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幼いメロ
母親
母親
酒に酔って情緒不安定になる母親。 背を向けてベッド裏に隠れていたが、鈍い殴られている音に辛くなって耳を塞いだ。
自分は見ていなかったが、兄が1人連れ去られたらしい。 母親の借金を払うため、臓器を売られたとか。 学校のパソコンで調べたら、臓器売買というものがあるらしい。兄はそれで体を売られた?今はもう死んじゃったのかな?と不安になった。
もう、どうすればいいんだろう。
母親
母親
そう大きな声で言う母親に、兄弟全員がビクッと震えた。
少し上の兄たちは別の部屋で隠れていて、母親が酔う前に逃げれなかったメロはとりあえずベッドの頭側と壁に隙間があったので、そこにこっそりと3角座りをして隠れた。
ドカッ
母親が急いで鍵を開けに玄関へ行く。
借金取り
母親
借金取り
母親
母親
母親が男にスマホで撮った紙を見せる。
××事務所 【モデル募集】 ○○も所属する××事務所に新モデル募集! 面接の後に即デビュー可! この期間に応募した者は月給30万円! 副業可! ○○○-○○○○-○○○○
借金取り
母親
母親
怪しさ満点の事務所の紙。母親は金が貰えるのなら、と撮っておいたのだ。
母親は無言で指を差した。
借金取り
母親
男はゆっくりとその視線の方へと向かっていく。
幼いメロ
借金取り
借金取り
借金取り
幼いメロ
借金取り
男はメロの視線に何も言えず、担いで家を出ていった。
メロの瞳はとても綺麗で、まつ毛が長く幼いながらに整った顔立ちをしていた。
幼いメロ
幼いメロ
揺れる床、ここは車内。 トランクルームになにか被せられて連れていかれた。 前の席からは男と母親の声がする。
幼いメロ
幼いメロ
母親
幼いメロから見た事務所は、なんだかとても大きく感じた。 書類を渡され、そこにサインしてしまったのだ。
メロの人生はここで大きく変わった。 たった1回 自分の名前を書いただけで。
夜
前の住居者がいた場所。意外と広く、布団などを選ばせてくれた。
幼いメロ
幼いメロ
呼ばれるまで部屋で待っていてと言われ、ベッドの上で部屋の内装に釘付けだった。 その興味の理由は、自分の部屋なんてなかったから。
従業員の女
従業員の女
幼いメロ
コミュニケーションに慣れておらず、静かにこくっと頷いた。
ゴシッゴシッ
ジャーーー・・・────
幼いメロ
・・・???????
幼いメロ
従業員の女
幼いメロ
メロの中でお湯なんて、熱湯をかけられたくらいしか記憶にない。 そう、風呂なんて滅多に入らなかったのだ。
従業員の女
幼いメロ
従業員の女
従業員の女
従業員の女
幼いメロ
従業員の女
従業員の女
従業員の女
従業員の女
幼いメロ
幼いメロ
従業員の女
幼いメロ
ブォーーー
ドライヤーの音に1度ガクッ!と震え、小刻みにカタカタと震えながら新鮮な気持ちでキョロキョロした。
従業員の女
従業員の女
幼いメロ
従業員の女
従業員の女
幼いメロ
幼いメロ
一通りお世話が終わり、部屋を出ようとした従業員の女性にメロは話しかける。
従業員の女
幼いメロ
従業員の女
従業員の女
従業員の女
従業員の女性はフフっと笑い、ベッドに座る。おいで、と隣を手で軽く叩く。 メロは少し嬉しそうにし、女性の隣に寝転ぶ。 人を信用出来ないメロだが、自分を綺麗にしてくれた女性に若干心を開いている。
朝
従業員の女
幼いメロ
幼いメロ
従業員の女
従業員の女
幼いメロ
従業員の女
従業員の女
顔を洗って歯磨きした後、メイクされている。 メロは不思議そうにしながら目を瞑っていい子に完成を待つ。
従業員の女
従業員の女
従業員の女
メイクされた後、そのままの部屋着姿で自室を出る。 従業員の女性と共に、仕事場へ向かう。
幼いメロ
リアルな海が描かれた布が吊るされ、まるで海にいるような感覚になる背景。 ここは撮影場所らしい。
メロは少し幼い水着で立ち尽くした。
幼いメロ
カメラマン
幼いメロ
メロがポーズをとると、その場にいるスタッフたちは驚いた。 この年齢で、こんなにも魅力がある。 次々にポーズを要求し、着替えも行った。
幼いメロ
メロはまだ、可愛いと言われて嬉しかった。
この頃はまだ、楽しかったんだ。
カメラマン
メロ
12歳、成長期を迎え身体も大人っぽくなってきた。大人たちの要望も、この頃には大人のグラビアモデルに頼むものとほぼ変わらなかった。
彼女はまだ、12歳という子供なのに。
スタッフ
腰の両横を手でそっと触り、くねっと動かす。
メロ
メロ
カメラマン
ここは本当の海。前は金がなくて行けなかったが、本当の海で撮れるくらいには大きくなって行った。 それはほとんど、メロのおかげだった。
メロ
メロ
メロ
メロ
メロ
メロ
メロには「少し凝っているから、ほぐす注射だよ」と言ってやった注射も、胸を大きくするためのもの。 服も露出の高いワンピースや半ズボン、へそ出しなどが多く、清楚系を売りにしてストレートのロングヘア。
メロ
この頃はまだマシだったのかもしれない。
13歳から、大きく変わり始めたんだ。
メロ
メロ
従業員の女
従業員の女
従業員の女
メロ
従業員の女
従業員の女
メロ
従業員の女は浴槽に入って虚ろな表情をしている。
従業員の女
従業員の女
従業員の女
メロ
メロ
従業員の女
メロ
久しぶりに従業員の女はメロの髪を乾かす。
従業員の女
メロ
メロ
従業員の女
頑張れそう、と少しだけ表情の軽いメロを見て、従業員の女はメロを抱き締めた。
メロ
従業員の女
従業員の女
メロ
メロ
男優
メロ
メロ
スタッフ
スタッフ
男優
スタッフ
カッ!
撮影の合図だ。
メロ
お得意のポーズでベッドの上で座っている。監督から、OK!と言われ、ぺこりと頷く。
スタッフ
スタッフ
メロ
メロ
メロ
撮影の合図のあと、上の少し丈が短めのシャツのボタンを全開にした。
メロ
カメラマン
スタッフ
メロ
メロ
メロ
40分後
男優
メロ
カメラマン
スタッフ
従業員の女
従業員の女
スタッフ
従業員の女
従業員の女
メロ
メロ
メロは体験したことの無いことにボーッとしている。 横で従業員の女性が心配そうに声をかけた。
従業員の女
メロ
メロ
メロ
メロ
メロ
急ぎ足で洗面台へ走ると、ポタポタとなにかが垂れる音がした。
従業員の女
従業員の女
従業員の女
メロ
従業員の女
メロ
メロ
メロ
メロ
メロ
従業員の女
従業員の女
従業員の女
メロ
メロ
半年後
少ないお金で楽器を買って、少しだけ服屋に行ったりして、これでも抗っているつもりだった。
でもなにか違う。 清楚系で、ロリ系で、カワイイ系で
みんなが好きな『メロちゃん』
メロ
メロ
顔もうろ覚えな姉がよく歌っていた曲を思い出しながら、ベースを即興で弾いてみる。 その音は通行人が聞くと、ただ弦を叩いてベンベンと振動音を立てる音。それはメロにとっては、アンプがなくてもとても何故か心地よく感じた。
この音は、何故かメロの記憶に鮮明に残っている歌。
私の大好きな人が よく歌っていた気がするんだ。
メロ
メロ
日に日にメロは自分を捨てて行った。
でも
それでも
メロ
メロ
メロ
メロ