一覧ページ

𝑜𝑓𝑓𝑖𝑐𝑒 𝑙𝑜𝑣𝑒.

第1話 - 𝑜𝑓𝑓𝑖𝑐𝑒 𝑙𝑜𝑣𝑒.

531

2022年08月20日

#BTS

#オフィスラブ

#18禁

#SIN

#大人ロマンス

#BL

ぷにゅ。

𝑜𝑓𝑓𝑖𝑐𝑒 𝑙𝑜𝑣𝑒.

　　　　▸▸▸

会社のエントランス前のガラスで、スーツやネクタイ、服装の乱れを確認して、しわを伸ばす。

ガラスの反射を使い、少しはねた髪を撫でつけてから、自動ドアで会社のビルの中へと入る。

自動ドアが開いた瞬間の冷気が丁度良い程に、通勤時の熱を逃がしてくれる。

全てが、完璧でなければならない。

一瞬の気の乱れも、服装の乱れも、許されない。

至って完璧な自分でいなければ。何故なら。

僕は、有名な大手チェーン会社の社長の、専属秘書なのだから。

𝑆𝑢𝑔𝑎.

おはようございます。朝早くから、お疲れ様です。

𝐷𝑒𝑠𝑘 𝑤𝑜𝑚𝑎𝑛.

おはようございます、ユンギ様も朝早くから、ご苦労様です。

受付の女性に声を掛け、社長から渡すようにと預かったメモを渡す。

𝑆𝑢𝑔𝑎.

これ、よろしくお願いします。

𝐷𝑒𝑠𝑘 𝑤𝑜𝑚𝑎𝑛.

はい、承りました。ありがとうございますとお伝えください。

𝑆𝑢𝑔𝑎.

ええ、了解しました。では。

𝐷𝑒𝑠𝑘 𝑤𝑜𝑚𝑎𝑛.

はい、いってらっしゃいませ。

社員証を内ポケットから取り出し、ゲートに差し込み、エントランスから内部へと入る。

𝑆𝑒𝑐𝑢𝑟𝑖𝑡𝑦.

ユンギ様、いつもご苦労様です。昨夜のコーヒーの差し入れ、ありがとうございました。

𝑆𝑢𝑔𝑎.

昨晩からずっと残っていたのですか、お疲れ様です。

𝑆𝑒𝑐𝑢𝑟𝑖𝑡𝑦.

ええ、夜勤続きでして。いつも差し入れ、ありがとうございます。

𝑆𝑢𝑔𝑎.

いえいえ。では、頑張りましょう。

警備員の方に軽く会釈し、階段を上る。

朝日の差し込む、朝4:00のオフィスビルは、人の気配が少なく、ひっそりとしている。

秘書室に荷物を置き、折り返しで一階に戻り、また社員証を使い、会社のビルを出た。

近くのコンビニで軽く朝食を済ませなければ。

朝の空いているコンビニで、サンドイッチとブラックコーヒーを買い、イートインスペースで軽く朝食を済ます。

銀縁の腕時計で時間を確認してから、コンビニを出て、次は近くのカフェショップへと向かう。

𝑆𝑢𝑔𝑎.

ブラックコーヒーを一杯、テイクアウトで。豆と容器はこちらを使ってください。

コーヒー豆の入った袋と、金縁の入った陶器のコーヒーカップをカウンターに置く。

𝑠ℎ𝑜𝑝 𝑤𝑜𝑚𝑎𝑛.

分かりました。5分ほどで出来上がりますので。

𝑆𝑢𝑔𝑎.

ありがとうございます。

𝑠ℎ𝑜𝑝 𝑤𝑜𝑚𝑎𝑛.

今日も朝早くからの通勤ですか。大変ですね。

𝑆𝑢𝑔𝑎.

ええ。こちらの店は、他の店と比較し、開店時間が早い事にいつも助かってます。

𝑠ℎ𝑜𝑝 𝑤𝑜𝑚𝑎𝑛.

ええ、店長が早起きな方なので。

毎朝4:25きっかりにこの店に訪れているからか、知り合いになったコーヒーショップのレジ店員さんと他愛もない話をする。

そして、5分たってから、コーヒーカップとコーヒー豆の残りを受け取り、店を後にする。

会社に戻り、4:40きっかりに社長室の鍵を開錠し、デスクを綺麗に磨き、床の清掃、オブジェの整列をしてから、デスクの上に淹れたてのコーヒーを置く。

このコーヒー豆は、社長が直々にコーヒーの原産地であるエチオピアから直接輸入したもので、このコーヒーのブランド以外は、社長は絶対に口にしないのだ。

花瓶の水を変え、社長室のカーテンを開け、換気してから、クーラーをつける。

そして、定位置につき、背筋を伸ばして、後は社長が会社に来るのを待つのみだ。

ｶﾞﾁｬ

4:50きっかりに、社長室の重い茶色の扉が開く。

𝐽𝑖𝑛.

おはよう。お疲れ様。

𝑆𝑢𝑔𝑎.

おはようございます、朝早くからご苦労様です。

ドアのそばに立っていた僕に急に近づく社長。

そして、ネクタイをきゅっと引っ張られる。

𝐽𝑖𝑛.

今夜、予定を開けといてくれ。

耳元でそっと囁かれ、髪を撫でられた。

𝑆𝑢𝑔𝑎.

…ええ、了解いたしました。

心の中は冷静ではいられなかったが、秘書たるもの、感情全て表に出してはいけないため、淡々と答える。

社長は鞄を置き、スーツの上着を脱いだため、すぐにそのスーツを受け取り、壁に掛ける。

𝑆𝑢𝑔𝑎.

帽子もお受け取りいたします。

𝐽𝑖𝑛.

ありがとう。

社長は、デスクにゆったりと座り、コーヒーカップに手をかける。

まだ湯気の出ているコーヒーカップ。

4:30にコーヒーを作ってもらい、社長がくる4:50まで置いておいたら、冷め過ぎず、熱すぎず、丁度いい温度になっているだろう。

時間通りに動くこと。それが自分自身の最大の"ジンクス"であり、365日のルーティンである。

𝐽𝑖𝑛.

美味しい。流石だな。

𝑆𝑢𝑔𝑎.

ありがとうございます。

𝑆𝑢𝑔𝑎.

昨日、社長からのメモを受付に届けました。

𝑆𝑢𝑔𝑎.

そして今日の各企業からの案件の一覧表はこちらになります。

𝑆𝑢𝑔𝑎.

先日、契約成立しました会社との契約書類とその明細についてはこれらの資料になります。

𝑆𝑢𝑔𝑎.

要項を確認したうえでのサインをお願いします。

𝑆𝑢𝑔𝑎.

朱印はこちらです。

朝の仕事を一通り説明し、大量の書類をデスクに置く。

𝐽𝑖𝑛.

分かった。

万年筆をこめかみに当て、書類を読んではすらすらと流れるように署名をしていく社長の姿は、誰よりも美しいと感じる。

仕事とはまた別の感情が芽生えてきている…そう思えてしまうほど、仕事上の関係である社長を愛おしく思えてしまうのは、何故だろうか。

いや、今は仕事中、業務時間内だ。不要な浮ついた感情など、排除しなければならない。

𝐽𝑖𝑛.

ユンギ君、私の顔に何かついているのか?先ほどから、やけに君からの視線を感じる。

𝑆𝑢𝑔𝑎.

…すみません、何でもありません。

そういうと、社長は万年筆をデスクに置き、椅子から立ち上がると、近づいてくる。

そして、艶やかな唇をそっと僕の耳に近づける。

𝐽𝑖𝑛.

朝から誘っているのか?"ユンギ"。

𝑆𝑢𝑔𝑎.

ｯｯ…

業務時間内の"呼び捨て"に、心が揺らぐようだった。

心拍数、脈拍などの拍動が、どんどん高まって、血液の循環がより一層と速さをあげてゆくが、至って平静を装う。

耳元に吹きかけられる暖かい息は、脳までを振動させるかのようで。

"ｺﾝｺﾝ"

突然のノック音に動揺し、急いで社長と距離を取ってから返事する。

𝑆𝑢𝑔𝑎.

…はい。

𝑇𝑎𝑒ℎ𝑦𝑢𝑛𝑔.

取締役専務、キム・テヒョンです、失礼します。

𝑆𝑢𝑔𝑎.

…社長?

𝐽𝑖𝑛.

ああ、通しなさい。

𝑆𝑢𝑔𝑎.

では、お入りください。

ｶﾞﾁｬ

𝑇𝑎𝑒ℎ𝑦𝑢𝑛𝑔.

おはようございます、社長。朝早くから、ご苦労様です。

𝐽𝑖𝑛.

ああ。

…取締役専務の…キム・テヒョンさんだ。

テヒョンさんは、秘書である僕の方をちらっと見てから声を掛ける。

𝑇𝑎𝑒ℎ𝑦𝑢𝑛𝑔.

すみません、"秘書"の方は席を外してもらえませんかね?社長と、"二人きり"でお話があるもので。

𝑆𝑢𝑔𝑎.

…分かり…ました。では、社長…席を外させていただきます。

𝐽𝑖𝑛.

ああ。

𝑇𝑎𝑒ℎ𝑦𝑢𝑛𝑔.

では、社長…来週の月曜日の夜の事なのですが…

ｶﾞﾁｬ

…ただの打ち合わせだ。ただの…仕事上の打ち合わせのはず。

なのに、"来週の月曜日の夜"というワードに引っかかりを覚えてしまう自分がいて。

そうだ、この前の取引先との案件の打ち合わせだ。

…多分……そうだ。

そうに…決まってる…。

秘書という狭苦しい立場に、葛藤している毎日が続く。

𝐽𝑢𝑛𝑔𝑘𝑜𝑜𝑘.

ユンギさんじゃないですか、朝からご苦労様です。

廊下で、テヒョンさんの要件が終わるまで待っていたら、突然、副社長に声を掛けられた。

𝐽𝑢𝑛𝑔𝑘𝑜𝑜𝑘.

こんな廊下で、何をなさっているのですか?

𝑆𝑢𝑔𝑎.

…副社長も朝早くからご苦労様です。社長室に入室の許可が出るまで待っています。

𝐽𝑢𝑛𝑔𝑘𝑜𝑜𝑘.

社長に会いに来たのだけれど…社長は?

𝑆𝑢𝑔𝑎.

いらっしゃいますが、只今、取締役専務のテヒョン様が、社長とお話をされています。

𝐽𝑢𝑛𝑔𝑘𝑜𝑜𝑘.

…っっ…はぁ。

𝐽𝑢𝑛𝑔𝑘𝑜𝑜𝑘.

…テヒョンさんが、か。それは…困ったな。

𝑆𝑢𝑔𝑎.

どうなさったのですか?

𝐽𝑢𝑛𝑔𝑘𝑜𝑜𝑘.

あ、いや、何でもない。ありがとうございます。また時間を空けてきますので。では。

そういって、颯爽とそうかを歩いていく取締役副社長のチョン・ジョングクさん。

最年少で、入社半年なのにもかかわらず、副社長の座まで上り詰めた、エースだ。

僕よりも、4つ下だというのに、それに、新入社員だというのに、もう副社長か。

仕事を完ぺきにこなし、誰から見ても満点のルックスに、カリスマ性と、人を引き付ける多才の持ち主な為、多くの部下から好かれている若手のエース。

それに比べて、僕はこの秘書という立場から、ずっと昇進できぬまま。

自分の無力さに目を逸らしたくなる日々だ、本当。

ｶﾞﾁｬ

𝑇𝑎𝑒ℎ𝑦𝑢𝑛𝑔.

ああ、まだそこにいたのですか。ご苦労様です。

𝑇𝑎𝑒ℎ𝑦𝑢𝑛𝑔.

僕の要件は終わりましたので、"秘書"の方は、もう入っていいですよ。

𝑆𝑢𝑔𝑎.

…っ、ありがとうございます。

𝐽𝑖𝑛.

ああそうだ、テヒョンア、今度また食事しようか。新規プロジェクトについて話しながら。

𝑇𝑎𝑒ℎ𝑦𝑢𝑛𝑔.

あ、本当ですか!!ありがとうございます。いつもご馳走様です。

𝐽𝑖𝑛.

ああ、じゃあ、また後で。

𝑇𝑎𝑒ℎ𝑦𝑢𝑛𝑔.

はい。

𝑆𝑢𝑔𝑎.

……。

去り際、テヒョンさんと視線がぶつかる。

僕は、ぺこっと頭を下げる。

𝐽𝑖𝑛.

やぁ、待たせたな。ユンギ君。

𝑆𝑢𝑔𝑎.

…いえ、大丈夫です。

一体、何の話をしていたのか。

そう聞きたいけど、言葉が出てこない。

秘書には関係のない事だろうから、勝手に探る事、口を出すことなど、あってはならないこと。

僕は…改めて自分の立場を認識し、職を全うすることだけを考えなければ。

𝑆𝑢𝑔𝑎.

…社長、先ほど、副社長がお見えになられていました。

𝑆𝑢𝑔𝑎.

後ほど、また社長に用事があり、来るそうです。

𝐽𝑖𝑛.

ん、ああ、分かった。

𝐽𝑖𝑛.

そうだ、ユンギ君、オフィスを見てきてくれないか?報告を頼みたいのだが。

𝑆𝑢𝑔𝑎.

…ええ、分かりました。では、今から向かいますので。

𝐽𝑖𝑛.

ああ、ありがとう。

社長室を出てから、階段を何回か降り、2階の第五オフィスに向かう。

その途中で、社内に設備されている自動販売機で、ブラックの缶コーヒーを買い、一気に飲みほす。

朝4:00からの出勤で、今朝の起床時間は3:30。

狂った生活リズムをずっと1年以上続けてきたため、慣れたが、やはり、たまに猛烈な眠気に襲われる時がある。

だから、僕の仕事には、ブラックの缶コーヒーは必須アイテムとなっている。

カフェインで無理やり、頭を叩き起こして、僕は第五オフィスへと向かった。

そう、僕は秘書だ。

自分がやるべきことをやらなければいけない。

浮ついた気持など一切排除して、自分のやるべき仕事を、早急に終わらせなければ。

余計なことは、何も考えることなどない。

ただ働け。

社長の為に。

何故なら、僕は…社長の、キムソクジンさんの…

専属秘書

なのだから。

初めてノベルじゃない、チャットノベルで書きました…

なんか、書きにくかったけど、誰がセリフ話してるのか凄くわかりやすいですね。

新連載、オフィスラブですけど…

どうでしょうか。

今、出てきた人たちの立場を整理すると…

代表取締役社長（社長）キム・ソクジンさん

取締役副社長（副社長）チョン・ジョングクさん

取締役専務キム・テヒョンさん（副社長と同じ程の立場）

専属秘書ミン・ユンギさん（社長専属秘書）

この様な感じです。だんだんとロマンスや18禁けい描写も入ってきますのでご注意を。

では、新連載の方も、よろしくお願いします。

𝑜𝑓𝑓𝑖𝑐𝑒 𝑙𝑜𝑣𝑒.

作品ページ

次の話を読む

この作品はいかがでしたか？

531

2件

いやぁ、素晴らしかったです！私も一度だけチャット小説を書いたことがあったけど、性にあわなくて…ww テテさんがユンギさんへマウント取ってる感じとか、ユンギさんの秘書として遠慮してる感じとか、ジンくんがユンギさんをちょいちょい誘惑するところなどに、もうおっふが止まりません！

続き待ってますね！！！ストーリーが神すぎて、尊敬します😭😭

ぷにゅ。

プロフィール

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい！がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

𝑜𝑓𝑓𝑖𝑐𝑒 𝑙𝑜𝑣𝑒.

第1話 - 𝑜𝑓𝑓𝑖𝑐𝑒 𝑙𝑜𝑣𝑒.

関連するタグ