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あの夏が飽和する。
桜
君はそう言っていた。
梅雨時
ずぶ濡れのまんま、部屋の前で泣いていた。
夏が始まったばかりというのに、君はひどく震えていた。
そんな話で始まる、
あの夏の記憶だ。
桜
桜
桜
桜
そんな君に僕は言った。
夜
財布を持って、
ナイフを持って、
携帯ゲームも
カバンに詰めて、
いらないものは全部、壊していこう。
あの写真も
あの日記も
今となっちゃもう
いらないさ。
人殺しと
ダメ人間の
君と僕の旅だ。
そして僕らは逃げ出した。
この狭い狭いこの世界から
家族も
クラスの奴らも
何もかも、
全部捨てて君と二人で。
遠い遠い誰もいない場所で
2人で死のうよ
もうの世界に価値などないよ。
人殺しなんてそこら中湧いてるじゃんか。
夜
夜
桜