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嫌われた世一と愛された世一

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嫌われた世一と愛された世一

5 - 過去と今【少し重めな内容を含みます】

♥

326

2023年06月18日

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‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐

愛潔

まじか、そのマネージャーひっど

愛蜂

ていうか潔、カッコイイのにそのマネージャー見る目な〜

愛凪

うん、潔の魅力に気づかないとか見る目ないよ

愛潔

てか世一、すげぇな

愛潔

あの状況で今のままでいいですって言うの勇気すごくいりそうだし

愛蜂

んねー!

嫌潔

あ、あの...

嫌潔

俺褒められ慣れてないから褒めるの程々でオネガイシマス...

愛蜂

あっ!潔照れてるー!

嫌潔

や、照れっ、やめろよ!

愛潔

まーまー、こいつらこんな感じだからさ、すぐなれるって!世一!

嫌潔

そーかな...

俺はこいつらに今までの出来事を話した。

その日、俺らはアナウンスにしたがってブルーロック内にある大広間に集められていた

絵心甚八

【やあやあ、才能の原石どもよ】

絵心甚八

【今日はお前らにとっていい知らせがある】

いつも通り絵心がモニター越しに姿を見せる

嫌潔

(いい知らせ...?)

嫌蜂

なんだろねっ!潔!

嫌千

ちょっと楽しみだな

絵心甚八

【むさ苦しい男どもの集まりの中にサポートしてくれる女の子のマネージャーが入ることになりましたー】

絵心甚八

【んじゃ姿見せてもいーよ】

モニターの真下のドアが開いて1人の女性が入ってきた

A子

えっとぉ...A子っていーますぅ...

A子

えへへ...よろしくお願いしますぅ

顔も可愛くてスタイル抜群。

オマケに声も可愛い

まるで理想を詰め込んだような子だった。

絵心甚八

【ちなみにA子ちゃんに手出したら強制退場ね】

その一言を残し、モニターが真っ暗な画面に戻った。

その後数日間は楽しかった。

マネージャーとしての気遣いは完璧だし、相談にも乗ってくれて完璧に思えるような女性

そんなA子にみんな夢中になっていた

A子

あ、潔くん、

A子

おはようございますぅ

嫌潔

あ、おはようございます...

嫌潔

....

けど俺は違った

違和感があった

A子さんは優しくてふわふわで理想の女性なのに

俺に向ける笑顔だけ目が笑ってない

嫌潔

(嫌われてるのかな)

とも思ったが、そこまで仲は良くなかったし

今はサッカーで勝つことだけに集中したいと思ったから特に気にはしなかった。

けど─────

ある日A子さんに呼び出された

羨ましいなーっ、潔!とか告白?すげぇじゃん潔!という言葉が飛び交ったけど

まだ告白とは決まったわけじゃないし

何かの用事かもしれないから

心の奥底にある「初めて告白される」とかいう密かな期待を誤魔化すようにしながら呼び出されたところに向かった。

けど呼び出された場所に行くと、A子さんはいつものふわふわした雰囲気とは裏腹に怖い顔をして立っていた

そして俺に近づくといつものふわふわとは違う、はっきりとした低めの声を耳元で小声で言ってきた。

A子

私はモテるために来たのに、実家から絵心さんに大金毎月払って来てるのにさぁ

A子

なんでアンタなんかが私よりモテてるわけ?

A子

顔面偏差値下の下のアンタなんて普通モテるわけないのにさぁ...

A子

どんな魔法つかってるの??

嫌潔

.... え?

A子

あんま大きな声出さないでよね?絵心さんに聞こえちゃうじゃん。

嫌潔

いや、え...?

A子

私、思いついたの

嫌潔

な、なにが...ですか...?

その時のA子さんは怖くて怖くて

いっそ別人なのではないかとか思った

そんな怯えてる俺を横目に

A子さんは服を脱ぎ始めた

嫌潔

え、は?な、何してるんです...か...?

A子

人って案外ちょろいのよねー

A子

一人敵がいたらそいつを倒そうと一致団結する

A子

その敵を倒すために協力し合うの

A子

ほらバトル漫画でも敵がいるから主人公が引き立つ

A子

それはサッカーでも、人間関係でも、恋愛でも同じ

嫌潔

なに ... 言って.....?

A子さんは下着だけになると、にまりと笑って

A子

私はヒロイン。アンタはヴィラン。その条件だけで世界は私中心に回り始めるの。

嫌潔

は.....?

A子

...やっ、やめてくださぃぃっ!!!

いつもの声色に戻ったA子さんは大声で叫ぶと、涙目で赤面させながらさっき脱いだ上の服だけを持って走り出した

嫌潔

え、

嫌潔

は....?

俺は状況を掴めず、ただただ呆然としていた

そこに玲王と凪がちょうど通りかかって

嫌凪

え、A子さん...?

嫌玲

な、なんでそんな姿で...??

A子

ぃッ、潔くんがッ、潔くんがぁッ、

A子

わ、私ッ、辞めててって言ったッ、のにッ、

しくしくと大粒の涙を流しながら玲王と凪にもたれ掛かる

すると凪と玲王が優しくA子さんを抱きしめ、こちらを睨みつけてきた

嫌玲

潔ッ....てめぇッ....!!

2人とも怒りに満ちた表情で、こちらを見ていた

その瞬間、A子さんの口角が上がったのが見えた...

嫌潔

(この空気...)

嫌潔

(久遠の裏切りの時と似たような...)

嫌潔

(けどそれより重くて)

嫌潔

(苦しい)

そこから先の記憶は曖昧で、必死に俺はしていないと伝えたが皆は聞く耳を持たずA子さんの味方に着いて俺を一方的に貶した。

思い出すだけで吐き気がする

嫌蜂

ねぇ、潔とサッカーするの好きだったけどそんな奴だなんて思わなかった。俺今この瞬間から潔の相棒じゃないから。ありえないよ、人間として。A子さんに手を出したから退場だね。じゃあね潔。

嫌玲

お前...つくづく最低だな...生きてる価値ねぇよ

嫌凪

バイバイ、二度と顔見せないでね

嫌千

お前...ほんとにしたのか...?ありえない...けど...

嫌潔

ち、ちぎり...してない、俺は...

嫌千

.... .... ごめん...今の潔信じられない...じゃあな...

嫌潔

あ......ぁあ...

俺のサッカー人生はここで幕を閉じるんだ

俺の夢はぶち壊されるんだ

あいつに...

A子に!!!!

嫌潔

(俺は何も悪いことしてない...)

嫌潔

(なのに)

なんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんで

嫌潔

(理不尽だ)

嫌潔

(濡れ衣でサッカー人生が終わる)

嫌潔

(世界一のストライカーの夢が)

あそこでA子が叫び出す前に誰かを呼んだら良かったのか?

誰かに着いてきてもらえば良かったのか??

ふざけるなよ

絵心のやり方より理不尽にサッカー人生壊されて

その上、信頼関係までぐちゃぐちゃにされて

あいつが憎い

俺のサッカーはこんなとこで終わる訳にはいかねぇんだよ───

ピーンポーンパーンポーン

アナウンス

潔世一さん、今すぐ指定する場所に来てください

まだ....こんな理由で....終わりたくない....

指定された場所は大広間だった。

そこにアンリさんがいて

アンリ

ここからは私が案内します。着いてきてください

と、言われ、見たこともない部屋の前まで来た。

部屋の中には沢山のモニターと絵心甚八がいていた。

絵心甚八

やあ、潔世一。さっきの出来事見ていたよ。

嫌潔

俺、強制退場ですか...?

絵心甚八

まあ、普通はそうだけど

絵心甚八

俺の予想が正しければお前は嵌められた側

絵心甚八

違うか?

嫌潔

え、あ、合ってます...

絵心甚八

うん、やっぱり

絵心甚八

A子ちゃんの両親は大企業の社長でお金持ちなの。まあ、御影玲王みたいな感じかな。そのお金の力でマネージャーになりたいって入ってきた子なんだけど

絵心甚八

んで、あの子自身もそこそこ有名なモデルさんで...

嫌潔

...........

絵心甚八

...まあ簡潔に言えばあの子をこのままブルーロックから追い出すとブルーロックのイメージが下がって

絵心甚八

お前らの将来がブルーロックで失格になるよりもぐちゃぐちゃになる可能性があるから

絵心甚八

A子は追い出せないってこと

嫌潔

........そう...ですか....

絵心甚八

あと、お前ら2人で話してる様子、モニターの端の端に写ってたんだけど

絵心甚八

声は聞こえなかったんだよね

絵心甚八

内容教えてくれない?

嫌潔

はい...

それから俺はショックでぼんやりしてきていた記憶を思い出しながら絵心さんに話した

絵心甚八

ふむふむ、だいぶえげつないことするねー、A子ちゃん

絵心甚八

まあお前は悪くない。

絵心甚八

潔世一、お前が望むならブルーロックでこれからもサッカーをし続けろ

嫌潔

ありがとうございます...

絵心甚八

はーー、やっぱり入れるべきじゃなかったなーー

絵心甚八

最近カメラの位置とかマイクに拾われる声の大きさとか研究してるっぽい動きだったから怪しかったし、

嫌潔

あの、絵心さん...

絵心甚八

あー、ごめんごめん、

絵心甚八

大丈夫、みんなと別の部屋で別のメニューこなしてもらう予定にしてるから

絵心甚八

あの勘違い達とは離れられるよ

嫌潔

いや、あの、

嫌潔

俺をあの環境の中のままでいいので今まで通りがいいです

絵心甚八

え、?

嫌潔

俺は強くなりにここに来たので、1人で居てても強くなんかなれないし。今までのままでいいです...

絵心甚八

....うーん...

絵心甚八

わかった。けどやばいと思ったら別の部屋に移動させるから

嫌潔

ありがとうございます

アンリ

それでは大広間まで送りますね。着いてきてください

アンリ

あの、潔世一くん

嫌潔

あ、はい

アンリ

良かったんですか?

アンリ

ほんとに....

歩きながらアンリさんが俺に質問をする

アンリ

私なら耐えきれないです、今まで信頼しあってきた仲間に責められ貶されるなんて...

嫌潔

俺もショックです。できることなら仲直りしてまた競い合い高め合いたい

嫌潔

けど、俺は世界一のストライカーになりに来てるので。スラム街なんかで暮らしていたノエルノアに比べれば....

嫌潔

こんなとこで甘えてちゃ...

嫌潔

強くなんてなれないので...。

じわりと目元が熱くなる。

ああ、やっぱり、辛いな...

もう一度、皆と笑って話してふざけて...

信頼しあって喰いあって....

出来ればもう一度だけ....

けど──

嫌潔

っ......大丈夫です。絵心さんもいじめがエスカレートするなら蜂楽達と離してくれるって言ってましたし

出てきていた涙をグイッと拭いて、

今を受け止めて

戦おう

アンリ

...分かりました。私も全力でサポートするので、何か辛いことがあれば言ってください。

嫌潔

ありがとうございます......

でも

いつか奇跡が起こればいいな───

嫌潔

(なんて思ってたっけ)

その後いつも通り食堂に行ったらビビられて

そこからは悪い噂もたくさん広まって

いじめられて

信じてくれた國神と馬狼以外信用出来なくなって───

嫌潔

(......)

今もやっぱりA子も

俺を裏切った奴らも許せない

けど.....

ううん、『だから』かな

だから別世界だったとしても、今、とっても嬉しいんだ

愛蜂

よーーし!!いっちょ別世界の俺探してギャフンと言わせてやりますかー

愛凪

俺は玲王を説得させてみる。あと出来ればもう1人の俺も、また会えたら説得する。

愛凪

エクストラハードかもだけど。

愛潔

なら俺は千切を説得してみる

嫌潔

.........

愛蜂

...潔?大丈夫?

愛凪

あ、辛い過去思い出させちゃったから...

愛潔

大丈夫か?世一

嫌潔

......おう

嫌潔

平気!!

あの頃に戻ったみたいで 。

嫌われた世一と愛された世一

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コメント

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とりあえずA子は〇すとして、 國神と馬狼の好感度が爆上がりました! 面白かったです!

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