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男は目で惚れ、女は耳で惚れる

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男は目で惚れ、女は耳で惚れる

1 - オクサレさんからの要望のおおたか、大正ロマン物語。砂糖吐くくらいには、糖度高め。

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2023年03月01日

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オクサレさんから要望があった、おおたか、大正ロマン話。 話の都合上、高見沢の一人称はうちにしてます。

モブ舎弟

すんません、城戸の兄貴、カシラ知りません?

城戸丈一郎

カシラなら、いつものとこやで

モブ舎弟

またですか。なら、しばらく帰ってけえへんですね。よく喫茶店いきますけど、カシラって何食べてはるんやろな

大嶽は週2~3日は、天王寺組事務所の近くにある天王寺純喫茶店に通っている。飲食よりも、喫茶店の看板娘である高見沢さんに会うのを目的に。

城戸丈一郎

毎回、ホットケーキセット頼んではるで

モブ舎弟

え?もしかして、笑いとろうとしてます?

城戸丈一郎

なんでホットケーキ頼むだけで、笑いとれんねん

モブ舎弟

あの顔で、ホットケーキ食べてるとこ想像したら、腹よじれるくらい、面白いですやん

城戸丈一郎

しゃーないねん。あそこ、軽食はおとんが作ってるから、高見沢さんの手料理食べたかったら、デザート頼むしかあらへんからな

モブ舎弟

そういうとこだけ見たら、健気やのに、あの顔で、マイナスに振り切ってしまうんが、惜しいとこですわ

大嶽徳史

それはそれは、マイナスに振り切ってもうてて、えろうすまんかったな

噂をすれば影が、よろしく大嶽が後ろに立っていた。

モブ舎弟

わ!カシラいつからそこに!え?その顔どなんしはったんですか?

大嶽徳史

男前度があがったやろ?

何故か、喫茶店にデザートを食べに行ってた筈の、大嶽は頬を腫らして、その後ろに高見沢の姿があった。

城戸丈一郎

なんや、とうとう駆け落ちですか?

大嶽徳史

ちゃうわ。少しの間、預かることになったんや。親父に話着けてくるから、城戸悪いが、その間、斗真のこと頼むわ

そう言って、大嶽は席を外した。 残された高見沢が、申し訳なさそうに口を開く。

高見沢斗真

急に押し掛けてもうて、すまへんな

城戸丈一郎

気にせんでええで。だって、高見沢さんはカシラの未来の奥様やさかい。俺らは大事歓迎やで

城戸の言葉に、高見沢は頬を染める。

高見沢斗真

城戸は、またそうやって、からかいはってからに!そもそも、うちら、まだ交際してないし////未来の奥様なんて、気早すぎやわ。そりゃあ、いつかはそうなればええなとは思ってはるけども

高見沢斗真

って、なに言わすねん。恥ずかしいやん

流石は関西人。一人ノリつっこみはお手のもの。

城戸丈一郎

それより、今日は喫茶店は臨時休業かなんかなん?

普段なら、喫茶店の営業時間中である。真面目な高見沢が、仕事を途中で放するとは考えにくい。その上、喫茶店を営む、高見沢の父親は、大嶽の事を毛嫌している。そんな父親が、大嶽が高見沢を連れ出すことを容認する筈がない事を、知ってるだけに、城戸は疑問を口にする。

高見沢斗真

・・・・・実はな、うちのおとんが、見合い話持ってきたんや

高見沢と大嶽は互いを好いており、二人の交際を認めて貰いたいと、高見沢の父親に申し込んでいた。 しかし、極道ものである大嶽の事を、高見沢の父親はよく思っておらず、娘である高見沢に、あの男は止めろと口酸っぱく言い聞かせていたが、高見沢は、頑なに聞き入れようとしなかった。 こうなれば、強行手段しかないとし、父親は、お見合いの席を勝手に設けたのだ。 (※当時、自由恋愛という言葉があったが、実際は、お家第一思想が強く、男女間の交流はほぼなし。女性は、親の決めた人と結婚するのが当然な時代。それ故、結婚して初めて相手の顔を知るという事も珍しくなかった。因みに、異性と文通するだけで、不良扱い)

これには、流石の高見沢も父親に猛反発した。

高見沢斗真

うちには心に決めた人おるから見合いやかせん!言うたら、おとんと喧嘩になってもうてな、ちょうどその時、大嶽さんが見えられたんや

城戸丈一郎

因みに、見合い相手は誰なん?

高見沢斗真

浅倉家の次男坊や

城戸丈一郎

凄いですやん。浅倉家言うたら、屈指の名家やん。折角の玉の輿の機会やったやのに、勿体ないわ

高見沢斗真

いや、家柄を大事にする名家が、一介の女給にお見合い話持ってくるんやで?どう考えても裏ありまくりやん。浅倉家は次男坊に手を焼いてはるって噂やし、どう考えても体のええ厄介払いが目的やろな。それにボンクラ押し付けられても、こっちかて困るわ

高見沢斗真

そうそう、さっきの話に戻るけどな、うちのおとんって、短気やん?言い争ってたら、手が出てもうてな、俺を叩こうとしたんやけど、大嶽さんが庇ってくれはって、代わりに叩かれたんや。その上、大嶽さん・・・

大嶽徳史

義父さんの気持ちは分かります。俺のこと気に食わんのも知ってます。けれど、一番、大事なんは娘さんの気持ちや。殴って気が済むんなら、俺の事いくらでも殴ってくれて構へん。だから、斗真さんの気持ちを尊重してやって下さい

高見沢斗真

言うてくれはってな。別にうちは、駆け落ちしても良かったんやけど

大嶽徳史

この世でたった二人だけの親子やろ。死に別れたら、お互い後悔すんで。俺は気長い方やから、幾らでも待つつもりや。絶対に義父さんから承諾とったるから、もう少し待ってくれへんか?

高見沢斗真

って、本当、大嶽さんは男振りのええ男やわ////あんまりにも、ええ男過ぎて、他の女が寄ってけえへんか心配やわ

モブ舎弟

あの顔やで?その心配いらへんやろ。そんな物好き、むぐっ

城戸によって、舎弟の口は塞がれた。

城戸丈一郎

女冥利につきますね

高見沢斗真

せやろ、せやろ

高見沢斗真

あ、今の話は大嶽さんに内緒やで。知られたら恥ずかしいやん。せやから、絶対に内緒にしてな

城戸丈一郎

分かってますって

二人の話が一区切りついたタイミングで、ちょうど大嶽が戻ってきた。

大嶽徳史

親父から了承とれたわ。それにしても、なんや盛り上がってはったけど、何話とったんや?

高見沢斗真

たいした話はしてへん。ただここ最近の世界情勢と経済事情の話しとっただけや。な、城戸?

城戸丈一郎

ええ。最近、羽振りのええ客が増えはったなって、話ですわ

大嶽徳史

・・・盛り上がる程、面白そうな話には思えんのは、気のせいやろか?ま、ええわ。斗真、部屋案内したるわ。着いてきい

高見沢斗真

ほな、城戸またな

二人は連れ立って消えていった。

モブ舎弟

以外と高見沢さんの方がベタぼれなんやな。あの顔のどこに惚れる要素あったんやろか?

舎弟は、のろける高見沢に面食らった様子で、城戸に話しかける。

城戸丈一郎

よく言うやん、男は目で惚れ、女は耳で惚れってな。お前も好いた女出来たら、カシラのように、耳で惚れさしてみなや

この数日後、面目丸潰れにされた浅倉家は、お家の名誉のためにも見合い相手を取り戻してこいと次男坊こと浅倉潤に命じたことによって、浅倉が天王寺組を襲撃。そして、城戸に返り討ちにあったことで恋に落ちるのは、また別のお話。

おわり

あとがきと補足 男は視覚で恋をし、女は記憶で恋をする。男は、この人タイプ、綺麗な人で恋に落ち、女は男の言動を観察し、パートナーに相応しいかどうかを見定めて恋をするという話。 実は、イラストを載せる時に即興で作った話だったので、比較的、ストーリーは直ぐにでも作れたんやけど、最近、関西弁使ってなかったから、細部のニューアンスに自信なかった(^_^;)まあ、これならたぶんいけるやろ。 因みに、大正時代の喫茶店は二通りあって、エロいサービスしてくれる女給さんがいるのが、特殊飲食店(カフェー)。不純なサービスをしない喫茶店を純喫茶店。関東震災後を機に、エロいサービスをする喫茶店が支流になったよ。この頃の女給さんは、会いに行けるアイドル(^-^)、チップを貰ったりもしてたよ。

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コメント

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尊すぎて🤦‍♀️ 潤に何させとんじゃ○ソ家族がァァ!

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