『錆びた私の恋心』

輝きを失ってから

気づく私の恋

もう元には戻らない恋

だから最後に

このキャンパスに

形だけでも輝かせて...

『錆びた私の恋心』

私が貴方に恋したのは

いつかの5月

サッカー部で活動する貴方に

一目惚れしました

何事にも一生懸命で

努力家で

周りをよく見て気遣いが出来る

そんな貴方に一目惚れしました

いつも遠くから見てた私は

美術部

恋愛漫画でよくある組み合わせ

それでも私は貴方に惹かれていく

三階美術教室の窓から見える グラウンド

そこで汗と砂埃に

見え隠れする貴方はとても 凛々しい

高校3年になった年

初めてクラスが同じになりました

いつも教室の中央で話をしている 貴方は楽しそうだった

そんな貴方を見てるだけで私も 楽しかった

3年生になり部活も最後

私達美術部は夏のコンクールで最後

夏のコンクール課題のテーマは自由に決めることが出来る

皆悩んでいるけれど私は 決まっている

いつの日か分からないけれど貴方に恋をして

高校３年間

毎日教室から見てた景色

汗と砂埃に見え隠れする貴方の姿を

このキャンパスに写しだそう

スラスラと筆が進む

いつもは悩みながらな描いていた 作品が

こんなにも楽しく悩む事すら楽しい

毎日作品の完成が進むのが嬉しくて

毎日一番乗りで教室に向かっていた

でもねある日の夕方

貴方と貴方の部活のマネージャー さんがともに歩いていたのを見た時

とても言葉に表せない感情が 芽生えた

ぐちゃぐちゃと絵の具が 混ざるかのようなどうしようもない感情

誰かが言った

「恋は金色」

私もそう思う

磨けば美しく輝くが

放っておけば錆びていく

あぁ...そうか

私は遠くから見ているだけで

磨いてなかったんだ...

磨こうともせずただただ 置いておいた

今になって気づく

私の恋はとっくの昔に錆びていたと

どこにも行けない感情が溢れてくる

あぁ私は馬鹿だったんだ

私は馬鹿なんだ

そんな感情が溢れ出てくる

涙が止まれば赤く腫れた目尻

もう元には戻らない恋

最初から実らないと分かっていた

でも...それでも辛いものには 変わりない

だから

この恋を終わりにするためにも

私は描く

「輝く貴方とあの子の笑顔を」