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ジャンケンデスゲーム✊🏻‪✌🏻🖐🏻

第9話 - ジャンケンデスゲーム2 第1話【終わりに誘われて】

2025年11月17日

#デスゲーム

#一次創作

#人間関係

#犯罪

#少し考えさせられる話

#ホラー

七亡

JKSS

重刑者救済措置システム

死刑制度が撤廃され、重刑者向けに代替として設けられた制度。

重刑者を昏睡させ、寝ている間に見る"夢" を操作することによって記憶及び人格を一新させる。

元々あった記憶をなくし、社会的に不必要な人格を消し新たな人格へと変え、自分が犯罪者であったことすら忘れさせる。

そして、自分が危害を加えた被害者の見た目や思考を模したコンピュータと向き合い、反省と新たな人生の第1歩を促す。

ただし、自身に打ち勝てなければ、死が待っている。

果たして、これで良かったのだろうか？

今日あちーなー

アイス食いいかね？

よし！ジャンケンで負けたヤツ全員にアイス奢りな！

えー、急すぎるよー…

…………

ツチヤロクト

……ジャンケン…か

誰もが知っているゲーム、ジャンケン

大抵の場合、物事を決めるときに利用される完全に運任せのゲーム。

だが、命の行き先をジャンケンで決めるなんて破天荒な人間はそうそういない。

JKSSは撤廃され、その残酷さから、メディアや世間からは黒歴史としてまるで最初からなかったものと扱うよう暗黙の了解的に動き始めた。

結局、1週間が経過した今も、事件前の記憶はほとんど思い出せず、最悪の状態で第2の人生を歩んでいる。

苦しいし、申し訳ないし、なにを謝ればいいかも分からないが、それでいいのかもしれない。

ずっと自分の過ちに縛られ苦しみ続けるのが、最大限の反省であり、罰であり供養なのかもしれない。

例の看護師からは精神科への通院を勧められたが、結局1度も足を運んでいない。

ツチヤロクト

なぁ…そろそろ教えてくれないか？

ツチヤロクト

僕は…どんな人間だったのか…

ヒラモトソウタ

…だめだ。

ヒラモトソウタ

もし前のロクトに戻ったら…もう俺はお前と友達でいられないかもしれない…

ツチヤロクト

……逆にどうして今まで友達でいてくれたんだ？

ヒラモトソウタ

……困ったときはお互い様だからな。

ツチヤロクト

……？

ヒラモトソウタ

昔した約束だ。覚えてないだろうけど…

ツチヤロクト

……そうか

ツチヤロクト

本当に考えられないよ…どうして人殺しなんてしちゃったんだろうな…

ヒラモトソウタ

あんま考えすぎんなよ…早く忘れた方がいい。

ヒラモトソウタ

今できることをやろう。

ツチヤロクト

…分かった。

ヒラモトソウタ

……じゃあ、また明日学校でな！

ツチヤロクト

あ…うん！

ツチヤロクト

…………

ツチヤロクト

結局今日も学校に馴染めなかったな…

学校内では、事態が伝えられていないようだった。

当たり前のように名も顔も覚えのないクラスメイトが授業を受けていた。

ツチヤロクト

……どうしよう。

生きなければならない理由はある。

でも、どう生きるか、目標がない。

ツチヤロクト

……正直、死んだ方がマシだったな。

ツチヤロクト

…あれ、家ってこっちだっけ…？

ヒラモトソウタ

………はぁ。

ヒラモトソウタ

頼む…記憶を探らないでくれ…

ヒラモトソウタ

もう…あんなやつに戻らないでくれ…

ヒラモトソウタ

……ちょうど3年前くらいかな…

ヒラモトソウタ

もう…もうやめてくれ…！

ヒラモトソウタ

悪かった…から…！

あぁ？やめてくれだぁ？

そりゃこっちのセリフだろうよ！

ヒラモトソウタ

ぐっ…痛い…

お前が部活やめてくりゃ良かったんだよ。

うるせぇ顧問の野郎がお前をメンバーに入れたせいで中学最後の大会がこのザマだ！

補欠の奴の方がよっぽど頼りになったよ！

ヒラモトソウタ

体調が悪かったんだって…

知るか！

お前が…お前がいなけりゃ…！

ツチヤロクト

やっぱり、君たちがソウタをいじめてたんだね！

…あぁ？なんだお前。

ヒラモトソウタ

…ロクト…！

ツチヤロクト

友達をいじめるやつは許さないよ…！

なんだ、正義のヒーローごっこか？大したもんだな！

いじめなんてしてないぜ？証拠はあんのかよ！

ツチヤロクト

いや、ごっこなんかじゃない。

ツチヤロクト

証拠ならある。この机の中に携帯を忍ばせておいた。録音のためにね。

…は？

ツチヤロクト

君は、スポーツ推薦が決まってたよね。

ツチヤロクト

この事が公になったらどうなるかな？

……くそが…分かったよ。

あぁうぜぇ…帰ろ。

ヒラモトソウタ

……ロクト…ありがとう…

ツチヤロクト

酷い怪我だ…なんでもっと前から相談してくれなかったの…？

ヒラモトソウタ

……悪いのは俺だけだったから…他のやつ巻き込んじゃ嫌だって思って…

ツチヤロクト

困ったときはお互い様だよ。気づくのが遅れてごめんね。

ツチヤロクト

でも大丈夫、もしアイツらがまだなんかしても…

きっちり僕が殺しておくから

ヒラモトソウタ

根っからの悪党なんかじゃないんだ…ただ…ただ弱かっただけで…

ヒラモトソウタ

今度は俺が…守ってやらないと…

…ミツケタ。

ヒラモトソウタ

…ん？

ヒラモトソウタ

うぁ…！？

ツチヤロクト

ただいま〜…

ツチヤロクト

……まだ誰も帰ってきてないのか。

少しばかり寂しい思いと同時に、誰もいないことに安堵してしまう自分もいた。

ツチヤロクト

……ダメだな、僕は…

………

静かだ。

家に帰ったところで、何もない。

勉強する気力も湧かなければ話す家族もいないし、遊ぶ集中力もない。

ツチヤロクト

……いや、ソウタとくらいはまともに喋れるようにならなきゃダメだ。

ツチヤロクト

ソウタと通話でもしながら
ゲームしよう。そろそろ
帰ってゲームしてる頃だろ。

ツチヤロクト

……オフラインだな

ツチヤロクト

電話も繋がらない…

ツチヤロクト

アイツ…どうしたんだ？

ピンポーン………

ツチヤロクト

…ん？

ツチヤロクト

はい…どちら…さ………

ツチヤロクト

え？

警察です。ツチヤ様でお間違いないですね。

ツチヤロクト

…？？？？？

落ち着いて聞いてください。

先日、あなたのご友人であるヒラモトソウタ様がお亡くなりになられました。

誠に、お悔やみ申し上げます。

……なんてね

ツチヤロクト

…お前……なんでそのやり取りを…

案内人

私は案内人

案内人

ツチヤロクト、あなたをお迎えに参りました。

ツチヤロクト

お迎え…？

案内人

あなたは、JKSSを生き抜いた者の1人。

案内人

刑罰を受け、現実に
戻ってきた。

案内人

それでも、まだ罪人を許せない者の声は溢れている。

案内人

あなたは、その復讐心に狩られた者の1人に付け狙われています。

ツチヤロクト

………復讐…

案内人

うん、やっぱり心当たりしかないよねー。

ツチヤロクト

………。

ツチヤロクト

何が目的なんだよ…突然押しかけてきてさ…

ツチヤロクト

僕を殺しにでも来たのか…？

案内人

もう一度、JKSSに参加してもらおうかなって。

案内人

前回と同じ難易度とは思わないでくれ、参加者は30人を超えている。

ツチヤロクト

………参加するわけないだろ

ツチヤロクト

あんなの…もうコリゴリだ…

案内人

そうですか？

案内人

あなたのご友人も参加されるというのに？

ツチヤロクト

……なに？

案内人

JKSSは進化し、また新たな技術を取り入れている。

案内人

人の見る夢と、また別の人の見る夢の接続。

案内人

正確には、とある人の夢の中で起きている出来事を別の人が見る夢の中で再現する技術が確立された。

案内人

つまり、現世で複数の人を眠らせ、複数の夢を操作すれば夢の中で実在する人間同士でJKSSをさせることができる。

案内人

あなたのときのような対コンピュータではなく…ね。

ツチヤロクト

………

案内人

私が仕える人はよっぽどあなたの事が大嫌いなようで、ヒラモトソウタを人質にしてでもあなたを参加させろと命じられている。

ツチヤロクト

…なんだと…！

案内人

あなたがいなければ、経験のないソウタくんはすぐ死にますよ。

案内人

とはいえ、私は別にあなたに対してなんの感情もあるわけではないのでね。

案内人

参加しようがしまいが、正直どっちでもいいんですよ。

案内人

どうしますか？選んでいいですよ。

ツチヤロクト

……今回の参加者も、死刑囚クラスの奴らなのか？

案内人

条件は犯罪歴のある者と聞きました。死刑とかじゃなくてもいいんじゃないっすかね
多分。

ツチヤロクト

……ソウタは…犯罪者じゃないだろ……！

案内人

うん、そうだね。

ツチヤロクト

参加する…！

案内人

………。

ツチヤロクト

僕の唯一の友達なんだ、
アイツは…！

案内人

……そうですか。

案内人

では行きましょう。

案内人

…あ、そうだ。

案内人

参加者は多ければ多いほど
いいということで、助っ人や
友人を呼んでもいい
ことになっていますけど、
どうしますか？

ツチヤロクト

…あんた、僕のこと知ってるんだろ。だったら、答えは目に見えてるだろ。

案内人

…失礼。

ようやく分かった。

僕の生きる目的はここにある。

この、JKSSに…

ツチヤロクト

待っててくれよ…ソウタ…

案内人

それでは、システムを起動します。

ツチヤロクト

……………

ｷｭｲｰﾝ………ﾋﾞﾋﾞ…

稼働状態:正常

案内人

……正義感強いねぇ。

案内人

勝てっこないよ。アイツに…

クレモトシンジ

はっきり言おう…

クレモトシンジ

これは、今までで最も重要な任務だ。

クレモトシンジ

本来もう存在しないはずのJKSSの技術を盗み悪用する凶悪な犯罪者達を捕まえる。

クレモトシンジ

相手は最低でも2人はいる、間違いないな、ハマ。

ハマキョウスケ

あぁ。最低でも仮面男とそいつが仕える首謀者の2人がいるし、話されたことから推察するにもっといるんじゃないかな？

クレモトシンジ

……今回は、厳選されたメンバーで任務を実行する。

クレモトシンジ

俺とハマは確定、後はカラギ、ナガタリ、頼んだぞ。

カラギトゴロウ

……へい。

ナガタリレイ

……分かりました。

ナガタリレイ

……警部長は…大丈夫なのですか？

クレモトシンジ

………あぁ。大丈夫だよ…

ナガタリレイ

…無理はしないでくださいね。

クレモトシンジ

…よし、行くぞ。

ハマキョウスケ

………

ハマキョウスケ

アイツは…俺の個人情報にも手を付けている。

ハマキョウスケ

そんな奴が、簡単に事前情報を寄越し、その上仲間を連れてきていいだって…

ハマキョウスケ

………何考えてんだかねぇ…

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