暗くてややこしい話が続きます お気をつけください
幸せというものは、 永遠に続くと誰もが信じている。
例えそれが不安定な足場の上だったとしても。
青
…“俺”がいる。
父
…死んだはずの父もいる。
青
父
父
あぁ、これは夢か。
俺がまだ16の時。
青
青
父
父
青
子供に恵まれなかった国王は、 上位貴族だった俺の父を養子として迎え 次期国王とした。
国王は父をそれはそれは可愛がった。 まるで本当の息子かのように。
でも、 そんな父でも。 本当の血のつながりに勝てるわけがない。
青
父が養子となって10年後。 国王に息子が生まれた。
国王は当たり前に実子に継がせたがるだろう。 そう察した父は、 真っ先に国王へ伝えた。 「継承権を放棄する。」 と。
しかし、 次期国王として統治に携わった父は、 国の重大機密を多数知ってしまっていた。
この国にとって、父は最大の邪魔者。 だから国王は、父を殺そうとした。 …否、父とその妻。そして、その子供である俺すらも。
しかし、父の必死の説得もあり。 父と母は城の離れの塔で生活し、 生活に影響のない程度で 王家の監視、及び制限をつけられる。 俺は国王の監視下で 国王の息子の側近として一生を尽くす。 ということで 命の保証はされた。らしい。
青
青
国民に内密に勧められていたこの話。 父が継承権を放棄し、 国王の息子が正式に王太子になることは。
国王の息子が15を迎える時に 大々的に発表された。
その日は朝から 不穏な空気が流れていた。
兵士が忙し気に駆け回り、 つい先日まで暮らしていた俺らの区画も 私物がすっかり消え去って。
青
両親は城の離れに移るのに対し、 俺は平民の子として 王家に仕えることになった。 父と母とは、接近禁止令が出た。
国王の息子…王子と歳が近い俺は、 国王にとって邪魔らしい。 …自分の息子より優れた人物になる可能性のある人物は 徹底的に排除していた。
青
俺は、 もう城に居れないらしい。 儀式を最後まで見届けられないまま。 父と母 と別れの言葉を交わすこともないまま。
護衛に連れられ、 街へと足を踏み出した。
世話になる家は、 城から馬車で15分程度離れた家。 多くの養子を受け入れているという、 優しい男女が家主だと聞いていた。
…はずだった。
青
放り投げられるように馬車から出され、 目の前に広がっていたのは貧民街。
その中でも一際酷かったのが 奴隷同然に扱われる子供達が住む一つの家。
青
場所、あってます? そう聞く前に。 「お前の家は今日からここだから。」 放たれた言葉は、それだった。
引き止める間もなく、 馬車は去っていった。
青
それを呆然と見つめる俺の肩に、手が触れる。
見上げれば、 貧民街に相応しくないような 裕福な服を着た男がいる。
青
舐め回す様に俺の顔をたっぷり見つめ、 男は顔を歪めた。
汚い笑顔だった。
気付けば何故か、 俺はまた城下町に居た。 …あの男に連れられて。
16歳、という年齢だった俺には 自分がこれから何に使われるのか 少なからず想像できた。
だから、隙をついて逃げ出した。 王城に向かって必死で走った。
…逃げなければ、あんなところは見る必要なかったのに。
人だかりを掻き分けて前へ進む。 そんな時、先程までうるさく響いていた声がぴたりと止んだ。
周りが見上げる王城のバルコニー。 俺も釣られて其方を向く。
一瞬、国王と視線が交わった気がした。
次の瞬間、国王の顔は返り血で真っ赤に染まり、
誰か2人の身体が力無く倒れた。
その2人がバルコニーから投げ出された時、
その2人が 公衆の面前で殺された2人の人物が 俺の両親だと気付いた。
両親の身体を貫いたのは、 国王と、その息子の王子だった。
コメント
1件
青くん…そんな辛い過去だったんですね…😭 国王が自分勝手すぎてすごい怒れてきます💢( ^-^)💢 青くんには水くんと幸せになって欲しいですね🫶💕︎︎✨️