煙草

本人様に一切関係ありません((ここ大事ね

煙草表現（？）含まれます

よく “彼氏が煙草吸ってるの嫌じゃないの？” と言われる

時には “煙草吸ってる人と一緒じゃん。近寄らないで” とも

先生、お母さん達も口を揃えて “煙草は良くない” と言われ育ってきた

でもさ好きな人なんだもん

僕が我慢すれば良いだけ

煙草を吸うときはいつも外に行ってくれる

それに匂いが付いた服もすぐ洗濯機に入れてくれる

煙草吸う人は悪い。みたいな解釈だけど良い人も居る

それが青ちゃん

ベランダに目をやると夜空を見上げながら煙草を吸う青ちゃん

月に照らされた煙草の煙は何だか綺麗で

僕も吸ってみたいと思った

ちょっとだけなら大丈夫

謎の確信を持ちベランダに居る青ちゃんの元へ行く

僕が行くとすぐに笑顔で声をかけてくれる

癖のある笑い方をしたあと、煙草を１本だけ僕にくれた

お礼を言い１本受けとる

ライターを差し出してくれた

初めて煙草を吸う訳だからどっちの向きにライターを付けるのか分からない

彼は手慣れた手つきで煙草に火を付ける

なんだか 同じ大人なのにあまりにも違うので少し寂しく感じた

今度こそ吸うぞ

やっぱりむせた

笑われたのムカつく

子供扱いされているようでムカつくから

僕も意地悪してやることにした

口付けをすると彼は驚いた顔で僕を見つめていた

僕がとぼけると

なんて言いながら急にキスしてくるもんだからさ

苺のように顔を真っ赤にしてしまう

急なアドバイスを受けながら吸ってみると

これを好んで吸う人の気持ちが分からない

美味しくないし なんなら 身体にも悪いし

何にも良いこと無いじゃん

僕は煙草嫌いだけど

ほんの少しだけ好きになったかもしれない

いつか青ちゃんみたいに、煙草が美味しいと思える日が来るのかな

きっと来ないだろう

二人の煙草の煙は一筋になって夜空に消えていった