仁
かまいたちの夜2 ~Tea for 2~
1章
「虫憑きの夢」
2章
「夢の終わり」
3章
「白い明日」
4章
「新たな始まり」
5章
「それぞれの朝へ」
6章 エピローグ
「夢の続き」
* それは突然のことだった。
「え──?」
ふいに身体の自由がきかなくなり、利菜は戸惑いの声をあげた。
全身が硬直し、動かせなくなったのだ。それだけではない。足の下から地面が失われていく感覚があった。重力に逆らって空へと落ちていきそうになる。
「くっ!」
地面に両膝をつくと同時に、ようやく自由を取り戻した。
周囲では同じ現象が起きた人々が、よろめいたり尻餅をついたりしていた。ある者はその場で倒れ込み、また別の者はすでに意識を失っている。
「みんな! 大丈夫!?」
利菜は立ち上がり、周囲の人々に呼びかける。しかし誰からも返事はない。
一体何が起こったのだろう? 困惑しながらも、利菜は状況を把握しようと周囲を見回す。
先ほどまでいたはずの公園の風景は一変していた。
周囲に植えられていた樹木はすべて枯れ果てており、芝生に覆われていた地面からは雑草すら生えていない。
館の玄関ホールに入ると正面に階段があり、二階へと続いているようであった。だが、そこには異様なものが存在していた。それは人間の形をしていたのだが明らかに人間ではなかった。全身が真っ黒に染まっており顔の部分だけが白い仮面で覆われていて表情などはまったくわからない。まるで影がそのまま人の形になったかのような感じである。
そしてその黒い人型の生物は両手を前に突き出しながらゆっくりと近づいてきた。
(あれは一体なんなんだ?)
そう思った瞬間だった。突然その生き物がこちらに向かって飛びかかって来たのだ!俺は慌ててその場から離れようとしたが間に合わなかったようで奴の体当たりを食らい地面に倒れてしまった。しかし奴はすぐにまた俺に飛び掛ってきたためすぐに立ち上がる事ができた。そこでもう一度攻撃してきたところを今度は横に転がり回避する事に成功した。すると奴は再び動きを止めて少しの間じっとしていた後に急に向きを変えるとそのまま何処かに走り去っていった。とりあえず助かったと思いほっとした時だった。突然何かが
