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かつての千の戦果

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かつての千の戦果

42 - かまいたちの夜

♥

8

2022年11月11日

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かまいたちの夜2 ~Tea for 2~
1章
「虫憑きの夢」
2章
「夢の終わり」
3章
「白い明日」
4章
「新たな始まり」
5章
「それぞれの朝へ」
6章 エピローグ
「夢の続き」
* それは突然のことだった。
「え──?」
ふいに身体の自由がきかなくなり、利菜は戸惑いの声をあげた。
全身が硬直し、動かせなくなったのだ。それだけではない。足の下から地面が失われていく感覚があった。重力に逆らって空へと落ちていきそうになる。
「くっ!」
地面に両膝をつくと同時に、ようやく自由を取り戻した。
周囲では同じ現象が起きた人々が、よろめいたり尻餅をついたりしていた。ある者はその場で倒れ込み、また別の者はすでに意識を失っている。
「みんな! 大丈夫!?」
利菜は立ち上がり、周囲の人々に呼びかける。しかし誰からも返事はない。
一体何が起こったのだろう? 困惑しながらも、利菜は状況を把握しようと周囲を見回す。
先ほどまでいたはずの公園の風景は一変していた。
周囲に植えられていた樹木はすべて枯れ果てており、芝生に覆われていた地面からは雑草すら生えていない。
館の玄関ホールに入ると正面に階段があり、二階へと続いているようであった。だが、そこには異様なものが存在していた。それは人間の形をしていたのだが明らかに人間ではなかった。全身が真っ黒に染まっており顔の部分だけが白い仮面で覆われていて表情などはまったくわからない。まるで影がそのまま人の形になったかのような感じである。
そしてその黒い人型の生物は両手を前に突き出しながらゆっくりと近づいてきた。
(あれは一体なんなんだ?)
そう思った瞬間だった。突然その生き物がこちらに向かって飛びかかって来たのだ!俺は慌ててその場から離れようとしたが間に合わなかったようで奴の体当たりを食らい地面に倒れてしまった。しかし奴はすぐにまた俺に飛び掛ってきたためすぐに立ち上がる事ができた。そこでもう一度攻撃してきたところを今度は横に転がり回避する事に成功した。すると奴は再び動きを止めて少しの間じっとしていた後に急に向きを変えるとそのまま何処かに走り去っていった。とりあえず助かったと思いほっとした時だった。突然何かが

かまいたちの夜2 -The Devil and the Goddess-
「かまいたちの夜」シリーズ第二弾です。前作を読んでいない方はご注意ください。
1作目の「かまいたちの夜」では、ある冬の日、透たちが「シュプール」というペンションを訪れるところから物語は始まります。そしてそこで起こる連続殺人。しかし犯人は不明のまま、事件は終わりを迎えました。
さて今回は前作の続きとなります。前作に登場したキャラクターのうち、何人かがまた登場します。もちろん新しい登場人物もいます。ただし1作目を読んだ方なら分かると思いますが、登場する人物の性格などは前作とはだいぶ違うものになっているはずです。
前作から引き続き登場しているのは真理(主人公)、俊夫、亜紀、透、美樹本の五人。新たに登場した人物は美樹本の妻、美沙子と、美沙子の愛人の和久井啓介。
前作では俊夫だけが真理の恋人候補だったが、今作では透と美樹本が恋人候補としてクローズアップされる。
二人の恋の行末はもちろん読者に委ねられるわけだが、結末までのプロセスはかなり複雑である。まず真理を巡る三角関係が描かれるのだが、ここでの三人の関係はそれぞれ微妙に異なる性質を持っている。つまり恋愛感情を抱く対象が異なるだけでなく、三人ともがそれぞれの相手に対してライバル心を燃やすのだ。
俊夫の場合、彼は真理のことをただの幼なじみではなく、一人の女性として意識するようになったきっかけははっきりとしている。それは中学生の頃、「お兄ちゃんと結婚する」と言って聞かなかった真理の言葉を聞いた時であり、それがきっかけで彼は女性に対する欲望を持つようになったのである。そしてその後、思春期を迎えた頃から彼を苦しめるようになったある妄想――自分が真理と結婚しているという想像こそが彼の性的嗜好を決定づけたのである。
一方、亜紀の場合はもっと複雑な事情を抱えている。彼女は幼い頃に父親から性的虐待を受けており、それ以来男性恐怖症に陥ってしまった。そのため彼女にとって男性は無条件に嫌悪すべき存在となった。特に自分を虐待した父と同じ血を引く男に対しては激しい憎悪を抱いていた。
しかし大学生になった頃、彼女の中に何かが起こったのだ。
「あなたは本当に私のことを好きなわけじゃないんでしょ」
そう言って彼女は去っていった。
それ以来彼女に会うことはなかった。
「あの時私はあなたの詩なんか読んでなかったの。ただあなたの顔だけ見ていたのよ」
黄金虫の言葉を聞きながら、透は目を閉じた。
気がつくとベッドの上にいた。傍らでは真理が眠っている。
真理の体からは甘い匂いが漂ってくる。
透は真理の手を取った。冷たい手を自分の頬に当てると、とても気持ちいい。
「真理ちゃん、僕と結婚してくれませんか」思わず口をついて出た言葉だった。
真理の目が大きく見開かれた。そしてすぐに潤み始める。
「はい」かすれた声で答えると、真理は再び眠りに落ちていった。
僕は結婚指輪を買いに行くことにした。
真理と一緒に街に出ることにする。
真理の左手薬指にはめられるはずだったものは、今は首輪に変わっている。
二人で歩いていると、向こうから男が歩いてくる。
男はすれ違いざまに僕の肩に手を置いた。男の手が触れたところから、血が流れ始めた。
真理を見ると男に向かって駆け出していくところ

かまいたちの夜(シナリオ)
かまいたちの夜3(ゲーム)
1 かまいたち 2 かまいたちの夜 3 かまいたちの夜 4
あとがき
あとがき この本を読んでいただいてありがとうございます。
このゲームを作るにあたって、僕はある人物をモデルにしました。
その人物は僕の友人です。彼は作家になる前は医者をしていました。
その彼が僕に言っていた言葉を思い出しました。
「俺は昔、医者をやっていたけど、自分の仕事に疑問を持っていたんだ」
「患者一人一人のカルテが欲しいっていうから渡したら、いきなりビリビリに破かれたのよ。信じられない」
二匹の黄金虫はまた交尾を始めた。一匹はメスだがもう一人はオスだ。
透は逃げようとしたが、足が動かない。体が石のように重いのだ。
部屋の中を見ると、壁一面に自分の書いた詩が貼られている。
そしてベッドの上には真理の写真。全裸でポーズを取っている。
透は写真を手に取った。よく見るとそれは真理の写真ではない。透自身だ。
「あの時あなたに見せたのは私の本当の姿じゃないわ。私はあなたの理想の女性なんかじゃ全然なかったのよ」
「だってあれは……」
「そうよ。全部作り物。嘘っぱちよ。私が女優だとでも思った?残念ながら違うのよねえ。
あなたみたいなおめでたい男なんていくらでもいるわ。いい加減うんざりするくらいよ。
あんなもの見せられて喜んでもらえると思った?馬鹿にするのもいい加減にして!」
黄金虫は羽を広げ飛び去った。透はそれを呆然と見送った。
黄金虫がいなくなるとそこは元の白い壁の部屋に戻った。
ドアがあったところに黒い扉ができていて、そこには『夢みる宝石』のタイトルがつけられている。
「あんたが見たいと思ってたものはこれなんでしょう?これが私の本当の姿よ」
扉の向こうでは黒衣の女が無数の黄金虫に囲まれて、妖しく光っていた。
「あたしはね、ずっと待っていたの。自分をさらってくれるような人をね。そうすれば、きっと生まれ変われると思ったから……」
「あなただって自分の殻を破って、新しい自分に生まれ変わりたかったんでしょう?」
「ええ、そうなのかもしれないわね……。じゃあ、さようなら」
女が手を振った瞬間、黄金の光があたりを満たした。
「透、しっかりして!」真理の声が聞こえる。
透の目の中に黄金虫がいる。
「だめ!早く追い出さないと!」
真理の手を振り払って立ち上がろうとした時、頭に激痛が走った。
透の体は再び柔らかいものの上に倒れこんだ。
痛みはますます激しくなり、やがて耐えられないほどになった。
真理の声が遠ざかっていく。
目を開けようとするのだがどうしてもできない。
透の意識は次第に遠ざかり、ついにぷつりと切れてしまった。
そして二度と目覚めることはなかった。

『リング』『らせん』に続く日本のホラー三部作完結編である。
主人公は『リング』の主人公と同じ名前(鈴木拓朗)だが、こちらは大学生ではなく

かまいたちの夜(5)
(講談社文庫)作者:岩井志麻子出版社/メーカー:
講談社発売日:
2008/04/05メディア:
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「透君さ、自分の書いた詩なんか読んで楽しいわけ?」
「もちろんですよ」透は答えたが、それは嘘だった。
「僕が読んだのは真理ちゃんの詩だけですけど、とてもいいですよね。真理ちゃんが書いたとは思えないほど繊細で美しくて……。真理ちゃんに詩の才能があったなんて驚きました」
黄金虫が笑い出す。
「あなた馬鹿じゃないの?これがあなたの奥さんの書いたものだってことも知らないわけ?」
「え?だって……」
「じゃあ教えてあげるわ。『微笑む女神』っていうのは、『微笑みの女神様』のことでしょ。あの人のペンネームはみんなそうなのよ」
「じゃあ、あれを書いたのは真理ちゃんなんですか?信じられない!」
「そうでしょうとも。あんたがやったんでしょ。わかってるわよ」
黄金の二匹の虫は嘲笑いながら透の周りを一回転した。
そして透の中に入り込んでくる。
虫たちが体中を這い回る感覚がする。
「虫たち」は透の中に入って行く。透の中の大事なものを根こそぎ奪っていく。
虫たちはどんどん増えていく。透の体は内側から食い尽くされていく。
透の目からは涙が流れ落ちている。しかしそれは透のものなのか?それとも虫たちのものなのか?
「あなたたちって本当に醜いわよね。人間じゃないみたい」
黄金虫の言葉を聞いているうちに、またあの嫌な感じがしてきた。
気がつくと透は自分の部屋の布団の中にいた。
窓の外では雨が降っていた。時計を見ると十二時十分前。
ピンポーン。チャイムが鳴る。インターホンに出ると、真理が映っている。
「ごめんなさい。急に来てしまって」
真理は

私が作ったのではない。確かに私はこれを読んでいた。
でも書いた覚えはない。
一体誰が書いたのだ? 黄金虫は続ける
「あなたたちみたいなおめでたい人たちのために、私がわざわざ書いてあげたのよ。感謝なさい」
透は震えながら詩を読んだ。やはり自分の筆跡である。
なぜこのようなものを書いていたのか?自分は何をしようとしていたのか?
「それじゃ、さっきの女を返してもらいましょうかね」黄金の一匹がそう言うと もう一匹の黄金虫が真理を連れてきた。
「ごめんなさい、透、私はあなたのことを何もわかっていなかったの」真理が泣きながら言う。
「私の方こそ、あなたを理解しようとしなかった。ただ単に自分の理想を押しつけるだけだった。本当にごめん」
「いいえ、謝るのは私のほうです。あなたがどんな人間なのか知ろうとせず、一方的に憧れていました。そして、あなたの気持ちを踏みにじってしまいました。どうか許してください」
黄金の蝶が羽ばたきながら宙に浮かび上がった。
「ありがとうございます。これでやっと決心がつきます。さようなら」
そう言うと真理は窓辺に立ち、カーテンを引き開けた。
窓から見えるのは雲一つ無い青空。その空の彼方へ飛んで行こうとしているのか? だめだ!行っちゃいけない!!僕を置いていかないでくれ!!!
「僕は君の詩が好きなんだ!!」必死になって叫ぶ。「詩なんて、ただのお遊びじゃない!」黄金の瞳をした一匹の黄金虫が吐き捨てるように言う。
「違う! 君はわかっちゃいないんだ。僕たち人間の本当の姿が見えていないだけさ。
みんな、みんな本当は醜く歪んでいるんだよ。それを見ようとしないだけだ」
黄金虫たちは黙って睨みつけるばかり。
「僕は君たちのことを思って書いたんだ。君たちが幸せになれるように、幸せになれるよう……」
突然、二匹の黄金虫が飛びかかってきた。鋭い爪を立てて透の喉元を狙ってくる。
透はそれをかわすことができなかった。

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