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🌌『恋人になるまであと何回?』
夜風が肌に優しい。 病院の屋上ーー 今日は特別に、看護師さんが「すこしだけなら」と許可してくれた。
えとさんは、屋上のベンチに腰かけて空を見上げていた。 僕はその隣に立って、自販機で買ったココアをふたつ渡す。
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そんな軽いやりとりが、もうどれくらい続いてるんだろう。 不思議と、話すたびに心が落ち着いていく。
しばらく沈黙のあと。ふいに、えとさんが口を開いた。
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ココアの缶を持ったまま、僕は固まった。 まるで、その言葉が胸に突き刺さったみたいに。
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えとさんは、缶のふちを見つめて言った。 顔は見えなかったけど、少し赤くなってるのは声で分かった。
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僕はーー首を横に振って、ゆっくり腰を下ろした。 そして、えとさんの持つ缶に、自分の缶を「カン」って軽くぶつけた。
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すると、えとさんがゆっくりとこちらを見た。 唇をきゅっと結んで、でもその目は、どこか嬉しそうだった。
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そのときだった。 えとさんが僕の袖を引っ張って、小さな声でこう言った。
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僕は一瞬、呼吸を忘れた。 けど、ゆっくりうなずいて、小さな声で答えた。
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ーー星が、きらっと流れた気がした。
💓『逆転の壁ドン』
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……あ、これは確実に怒ってるやつ。 さっき、えとさんの“好きなアイス”を「子供舌じゃん」ってからかったのが 効いたか……?
ラウンジの自販機横。僕の前に立ったえとさんの目が、いつもより ちょっと鋭い。
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その瞬間、僕の肩がぐっと押された。
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背中が軽く壁に当たったかと思ったら、次の瞬間、 えとさんが僕の前に立ってて ーーその手が、僕の真横の壁についていた。
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心臓が早鐘を打つ。 えとさんの顔が、近い。 普段僕がみている“ちょっと笑った顔”じゃなくて、
なんかーー
攻め顔だ。
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完全に、やられた。
そのまま顔をそっと近づけて、えとさんは僕の耳元でそっとささやいた。
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バレてた。 僕がさっき冗談でからかったくせに、
ほんとはされたいと思ってたこと
バレてた……!
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そのあと僕は、 病室に戻る途中足元ふらついて、えとさんに「顔真っ赤~!ダメージ大きすぎ~!!www」 って笑われた。
まさか自分が“壁ドン未遂”で完敗する日が来るなんてーー
でも、なんか悔しいより……
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……好きが更新された気がした
❤️『君のハート、逃がさない』
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ーー効いたよ。めちゃくちゃ。
でも、口には出さない。それが僕の流儀。
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スチャッ
僕はえとさんの肩を軽くつかんで、空いた片手で、後ろの壁へ誘導する。
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バンッ
手のひらが、壁を叩いた音が響く。 えとさんのすぐ横、僕の腕が支えるように
ーー“壁ドン”の構図完成。
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えとさんの顔が、わずかに引きつる。 その目が、くるくると泳いでいる。
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もうちょっと近づくね?
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うん。かわいい。
さっきの“攻め顔”えとさんが嘘みたいに、 今は目をギュッと閉じて、唇を小さく結んで、 なにかを耐えるみたいにしてる。
ーーだから、意地悪したくなった。
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そのあと僕は、病室まで小走りで逃げるえとさんの背中を見ながら 「かわいかったなぁ……」って呟いた。
……また好きが、増えてしまった。
次回 最終話
コメント
2件
次回最終話なんですね😭 終わっても、リピして見ます!笑笑 最終話期待して待ってます!!