優里
あれからずっと私はこんな調子だ。
あの日… そう、北上先生に北上先生にキスされた日から私は塾に行っても北上先生を避け続けた。
最初こそ名前を呼ばれていたものの、最近ではお互いに目を合わすことも無くなっていた。
心乃羽
優里
優里
心乃羽
心乃羽
心乃羽
心乃羽
優里
いくら親友のこのちゃんにだって言えない。
北上先生にキスされて最近はずっと目も合わさないように北上先生から避けるように逃げてて疲れてる、だなんて。
優里
心乃羽
優里
心乃羽
心乃羽
そう、私は勉強に逃げていた。
苦手な科学だって、1人で勉強していた。
おかげで最近の全国模試でも上位にくいこむことが出来ていた。
優里
でもやっぱり1人じゃ無理だった。
いつもは北上先生がいたから苦手な科学だって頑張ってた。
でも今は他の教科と更に差をつけるようになっていた。
心乃羽
優里
心乃羽
心乃羽
優里
心乃羽
優里
優里
優里
優里
そう―北上先生みたいな。
そこで私はあえて口をつぐんだ。
今はそんな話したくない。
心乃羽
心乃羽
心乃羽
心乃羽
心乃羽
優里
予想外の本能に私はたじろぐ。
え…何で知ってるの?
私、このこと誰にも話してないのに…
優里
心乃羽
心乃羽
心乃羽
心乃羽
優里
今度の今度こそ、本当に私は驚く。
そんなはずない。
確かに北上先生はかっこいいし、優しくて面白くて人気者だけど―
―だけどそんなはずない。 現に私はキスされて嫌がってるのに。
心乃羽
優里
心乃羽
心乃羽
さっきから頭が追いつかない。
北上先生が私を「好き」…?
心乃羽
心乃羽
心乃羽
優里
心乃羽
心乃羽
優里
心乃羽
心乃羽
優里
心乃羽
優里
心乃羽
…そんな…。
気づかなかった。
思いもしなかった。
そこで私ははっと気づく。
そうだ、あの時―キスされた時―少しだけ気持ちいいって思ってしまう自分がいて― それで怖くなって逃げ出したんだ…。
優里
心乃羽
心乃羽
気づいたら涙が頬を伝っていた。
優里
心乃羽
このちゃんが心配そうに私を見つめる。
それでも涙は止まらなかった。
優里
心乃羽
心乃羽
優里
でも私は話す気にはなれなかった。
優里
心乃羽
このちゃんは黙ってた。
本当は1分ぐらいしか経ってないのかもしれない。 でもこの時間が私にはとても長く感じられた。
心乃羽
心乃羽
心乃羽
優里
優里
心乃羽
心乃羽
優里
本当にこのちゃんは私の大事な親友だ。 無理に構わずそっとしておいてくれる。
私はその時決めた。
優里
優里
放課後。
私は学校の帰り道、そのまま塾に向かっていた。
心無しか、少し私の気持ちは晴れていた。 先生に謝りに行くことを決めたからかもしれない。
塾につき、職員室までの階段を登っていたその時だった。
北上
北上
優里
久しぶりに聞く北上先生の声に少しだけ心が踊る。
佐々木
優里
優里
優里
やっと階段を登り終えて私は職員室へと走る。
優里
北上
優里
私は息を飲んだ。
声が上手く出ない。
私はそこで見た。
北上先生と佐々木先生がキスをしている所を。
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