テラーノベル
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☕️『はじめての制服カフェデート💗ドキドキ、ちょっとだけの勇気』
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えとさんが小さく指指したのは、小さなガラス 窓にレースのカーテンが揺れる、可愛らしいカフェ。退院後、はじめて街を 歩く僕たちが選んだのはーー制服のまま、初めてのカフェデートだった。
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カフェの奥、窓際の席に腰を下ろして、ふたりでメニューを覗き込む。 えとさんの髪が、すぐ横でふわっと揺れて、ちょっとだけ僕の肩に触れた。
なんでもない、はずの距離なのにーーそれだけで胸が熱くなる。
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えとさんがいたずらっぽく笑って、メニューの端に指を置きながら、 僕を見上げた。
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こんして僕たちは、 初めての街、初めての制服デート、初めての “からかわれ返し”を経験することになった。
そして。
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その言葉に、僕は目を伏せてから、そっと頷いた。
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繋いだ手のぬくもりを、ぎゅっと強く握り返して。
🍬『帰り道のちいさな事件と、大きなドキドキ』
カフェを出た帰り道。甘いパフェの余韻と、えとさんの照れ笑いが まだ胸の奥でふわふわしてる。
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……なんて冗談を言い合いながら、商店街を歩いていたその瞬間ーー
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えとさんの手から、紙袋が滑り落ちた。 中にはカフェで買った焼き菓子と、さっき僕が選んであげたヘアピン。 それが、ちょうど通りかかった自転車に当たってーー
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自転車の後ろカゴに引っかかったまま、走り出す自転車 えとさんは反射的に数歩追いかけて、すぐ足を止める。
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とっさにえとさんの肩を抱き寄せて、僕は静かにいった。
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そう言って、僕は笑った。 たった数秒の小さな全力疾走。 だけど、風が身体を切る感じがーーすごく、懐かしかった。
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おじさんが止まってくれて、袋は無事戻ってきた。
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息を切らしながら戻ってくる僕に、えとさんは 目を潤ませて迎えてくれた。
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そのまま、ふたりはまた手をつないだ。 さっきより、少しだけ強く、でも優しく。
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🌙『あと少し、届きそうだったのに……』
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えとさんの言葉が、胸の奥にじんわりと広がっていく。 僕の手を握るその力も、どこか震えていて、でもまっすぐだった。
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空気が、やけに静かになる。 どこか遠くで車の音がして、風がふわりと吹いた。
彼女の髪が揺れて、僕の頬をかすめる。
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僕はゆっくり顔を近づけた。 彼女も目を閉じて、少しだけ唇をすぼめる。
もうすぐ、届く。 もうすぐ、君と“好き”を確かめ合える。
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その時だった。
パァン、と大きな音がして、すぐ横を自転車が倒れる音がした。 驚いて僕はえとさんを庇うように抱き寄せる。
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彼女は頷きながらも、さっきまでの空気がふわりと消えていく。 あと少し、ほんの数センチだったのに。
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えとさんが笑う。その笑顔に、ちょっとだけ悔しそうな色が混ざってる。
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顔を真っ赤にするえとさんに、僕はちょっとだけ勝ち誇って言う。
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その手をもう一度、ぎゅっと強く握った。
💍『この雨がやむ前に……』
夕暮れの街に、急な雨が降り出した。
ぱらぱら……と水面に浮かぶような音がして、ぼくとえとさんは 顔を見合わせて、笑った。
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慌てて近くの古びたバス停の屋根の下に駆け込んだ。 ちょうど誰もいなくて、僕たちは並んで座った。
雨の匂い、街灯の光に照らされる水たまり、そして、 隣にいる彼女のぬれた髪。 こんな時間が、ずっと続けばいいのに。
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僕は少しだけ体をひねって、えとさんの方を向いた。
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彼女の声は震えてなかった。 どこか嬉しそうで、ほんのり照れてて、でもちゃんとまっすぐだった。
僕はゆっくりと、彼女に顔を近づけた。 目を閉じたえとさんのまつげが、静かに揺れている。
頬に落ちる雨粒が、ちょっと冷たかった。
だけどーー
唇が触れ合った瞬間、全てが温かくなった。
胸の奥が、ぽうっと灯るような気がして、 指先がふるえるほど、優しいキスだった。
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そっと離れると、えとさんは目を開けて、 恥ずかしそうにうつむく。
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雨音が、ふたりの笑い声に混ざって、ゆっくり遠ざかっていった。
🍜『あったかいの、半分こしよ?』
バス停の屋根の下、まだぽつぽつ降る雨音のなかで、僕たちはしばらく無言だった。 ……いや、言葉なんて、いらなかったのかもしれない。
えとさんが頬に触れた指先を、ぎゅっと握ってきたから。
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僕たちは屋根から飛び出して、小さなアーケード街のラーメン屋に駆け込んだ。 提灯の明かりが滲んでて、店内からはいい香りがしていて、なんだか“ふたりの世界” だけが雨を抜けてる気がした。
カウンターに並んで座って、ふーふーと息をかけるえとさん。 顔はまだ赤くて、鼻先までほんのりピンク
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目が合って、ふたりしてふふっと笑う。 ほんの少し、唇の端にスープの滴。 僕はそれを見逃さず、そっと指で拭ってやった。
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ちいさな湯気の中、ほんのすこしだけ、大人びた夜だった。
🌃『雨のあと、君に会いに行く』
雨はもう、すっかりあがっていた。 ラーメン屋を出た僕たちの足元には、まだところどころに水たまりが 残っていて、街灯の光をゆらゆら映していた。
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えとさんが手をぶらぶらさせながら笑う。 僕の傘に半分入ってるその横顔は、雨に濡れた髪が少しだけ頬に張りついていて、 なんだか妙に、可愛くて。
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僕がそう言うと、えとさんは小さく吹き出してから、 僕の肘にぴとってくっついた。
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ーー傘の下の世界は、ふたりきりの小さな空間。 外の騒音も、車の音も、ただのBGMみたいだった。
しばらく歩いていると、目の前に小さな横断歩道が現れた。 信号が赤で立ち止まった僕たちは、なんとなく並んで空を見上げた。
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そのとき、ふいに手が触れた。 お互い無言で、でも引っ込めることはなかった。
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ーー心臓が跳ねた。 けど、表情は崩さずに、僕はちょっとだけ笑った。
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信号が青に変わった。 僕たちは手をつないだまま、ゆっくり歩き出した。
さりげなく指を絡めてみたら、えとさんもギュッて握り返してくれてーー 僕は、何もいわなかったけど、嬉しくて仕方なかった。
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