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何も出来ない弱さ

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何も出来ない弱さ

1 - 何も出来ない弱さ

♥

201

2020年02月21日

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君は一体いつから苦しんでいたの

どうして俺は

君の1番近くにいた筈なのに

俺は君のために

何も出来なかった…

ピ─────────ッ…

──────ねぇ…

──────ねぇってば…

瑞葉(ミズハ)

かいと!!

海斗(カイト)

…はっ!

海斗(カイト)

あれ…俺寝て…?

瑞葉(ミズハ)

何言ってんの?(笑)

海斗(カイト)

あれ?瑞葉…

海斗(カイト)

なんで俺のクラスいんの?

海斗(カイト)

てかあれ?みんなどこ行った?

瑞葉(ミズハ)

なーに寝ぼけたこと言ってんのっ!

瑞葉(ミズハ)

もうとっくに学校終わってるし、

瑞葉(ミズハ)

一緒に部活行こって約束したから

瑞葉(ミズハ)

海斗のこと迎えに来たんですけどー

海斗(カイト)

あっまじかぁ

海斗(カイト)

俺また授業全部寝てたかぁ

瑞葉(ミズハ)

ほんっと馬鹿(笑)

瑞葉(ミズハ)

進級出来なくても知らないよー?

海斗(カイト)

いやそれはさすがに!(笑)

瑞葉(ミズハ)

とりあえず早く行こーよー

瑞葉(ミズハ)

もう日暮れちゃうよー

海斗(カイト)

えっまじ?

海斗(カイト)

そんな時間??

瑞葉(ミズハ)

もうゆーて17時半

海斗(カイト)

おっしゃ早く行こーぜ!!

瑞葉(ミズハ)

はいはーい(笑)

どうして、俺は

この時に気づいてやれなかったんだ

海斗(カイト)

ふぁーあ

海斗(カイト)

結局この時間になっちまったなー(笑)

瑞葉(ミズハ)

・・・。

海斗(カイト)

瑞葉のお母さん怒んねーかな

海斗(カイト)

また俺の練習長引いて帰り遅くなって

海斗(カイト)

ごめんな。

瑞葉(ミズハ)

・・・。

海斗(カイト)

瑞葉…?

海斗(カイト)

怒ってる?

瑞葉(ミズハ)

あっ…ごめん聞いてなかった(笑)

海斗(カイト)

えーっ!(笑)

海斗(カイト)

疲れてる?大丈夫ー?

瑞葉(ミズハ)

んー(笑)

3番線ホームに電車が通過します

黄色い線までお下がりください

海斗(カイト)

お、電車来るってさ

海斗(カイト)

瑞葉、もーちょい下がんな

海斗(カイト)

轢かれるぞ

グイッ

俺はいつものように瑞葉の手を掴んで

引き寄せようとした

瑞葉(ミズハ)

…っ

パシッ

その手は何故か呆気なく振り払われた

海斗(カイト)

えっ…

『ごめんね』

君の言葉を電車が掻き消す

その瞬間─────────

君が

俺の目の前から

消えた

俺は知らなかった

瑞葉が家で虐待を受けていたなんて

俺がもっと

もっと

もっと

もっと

近くにいて支えられていたら

と思うと今も涙が止まらない

せめて…

どうか君が

天国で幸せにしていますように。

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