𝑜𝑓𝑓𝑖𝑐𝑒 𝑙𝑜𝑣𝑒.

𝑜𝑓𝑓𝑖𝑐𝑒 𝑙𝑜𝑣𝑒.

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社長の指示通りに、各オフィスに仕事の進行度や社員の出席を確認しに行く。

まずは、第五オフィスに。

この会社のオフィスは大体五つに分かれていて、第五オフィスが新入社員や、まぁ、下の方の社員が働くオフィスだ。

第五、第四、第三、第二、第一と、階数が上がるにつれ、昇給し、出世する仕組みになっていて、一番上の第一オフィスで働く社員が、この会社の主要幹部メンバーともいわれている。

第五オフィスのドアを開けると、キーボード音で溢れていた部屋が一気に静まり、僕に視線が集まる。

この階を取り締まっているイ・スホさんがさっと指示を出し、率先して挨拶をする。

一斉に立ち上がり、こちらまで来ようとしたため、手をひらりと振る。

第五オフィスを取り締まるスホさんを手招きし、第一オフィスの社員の出席情報を聞く。

大手チェーン会社の本会社の為、一応世間にはホワイトな会社を掲げてはいるが、まぁ…実際の所、黒みがかかっている気がする。

社員は必ず5:00出勤で、有給は他の会社と比べ少な目という、結構ハードなスケジュールで社員は年間通して働いているのが事実。

ブラック会社…というのだろうか…まぁ、気にしてはいけないことだ。

そして、第四、第三、第二とオフィスを各階ごとにまわっていき、最後に第一オフィスに行く。

第一オフィスという場所は、一番苦手な場所だ。

トイレか第五オフィスで寝ろと言われたら、確実にトイレを選ぶほど、苦手な場所。

会社の幹部メンバーが揃いに揃っているこの第一オフィスは…本当に苦手なのだ。

取締役副社長や取締役専務、取締役常務に、最高経営責任者、最高財務責任者など。

ゲームで言う…「ラスボス」のようなモンスター級の幹部が揃いに揃っているのである。

特に取締役専務に対する苦手意識が、強い。本人に面と向かっては言えないが。

取締役専務のテヒョンさんに特に強い苦手意識を感じている理由は、これだ。

まぁ、僕の方が立場は低いのだから、言い返すことは許されない。

最高財務責任者のナムジュンさんは、会社の予算や収入や、まぁ、とにかくお金を取り締まる人だ。

なので、お金に関することになると、凄くストイックになる。

今日も、地方子会社から提出された予算案とにらみ合っていて、複雑そうな顔をしている。

圧倒的に、立場が無いため、何も口出しすることが出来ない。

最高経営責任者のホソクさんに言われたものを全てメモする。

ホソクさんは、経営責任者で、まぁ、経営や新規事業の設立、新プロジェクトの立ち上げなど、色々と大変な人だ。

最先端で性能の良いのパソコンを二台使っているのにもかかわらず、パソコンが重くなるという事は、膨大な量のデータは仕事をこなしているみたいだ。

取締役常務のジミンさんの頼みの甘いものをメモしたときに…

…社長の…休みの予定を聞く…

…ジミンさんのお願いに、オフィスの空気全てが固まったような気がした。

幹部全員が、そわそわしているように見える。

第五オフィスを出て、副社長とエレベーターに乗る。

でも、実は言えば、この過酷な職業を案外気に入っていたりもする。

仕事中に、社長のそばに居ることが出来るからだ。

社長室の前に行き、社長室に入る。

ホテルの…予約の件…!?

…社長と…副社長が…で、で、デート…?

ホテル…って事は…え、えっと…そ、そういう関係…でいらっしゃったり…とか?

ガチャッ

僕の内心は、穏やかでなかったことは、言うまでもないだろう。

社長が急に立ち上がり、近づいてきた。

何故だか、胸がかき乱されるような気がして、切ない気持ちで溢れていて、目を合わせることが出来ない。

ネクタイを引っ張られ、首がキュッとしまり、引き寄せられる。

社長の美しく整った顔が近くにあり、顎をくいっとされ。

そっとおでこに触れるだけのキスをされ、顎をちょんとつつかれる。

社長はそのあと、離れて自分のデスクに戻る。

"ユンギ君"と"ユンギ"の間にあるものは、奥深くて、尊いものだ。

"ユンギ君"と"社長"は、ただの"秘書"と"社長"というだけの関係性で、

"ユンギ"と"ジナ"の間にあるものは、"愛"という関係性。

職務中に"ユンギ"とあの艶やかな唇で呼ばれると、何故か脳まで語り掛けられているようにゾクゾクと感じる。不思議だ。

キスされた部分の余韻に浸りながら、僕は書類に目を通す。

♡↪500以上