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ピアノ

1 - ピアノ

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2024年02月06日

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長男(社会人)

六男(中1)

※6人兄弟設定

.........、

黄ちゃんどうしたの?

最近元気ないよ

なんでも...ないです、

ピアノ...練習してきます、

そう...、

僕はピアノを習っているが

正直好きではない。

生前の母が習わせてくれたピアノ。

音楽を習わせるのが 母の夢だったらしく

そんな夢を無駄にしたくないと

親が亡くなったことを理由に 辞めさせたくないと

僕たちを必死に育てながら

それだけでも大変なのに

辞めさせずにいてくれた紫にい。

それをわかっているから

苦労している姿をずっと見てきたから

辞めたい、なんて言えずに

ズルズルとここまで来てしまった。

でも

正直限界で

ピアノの練習もできてないし

行くのもなんだか怖くて

辞め時だと身体が言っているのは 薄々わかっている。

でも...

でも...辞めたいなんて言う勇気は 僕にはない...、

はぁ.......、

黄ちゃん...?

あっ...紫にい...、

もう30分も経ってるけどピアノの音聞こえてこないからさ、

っ...ごめんなさい、

んーん、

あの...さ、

......ピアノ...嫌?

正直に言ってほしい、

っ......、

本当に言っていいのだろうか。

紫にいはきっと傷つくだろう。

本当に...本当に良いのだろうか。

僕は...僕は...

...嫌、です

ごめんなさいっ、!

ごめんなさい...っ、ポロ

僕...紫にいの苦労を...、

ギュ-ッ...

っ、!

良いんだよ、

良いんだよ...、

俺のことなんて良いの、

でも...

黄ちゃんが嫌だと思ってるならいいの、!

黄ちゃんは真面目だから

よっぽどのことじゃなければきちんと練習していく

でも...練習しなかった、

...いや、練習できなかったんだよね、

.......、ポロ

真面目だから...言えなかったんでしょ、?

辛かったね...

無理させてごめんね、

っ...ポロポロ

ピアノを習わせることは

母さんと俺のエゴだから、

好きなことをして良い

好きなように生きて良い

俺はそうやって生きてほしい、

気遣ってくれてありがとね、

ごめんなさい、ポロポロ

謝らないで、?

ここまで頑張ってくれてありがとう、

あれから、 僕はピアノはやめたものの、

ギターを習い始めた。

ギターは心から好きになれて、 辞めたいと思う日はなかった。

そして、僕は今、 音楽の専門学校に通っている。

これは紛れもなくあの時習っていた ピアノのおかげで、

習わせてくれた母と兄のおかげで、

音楽に触れる環境をつくってくれた 全ての人のおかげだ。

ピアノを習っていなかったら ギターもすぐに 辞めていたかもしれないし、

こんな未来は 待っていなかったことだろう。

産んでくれた母と 育ててくれた兄には感謝しかない。

みんなー!ご飯できたよー!

ありがとう、

...って、聞こえてないか、笑

『ピアノ』

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