10話-大丈夫-
2人とも
目の色を変えて
狂気じみた顔をして
さっきよりも激しく
お互いを傷つけあう。
シエル
M
両方、全身から血を流して
掴み合いを続ける。
エリオ
腹に刺された角を掴んで
思いっきり引き抜く。
エリオ
血の流れる腹を抑えて
壁にもたれ掛かる。
エリオ
ニブ
目が潰れ、傷だらけの
ニブも呻き声を上げながら
床に横たわる。
エリオ
M
M
豹変したシエルに動揺し始める
M
シエル
シエルが血反吐を吐き
Mは息が荒れ、無意識に鼻血を出す。
もう既に2人の身体は限界。
エリオ
痛む腹を抑えたまま
争う2人の間に割り込む。
M
2人の手が離れると
Mは崩れ落ち、座り込む。
シエルは立ったまま
まだMに向かって行こうとする。
シエル
エリオ
エリオ
止める声は
シエルの耳には届いていない
エリオ
叫ぶ度に、腹に激痛が走る。
エリオ
バチンッ!!
シエルの頬を
思いっきり叩いた。
頬が赤くなるほど
シエル
ーーーーーー
エリオ
シエルが首元に噛み付いてきた。
エリオ
シエル
首元から血が溢れ
シエルは驚いたのか動きが止まり
小刻みに震えだす。
エリオ
シエルの背中に手を回し
優しく撫でる。
エリオ
シエル
エリオ
シエル
ぎゅぅ…
エリオ
シエル
エリオ
シエルの震える声が耳元で響く
ピッ……ピッ……
シエル
「大丈夫」
そう言っていたものの
腹を突き刺され、首も噛まれて
大丈夫なはずがない。
シエル
そう言って
目を閉じたままのエリオの手を
ぎゅっと握りしめる。
すると、弱い力で握り返される。
シエル
その途端
ピーーーーー。
機械の音が途切れなくなる。
シエル
シエル
シエル
エリオの手をまた握るも
今度は握り返してくれない
目から涙が溢れ
頬を伝う涙が手の甲に落ちる。
こんな経験、人生で初めて
シエル
シエル
病院の窓に手を伸ばした途端
後ろから身体を掴まれる。
代表取締役
シエル
代表取締役
代表取締役
そう言われ椅子に座らせられる。
シエル
シエル
シエル
代表取締役
代表取締役
俺の手をぎゅっと握って
涙を拭ってくれる。
代表取締役
シエル
ニブ
片方の目に包帯を巻いていたニブが
俺の顔を舐めて、擦り寄ってきた
シエル
ニブ
代表取締役
代表取締役
代表取締役
シエル
シエル
代表取締役
代表取締役
シエル
代表取締役
代表取締役
ニブ
代表取締役
シエル
代表取締役
代表取締役
シエル
代表取締役
代表取締役
代表取締役
シエル
ニブ
ニブが俺の目を見つめて訴えかける。
シエル
代表取締役
代表取締役
代表取締役
シエル
ニブ
_𝐞𝐧𝐝_
コメント
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最後にエリオくんが握り返してくれたのは、最期の挨拶だったのかね。 バドエンなはずなのにニヤニヤが止まらねぇ(((