テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
ネオンの光が
乱反射する
まるで誰かの嘘みたいにチカチカして
やけに綺麗だった
相手の名前は知らない。
何年生かすら知らない。
けど
唇は重なっていた
その男の子が目を細めて笑った
○○
○○
私はそれだけ置いて
彼の腕をすり抜けた
駅前の喧騒と
ジュース自販機のあかり
スマホから漏れる通信音
全部
どうでもよかった
今日も知らない誰かと
知らないふりをして
それが
私の日常だった
○○
○○はスマホで時間を確認し
そのまま歩き始めた
向かったのは小さなBAR
“Fuu”と書かれた青白いネオンが
さっきのキスよりよっぽど優しい
ガラッと扉を開けると
既にタバコの香りが漂っていた
ふう
ふう
カウンターの奥で
グラスを拭きながらふうさんが笑う
年齢は分からないけど
大人の女の人
私にとっては数少ない、逃げ場所
○○
ふう
ふう
○○
ふう
○○
ふう
ふう
ふう
ソファ席に沈んで
冷たいソーダを受け取る
炭酸か喉を刺す感覚がやけに心地いい
ふう
○○
ふう
○○
ふう
ふう
ふう
○○
○○
ふう
ふう
○○
ふうさんは何も答えずに
マスターの背中を向いて
「まぁ…知らなくてもいいことだし」と呟いた
私もそれ以上
聞こうとは思わなかった
朝の電車は
知らない人ばかりで心地いい
誰も私のことなんて見てない
「蝶野〇〇」としての私は
透明人間みたいな存在だ
学校の正門をくぐると
ちょっとずつ“空気”が変わる
見えない視線
聞こえない声
誰かが誰かを測ってる気配
○○はスマホを見ながら階段をあがった
そんな挨拶が飛び交った
もちろん私への挨拶では無い
学校では最低限の会話しかしない
それ以上は
求められていないし
私も与えない
これが私の人生だった
コメント
6件
きんにくまんさぁ〜ん😭待ってました😭💗新連載ありがとうございます🫶🏻🫶🏻それと、お誕生日おめでとうございます!!
新連載きちゃぁぁー!!きんにくまんはっぴーばーすでぇ!♡
お久しぶりです‼️💗 え⁉️誕生日なんですか⁉️ おめでとうございます🥺🎉 もちろん見ます‼️また見れるなんて嬉しいすぎて泣いちゃう😢𓂃🎀𓈒𓏸