月見。
月見。
月見。
月見。
月見。
月見。
注意!! ・地雷さんは今すぐUターン! ・まろにき ・かなりしれっと赤組が付き合ってます ・nmmn ・ご本人様方とは何も関係のないフィクションです ・口調&キャラ崩壊あり ・通報❌
月見。
月見。
初兎
-hotoke-
If
あと少し。あと少しの我慢で。
悠佑
今日もまた、自分の言葉で自分の首を絞めていく。
青組は仲が良い。いれいすメンバーは勿論、最早そのビジネス不仲いじりでいれりすのみんなにも周知の事実だ。
最初に言い出したのは誰だったか、最近では結婚がどうのと騒がれることも多い。
それくらい人気で、多くの人に推されている青組。
青組ネタになった時のコメント欄を見ていても、その人気はよく分かる。
そして、きっと2人だって満更じゃないこと。
悠佑
日曜日のファンミが終わり機材の片付けをしていると、部屋の中に響き渡る着信音。
相手はないこだった。何かあったのだろうかと少し心配しつつ電話に出る。
悠佑
ないこ
さっきまでとのテンションとは打って変わって、ないこが静かに俺を呼んだ。
ないこ
悠佑
“大丈夫”。その問いかけの意味を理解し、返す言葉を考えるのに少しだけ時間がかかった。
悠佑
ないこ
どうして、って。
悠佑
ないこ
悠佑
ないこ
ないこの迷いの無い声に、思わず黙り込む。
ないこ
悠佑
しみじみと呟いた。はぐらかさないで、と電話の向こうから聞こえてくる声にも、俺は答えなかった。
悠佑
ないこ
悠佑
ないこ
最後までその言葉を聞くことなく、一方的に通話を切った。
通話が終了した画面を見つめ、すぐにスマホの電源を落とした。話もちゃんと聞かず勝手に話を終わらせたことに申し訳なさを感じ、椅子の背もたれに背中を預けて天を仰いだ。
ないこには悪いことをした。今度会ったら謝らなければ。いやでも、その時にはないこも忘れてるだろうか。
悠佑
自分の言葉で自分の首を絞め傷付いている自分も、それを認めて誰かに頼ることを恐れている自分も。
重い溜息が、静かな部屋の中に溶けて消えた。
切られてしまった通話画面を見つめ、暫くそのままでいた。
ないこ
全部馬鹿だ。自分から傷付きに行くのも、弱音を吐こうとしないのも。
頼って欲しいのに。
ないこ
好きな人が他の誰かと結婚だのなんだのと騒がれているのを、近くで見ているだけなんて。誰かが喜ぶからと、喜ぶ人が多いからと、そんな話のネタを自分から投下していくなんて。
最近、あにきが青組の話を出すのが多くなった。
それがまるで、あにきがその胸に秘めた気持ちを諦めようとしているかのようで。
あにきが人知れずまろから距離を取る様になったこと、まろは気付いているんだろうか。
画面越しじゃ分からない。青組いじりで盛り上がっている時、あにきがどんな表情をしているのか。その時のあにきを心情を考えるだけで、俺の胸が痛む。
だって。
ないこ
自分の気持ちを隠し通そうと我慢しているのは、まるで昔の俺の様で。
そんな俺の背中を押してくれたのは、他の誰でもないあにきなのに。
ないこ
その優しさは確かにあにきの長所だけど、同じくらい自分のことを優先して欲しい。もっとわがままを言って良いのに。
ないこ
何かしなくちゃ始まらない。俺はスマホを持ち直し、とある人物に電話をかけた。
悠佑
ないこ
りうら
悠佑
ないこ
悠佑
ハッキリと否定してくるないこに眉を下げる。ないこがここまで一方的に自分の意思を貫き通してくるのは珍しい。
ないこ
悠佑
ないこ
怒った様な、泣きそうな顔をするないこの言葉に何も返せず、俺は目を逸らした。
青組の人気。自分の気持ち。我慢。考えれば考えるほど、頭の中はこんがらがって。
悠佑
ないこ
滲む視界。零れ落ちた涙がズボンにシミを作った。
何も分からない。自分の気持ちも、まろの気持ちも、どうすればいいのかも。
考えれば考えるほど、ただただ胸が痛むから。
悠佑
ないこ
部屋の中の雰囲気は最悪だ。この雰囲気を作ってしまったのは間違いなく俺だが、もうどうしようもない。ないこもりうらも、俺のことなんて放って帰って仕舞えば良いのに。
もうお前なんて知らない。勝手にしろと、突き放してくれれば良いのに。
りうら
ずっと黙っていたりうらが溜息を吐いた。そこに含まれた確かなイライラに、ビクッと肩を揺らす。
何か言葉が飛んでくるかと思って覚悟を決めていたが、聞こえてきたのはスマホの呼び出し音だった。
りうら
思わず顔を上げ、丁度通話を切ったりうらを見つめる。
悠佑
りうら
珍しく不機嫌に顔を顰めたりうらが、ないこを抱き寄せその頭を撫でた。
りうら
そう言うとりうらは顔を上げ、何処か遠くを見据えた。
りうら
日曜日、夜。
りうら
悠佑
-hotoke-
初兎
久しぶりに全員で夜ご飯を食べに行き、どうせだしと言うことでそのままないこハウスでファンミをすることにした。
りうら
初兎
ないこ
悠佑
-hotoke-
If
いつぶりか分からないメンバー6人での雑談配信に、いれりすのみんなも喜んでコメント欄で盛り上がっていた。
・・・そろそろだろうか。
ちらりとりうらを見ると、丁度りうらがその視線を初兎ちゃんへと送っていた。
それをしっかりと受け取った初兎ちゃんが、何事も無かったかの様に視線を外し、そう言えば〜といつも通りのトーンで話し始めた。
初兎
-hotoke-
If
りうら
ないこ
-hotoke-
コメントの様子を伺う。いつもの様に、青組推しであろういれりすの子達を中心にコメント欄は盛り上がりを見せていた。
いつも隣とかかわいい
青組ありがとうございます
はよ結婚しろください
結婚式いつですか??
てぇてぇ
・・・あにきには少し辛いかもしれないけど、もう少しだけ我慢してね。
初兎ちゃんに目配せすると、初兎ちゃんは小さく頷き、コメントを一瞥してから青組の方を見た。
初兎
-hotoke-
If
りうら
初兎
初兎
悠佑
あまりにも自然と発せられたその言葉に、あにきが遅れて反応する。
実はあの日、りうらが「後は俺らに任せて」とあにきを話し合いから抜けさせた為、あにきは今日のこの作戦を何も知らなかった。
けど分かっていた俺でも、その自然さには思わず目を丸くした。
-hotoke-
りうら
コメント欄を見れば、青組の時と同等かそれに勝るくらいのスピードでコメントが流れていた。
えっっっ
初兎くん!?!?
付きあ・・・??
白黒組まさかの!?
ゆうしょーですか最高ですありがとうございます
やっぱゆうしょーが優勝・・・
やばいしぬ
初兎くん大胆!?!?
急な告白展開
急に白黒組の供給に殴られたすき
お付き合いでも結婚でも大歓迎ですぜひ
滅多にない白黒組のそっち系の話題、しかも初兎ちゃんからの爆弾発言にみんな沸いているんだろう。バチバチに動揺してる。ぶっちゃけコメント見てて面白い。
・・・で、そっちはどうなの?
横目でまろを見る。まだ声は出していないが、その顔が「は?」と言っている。
悠佑
りうら
-hotoke-
悠佑
初兎
悠佑
ゑ???
けっこ・・・は?(死)
初兎くん大胆すぎるかっこよ
今日白黒供給えぐない?
そんなさらっとプロポーズするのやばい供給過多でしにますほんとに
悠くんかわいい
あにきの驚き方が明らかにガチだから絶対アドリブなんよな・・・
白黒組結婚式挙げてください
結婚式まじいつですか
ご祝儀送らせてもらっても??
白黒組結婚しちゃってください!!
“白黒組の結婚”。そんな内容のコメントで埋まるコメント欄。
-hotoke-
初兎
-hotoke-
白黒結婚かぁ・・・
嫉妬いむくんかわいいw
いむくんww
いむしょー・・・白黒・・・。もう3人で結婚してくださ(((
流れていくコメントの内容は、次々変化していく。
いふくんなんかずっと黙ってるけど大丈夫?あにきっずショック?
あにきっずいふくん驚いて黙っちゃってません?ww
中には、そんなコメントもちらほらと。
あにきっずなんて言葉じゃ済ませられないような顔して、そこで拳握って震えてるよ。
・・・そんな顔してても、言葉にはしないの?
りうら
ないこ
隣から聞こえてきたそんな声は小さく、いむしょーの大きな声に掻き消され、俺の耳にだけ届いて消えた様だった。
おついれでした!というたくさんのコメントが流れていくのを眺めて、配信を終える。
ないこ
りうら
-hotoke-
りうら
ないこ
初兎
りうら
-hotoke-
悠佑
ないこ
りうら
悠佑
-hotoke-
悠佑
初兎
ないこ
初兎ちゃんの言葉に、ぽかんと初兎ちゃんを見つめた。
あれ、なんか、言ってたのと違くない?
配信中に白黒を供給して白黒組結婚〜みたいな流れにして、いつもあにきが感じてる気持ちをまろにも感じさせてやろうって話だったよね?
配信後も続けるなんて話、してたっけ。
りうらを見ると、彼も予想外だった様で驚いた様子で初兎ちゃんを見つめていた。
悠佑
初兎
りうら
初兎
ないこ
なぁ悠くん。するっとあにきの手を取り、初兎ちゃんは真っ直ぐあにきを見つめた。
初兎
悠佑
初兎
その手があにきの頬へと伸びる。俺もりうらも予想外の事に上手く動けず、それをただ見つめることしか、
パンッ
部屋の中に、乾いた音が響いた。
初兎
あと少しであにきの頬に触れそうだった初兎ちゃんの手を叩き落としたまろが、2人の間に割り込む様に立っていた。
If
初兎
恥ずかしげもなくするするとその口から出てくる言葉に、まろの表情が険しさを増す。
If
初兎
If
初兎
If
初兎
If
初兎
悠佑
初兎ちゃんがあにきの腕を掴み、部屋を出て行こうとする。あにきはまだ混乱しているんだろう。抵抗もせずされるがままにその背中を追う。
悠佑
そんなあにきの足が止まる。はぁ、と溜息を吐いた初兎ちゃんが振り返り、まろをじとっと見つめた。
初兎
あにきの反対側の腕を掴んだまろが、初兎ちゃんを睨んでいた。
If
初兎
If
悠佑
まろはあにきを連れて、部屋を出て行った。バタンと閉まるドアの音。部屋の中に訪れた沈黙に固まっていると、はぁ〜と気の抜けた溜息が降って来た。
初兎
ソファにどさっと座る初兎ちゃんに、俺は瞬きを繰り返した。
ないこ
りうら
初兎
ないこ
りうら
ないこ
-hotoke-
初兎
りうら
ないこ
初兎
ないこ
初兎
暗い夜道を、その背中を追って歩く。
前を歩く彼からは、家を出てからまだ何一つとして言葉を聞いていない。
悠佑
不安になって声をかけてみる。しかし返事は返ってこなかった。
一体自分は何故、今彼と一緒に。否、彼に連れられて夜を歩いているんだろう。
自分では答えの出ないそんな疑問を浮かべていると、いつの間にかまろの家に着いていた。そう言えばないこの家からあんまり遠くなかったな。
連れられるがままに家の中に入った。掴まれた手首が嬉しいのか苦しいのか、俺にはよく分からない。
まだ一言も喋らないまま、靴を脱いで家にあがるまろに続いて靴を脱いだ。
そうして廊下を歩いて、リビングに入る手前、漸くまろが立ち止まった。
If
何を言われるのか、まろは何を考えているのか。沈黙の時間が怖い。こんなまろは、見たことがなかった。初兎相手にあんな風にキレるまろだって。
If
悠佑
手首を掴んで、立ち止まった状態のまま。振り返らず、まろは言葉を発した。
If
悠佑
If
悠佑
初兎に、返事。
正直、あの時は頭が働いていなかった。配信中のおふざけだと思っていて、配信後の初兎の言葉なんて、脳が処理しきれなくて。
If
悠佑
なんで。
どうして、そんなことを聞くんだ。その背中がなんだか寂しそうに、辛そうに見えるのはなんなんだ。
嫌だ。まるで少し前までの俺の様で。
何も俺だって、最初からほとけとまろをさっさとくっつけて仕舞えば良いなんて諦めていた訳じゃない。
小さな淡い希望で。ちょっとした抵抗で。青組の話題で盛り上がる度に、その後の個人のツイートか配信でまろにきを供給する振りをして、心の底で張り合っていた。
でも虚しいだけで、悲しくなって。こんなのただの自己満だって、迷惑だって。
そんな自分が嫌になって、自分の気持ちを隠し通すことに決めた。
なのに。
悠佑
If
驚いた声を漏らし、振り返ったまろが俺を見て目を丸くしたのが分かった。
悠佑
滲んだ視界と、床に落ちて行く涙。
俺は単純だから。ずるいから。
こんなことで、期待してしまう。また、諦め切れなくなる。
悠佑
If
また一つ、迷惑をかけて。
自分はこんなにも涙脆かったのだろうかと、最近思うようになった。自分の弱さを目の当たりにして、また嫌になる。
If
悠佑
今度は手首じゃ無く、手を握られる。その手を握り返すことはしないのに、振り払うことも俺には出来なかった。
If
悠佑
If
悠佑
If
くしゃりと、まろの表情が歪む。
If
悠佑
口を開けて、閉じてを繰り返す。まろは急かすことなく待ってくれていた。
悠佑
If
悠佑
空いている手で、胸元の服をくしゃっと握った。
If
悠佑
呼ばれ慣れない名前に、少し反応が遅れた。俯きかけていた顔を上げると、目の前にはもう、
暗くなった視界が明るくなり、顔を離したまろが真っ直ぐ俺を見据えた。
If
悠佑
If
悠佑
悠佑
If
If
悠佑
If
まるで何も言わせない雰囲気で、瞬きをする隙さえなかったのに。
そんな言葉一つに焦っているその姿がなんだか可笑しくて、・・・愛しい。
悠佑
If
悠佑
きっとお互い、思っていることは同じで。
誰が何を好もうと、なんと言おうと。君の隣は、やっぱり自分が良いんだ。
コメント
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しょちゃさいきょ☆(神作すぎて語彙力どころか日本語飛びました(՞˶・֊・˶՞)🤍) (初兎ちゃん最強☆ですね)
スゥゥ尊すぎてやばいです、、外いて家族もいるのに尊すぎて泣きそうです 前も言いましたがほんとに月見さんが書かれる小説ってほんとにありそうな話で余計尊くなってまじで好きです… 黒さんの他人を優先してしまう感じとかもあってまじでもう…🤦♀️🤦♀️ それと青くんの黒さんへ告白の方法がキスの方が先でなんだかロマンチックでそこも好きです…