先生
失蝶
失蝶
ピーポーパーポー
失蝶
失蝶
あの出来事から数ヶ月経った 。
だが 先生はまだ
目を覚まさない
失蝶
失蝶
失蝶
失蝶
無数の透明な雫が零れる
失蝶
失蝶
失蝶
パチッ
失蝶
沆瀣先生
失蝶
失蝶
失蝶
失蝶
沆瀣先生
失蝶
失蝶
失蝶
沆瀣先生
誰ですか …?
失蝶
タッタッタッ
ガタン!!
先生
沆瀣先生
沆瀣先生
私以外の記憶はある …の か …
生徒
生徒
沆瀣先生
失蝶
生徒
生徒
生徒
沆瀣先生
私のせいだ
私が 先生のために なんて
朝早く行かなければ
忘れられることもなかった
みんなに迷惑も掛けなかった
それなのに …
ああ、 私の愛は
不幸を呼ぶの ?
小さい時から 人に気を遣い続けてた
嫌われないように、
嫌わないように
ずっと心に秘めてた 。
好かれないように
好かないように
ごく普通の人間として
生きていくつもりだった
私の愛は
人を不幸にする
ならば、愛さなければいい 。
なんて 思ってたのになあ 。
恋が実ったって
いつかは消える
そんなの分かりきっていたはずなのに
どうして人を好いてしまう ?
私には分かりっこないや
ああ、
儚く枯れ、消えたい。
塵になりたい …
霧に混じって 、 どこか消えてしまいたい。
時は流れ
卒業の日 。
今日こそ先生に
伝えるんだ
沆瀣先生
沆瀣先生
沆瀣先生
沆瀣先生
沆瀣先生
沆瀣先生
生徒
友人
教室中の皆が泣いていた
それでも私は泣けない。
周りとは違う。また思い知らされた 。
失蝶
沆瀣先生
沆瀣先生
失蝶
遂に伝える時が来た 。
沆瀣先生
失蝶
沆瀣先生
沆瀣先生
失蝶
失蝶
失蝶
失蝶
失蝶
失蝶
沆瀣先生
ああ、 言ってしまった 。
今すぐにこの場から逃げ出したい
沆瀣先生
何を言っているか …分からない …
緊張で手が震える
失蝶
失蝶
私は分かってしまった 。
悟ってしまった
先生が困惑していることを、
私なんて眼中に無いことを 、
今から、先生に
振られてしまうことを
失蝶
失蝶
失蝶
失蝶
沆瀣先生
タッタッタ…
はぁ、 っ はぁっ、、
カヒュッ
は、 っ、 はぁ、
力のある限り走った 。
ここが何処かすら分からない
まだ、 力は有り余っている
とにかく、 遠くへ
1人孤独に … 消えたい 。
沆瀣のある光り輝く満月の下で
1人孤独に座り込んでいた 。
少女にもう力は無い
失うのが怖い、 そんな1人の少女
失う物が無くなったとき、どうなるのだろう 。
ああ、儚く消えたい。終わりにしたい 。
失蝶
先生 、聞こえてますか ?
本当に
世界で1番、
大好きです
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