ずっと、一緒にいれると思ってた。
これから先も、一緒に人生を歩んでいけるって思ってた。
──だけど、そんな思いは呆気なく消えた。
……俺たちは、ただ、、、
君の横で笑っていたかっただけなのに。
それは、突然の事だった。
悠佑
ないこ
りうら
初兎
ほとけ
悠佑
if
悠佑
ないこ
そんな会話をしながら、いつも通り俺たちは玄関で彼を見送った。
ここまではいつもと変わらない日常。
違和感を感じたのは、夜になってからだった。
りうら
ほとけ
いつもならとっくに帰って来てる時間。遅くなるにしてもアニキは必ず連絡くれるから、今までこんなことはなかった。
ないこ
そう呟いた瞬間、携帯が鳴り響いた。
初兎
ないこ
if
ないこ
ないこ
その言葉を聞いた瞬間、頭が真っ白になった。全身から血の気が引いていくのがわかる。
携帯を握っていた力が抜けて、カタンッと音がなる。
初兎
ないこ
「───アニキが、事故にあったって」
ほとけ
りうら
if
ないこ
初兎
今、ここにいる全員が言葉を失った。
俺だってまだ、頭が追いついてない。
ないこ
ないこ
ないこ
病院へつくと、アニキの病室へ案内された。白い扉を開くと薬品の匂いとたくさんの管に繋がれたアニキの姿があった。
ないこ
わかってはいたんだ、でも心の何処かで期待してた。重体なんて嘘だって、病室に入れば申し訳無さそうな顔をしながら「怪我してもうたわ〜」なんて言ってくれるって。
全員がアニキの姿を見た瞬間立ち止まったが、最初にアニキに駆け寄ったのは初兎とまろだった。りうらとほとけは顔を真っ青にしながら震えてた。きっと俺もそうなってるんだと思う。今すぐ駆け寄りたいのに身体が震えて動かなかった。
if
初兎
病室に医者が入ってきた。そして、残酷な一言を告げる。
────最善は尽くしましたが、
嫌なのに、知りたくないのに、聞きたくないのに、残酷な現実が心に突き刺さった。
ピーーーーーーーー
遠くの方で機械的な音が耳を通り過ぎた。
………アニキは、事故に合う直前に小さい子供を庇ったらしい。
しばらくして、子供の両親に泣きながら謝罪された。
既にアニキに繋がれていた管は抜かれて、顔に白い布が掛かっていた。
……そっと、手を握る。
昨日までは、人より少し暖かい手で優しく握り返してくれたのに、今は氷のように冷たい手でぴくりとも動かない。
あんなに、ころころと色んな表情を見せてくれたのに、今は眠っているように静かな表情だ。
────夢だ、そう思いたかった。
明日になったら、また笑顔で「ないこ!」って声を掛けてくれる。そう思っていたかった。
もう二度と、その声を、その顔を、その言葉を、その存在を見れないんだ。
………嫌だ、
嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ
お願い、お願いだから、、、
…………帰ってきてよ、悠佑。
俺たちは次第に喋らなくなった。
同じ家に住んでても、会話をしなくなった。すれ違っても何も言わないし、最近は食事も別々でリビングにはいつも誰もいない。
活動の更新も止まっていて、リスナーからたくさんのコメントやDMが送られてくるが、返す気にはなれない。
悠佑がいなくなってから、心に大きな穴が空いたみたいに何も感じなくなった。きっと他のメンバーもそうだろう。
何を見ても、何をしても心に響かなくって、ただただ機械の様な生活を送った。
………これをアニキが見たら、どう思うかな。
ふとそんなことを思った。
ある日、家のベランダから見える空を眺めていた。
───あの先に悠佑はいるのかな。
人は死んだら空に行く、そんなことを聞いたことがある。当時はそんなわけないって思ってた。けど、今となったら本当なのかもしれないと、そう思えた。
ベランダから身を乗り出しながら、空に向かって手を伸ばす。
こんなこと、何か意味があるわけじゃない。自分でもなんでこんなことしてるのかわからない。
でも、こうしていたら悠佑が手をとってくれるかもしれない。
そんなことを考えていると、身体がふわりと前ヘ倒れそうになった。
落ちる、そう思った瞬間、
ドンッッッ
背後で途轍もない衝撃音が聞こえた。その音に反応して、思わず後ろによろめく。
この部屋には自分しか居ないし、衝撃音が鳴るような物もない。
音のした方に、ゆっくりと振り返る。
ないこ
一瞬、何が瞳に映ったのかわからなかった。
悠佑
悠佑
コメント
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え~‼️やばむっちゃ続き気になるんやけど~。なるべく早めの投稿おなしゃす