コメント
2件
けぺさんの書く小説めっちゃ好きです!!😍😍
けぺ
けぺ
けぺ
けぺ
雨が地面を激しく打っている
最終ゲームは既に決着が着いていた
なのに、兄貴は。
ギフン
兄貴の手が差し伸べられる
ギフン
雨のせいだ。視界がぼやけて兄貴の表情が分からない
サンウ
賞金を目前にしてそれを蹴るなんてお人好しにもほどがある。
本当に……お人好しすぎる
兄貴の手を握ろうと手を伸ばした
……その手は血に濡れている
自分は、兄貴の手を握る資格があるのだろうか。
アリやセビョクの顔が浮かぶ
ここまで他人を蹴落としてまで這い上がってきた
サンウ
そのとき、手についていた血が雨で流されていくのを見た
気がつけば兄貴の手を握っていた
……雨が、降っている
ギフン
喉の乾きを感じ、水道へ向かおうと立ち上がる
サンウ
サンウ
サンウの突然の怒号に体がびくりと跳ねた
ギフン
サンウ
サンウ
サンウ
サンウ
サンウ
サンウ
サンウは頭を抱えてブツブツと自己暗示するように何かを呟いている
もう慣れた光景だ
ゲームが中断され、俺たちは家に帰された
サンウは極度のストレスからか、俺が少しでもサンウから離れるのをひどく嫌うようになった
ギフン
側にいてやればいつもの…ゲームに参加する前のサンウなのだ。
サンウ
這いずるように寄ってきたサンウの腕に抱かれてやる
俺を抱きしめて落ち着くならそれでいい
元のサンウにいつか戻るはずだ、それまで……
ギフン
サンウ
サンウ
ギフン
サンウ
身体に回されていた腕が離れ、サンウが叫んだ
サンウ
サンウ
ギフン
ギフン
ポジャンマチャで食事を済ませ、帰路につく
サンウ
サンウが歩みを止めた
サンウ
ギフン
ギフン
ギフン
ギフン
サンウ
一瞬時が止まったような気がした
サンウが何を言いたいのか、その言葉の真意は分からなかった
ギフン
ギフン
ギフン
サンウ
ギフン
サンウ
サンウ
ギフン
ギフン
ギフン
サンウ
サンウ
サンウは俺を足早に追い抜いて行った
ギフン
ギフン
寝るときは同じ布団に入る
始めこそ男二人で同じ布団を共有することを嫌がったが、この寒さの中そうは言ってられない
暖房もつけられないなら、互いの体温で暖を取るしかなかった
ギフン
サンウ
サンウが話しかけてきたが、応答するには眠すぎた
サンウ
サンウ
俺のせいで、とサンウは俺の背中でくぐもった声で続けた
ギフン
寝返りを打ってサンウの頭を撫でてやった
サンウ
サンウ
サンウは幼児退行の気がある
早くよくなるといいんだけどな、と思いつつ目を閉じた
けぺ