女王蜂は愛を知りたい

ニアには使い魔がいた

召喚した日全て変わった

ー

その召喚は痛みを伴った

生涯自分を守る魔を従えるのだ

体を電気が貫くような痛み

麻痺して動かない手足

油断していた

召喚の儀は完了していた

黒い霧のようなものが出ていた

それは漆黒のような深さで

血のような鋭い瞳

体は大きく

長く垂れたような体毛

“それ”が歩けば煤の様なものが床につく

異様に長い尻尾

爪は鋭く牙もするどい

真っ赤な瞳がこちらを見る

その瞬間走り出してくる”それ”

ニアはそれに抱きつき

バチバチと音が鳴る

ニアが辛そうにした瞬間、”それ”は ニアを組み敷いた

それは異様だった

“それ”はセトを見つめ低い声を出す

“それ”はニアを守る様に、

はたまた、自分の獲物とでも言うように

セトを見つめる

ニアはポロポロと大粒の涙を流す

ニアの優しい音に部屋全体が包まれる

“それ”はニアからどくと ニアを手助けする様に周りに巻き付く

ニアが”それ”の頭を撫でてやると 気持ちよさそうに目を細める

先程まで恐怖の対象だったものに 優しくできるニアはバカとしか言いようのない 悪魔好しなのだ

カミールの召喚には痛みが伴う

ニアはそれが結構トラウマなのだ

そしていちばんの欠点は

その召喚をノックスが邪魔するのだ

ノックスは独占欲が強い

ニアを守りたい気持ちでいっぱいなのだ

ノックスはニア以外は認めていない

簡単に言うとナベリスウの個人バージョン

その瞬間バチバチと音が鳴る

ノックスがニアに擦り寄る

ノックスはニアのベッドに乗りニアを待つ

ー悪魔と1匹は眠りにつく