「奏達!あっちに沢山お花が咲いているよ!」
そう言って女の子は駆け出した。
赤、青、黄、色とりどりの花に囲まれながら茜色の夕焼けを背景にして
その子は世界一幸せそうな笑顔を僕に向けた。
俺と歌織は幼馴染だった。 家が隣同士で俺の親が仕事で遅い時は歌織の家で一緒に食べていた。
学校の登下校も放課後の時間も夏休みも俺たちは一緒に過ごした。
高校1年生になって、俺たちは付き合った。色んなところに出かけた。
ある時は夏祭り、
歌織
またある時は遊園地、
歌織
またある時はクリスマス、
歌織
歌織
とっても充実したまいにちだった。
だけどそれは突然訪れた。
ぶー、ぶー。
奏達
それから10分後には俺は病院にいた
歌織が交通事故に遭った。
友達との帰り道、突っ込んできた車から友達を庇って大怪我をしたらしい。幸い命に別状はないそうだがーー
奏達
歌織の母
奏達
頭が真っ白になって、何も考えられなくなった。
翌日、俺は学校を休んで歌織のそばにいた。
歌織は難病のことを聞かされたのに、あっけらかんとしていた。
歌織
奏達
歌織
奏達
歌織
歌織
歌織のこういうところはもう慣れている。
奏達
歌織
奏達
奏達
奏達
奏達
歌織
奏達
歌織
奏達
歌織
その日から歌織の願い事を叶える日々が始まった。
歌織のタイムリミットまで、 あと約1年
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