セフィロトの樹〜暗殺者の裏話〜

次に連れてこられたのは

ブロックや木箱などが無造作に積み立てられている以外は何もない部屋だった

そう言って江野本はエドガーにナイフと拳銃を渡す

後からダニエルが部屋に入ってくる

そう言って江野本たちは2人を残して部屋を出て行った

ダニエルのその一言が重くのしかかる

ダニエルはすぐさま短剣を取り出す

そして短剣を持ったままエドガーに襲いかかる

エドガーは何とか避け、短剣は壁に突き刺された

エドガーもナイフを取り出す

ダニエルは短剣を壁から抜き、再びエドガーに襲いかかる

エドガーは攻撃を躱し、がら空きだったダニエルの首元にナイフが横切る

続いてダニエルの顔面に向けてナイフを刺そうとする

何度も何度も

しかしダニエルは瞬発力でそれらを躱す

エドガーは懐に忍ばせていたナイフを取り出しダニエルに向ける

ダニエルは攻撃のスキを突きエドガーの腹部に拳を振るう

肉を抉るかのような激痛が走る

ダニエルはエドガーに掴みかかり、背負い投げを披露する

視界が狭まる中、エドガーはあの過去を思い出した

ウッドと出会う前、俺には親友が居た

ピーターと言う、とても面白いやつだ

俺たちは毎日会うほど仲が良かった

だけど

ピーターは、俺の目の前で殺された

俺は泣き崩れ、叫び散らかした

俺は、殺したいほど犯人を恨み、憎んだ

それと同時に、俺は情けないと感じた

なら俺ができることはなんだ？

そうだ、俺は

あの時親友に手をかけた犯人を

今度は俺が、この手で殺すと誓ったんだ

これは復讐だ

ダニエルはデリンジャーをエドガーに向ける

終わったと勘違いしたエディたちが部屋に入ってくる

ダニエルは下ろしていたデリンジャーを再び向ける

パーン！

銃声が鳴った

ダニエルの肩に銃弾が撃ち込まれた

銃を発砲したのはエドガーだった

エドガーは腹部を押さえながら起き上がりダニエルに視線を向ける

ダニエルは狂ったかのように高笑いをする

クイーンもそれに納得したのか、これ以上言及はしなかった