あれから2ヶ月。
その時の流れは遅く、重かった。
その後、隆の消息は分からない。
僕は、燐に生活を縛られている。
毎日のように、無理矢理押し倒される。
体も心もぼろぼろになりかけていた。
ピアノを弾いている時だけが、唯一落ち着ける時間だった。
大陽
大陽
大陽
大陽
荷物を取りに行ったとき、彼は待っているんじゃないかと淡い期待をしていた。
しかし、そこはもぬけの殻だった。
今でも、毎月家賃だけが振り込まれている。
それでも何処かで彼は迎えに来てくれるんじゃないかと期待している。
大陽
大陽
毎日、涙が溢れて止まらない時間がある。
大陽
いっそ、逃げてしまおうかと思った。
しかし、逃げたところで行く場所などない。
今、大声で泣き叫んでも皆素通りしていくのだろう。
''大丈夫?'' と声をかけてくれる人は、どこにもいない。いなくなった。
絶望に駆られ、いつも通りの帰り道を辿った。
カチカチと刻んだメトロノームのテンポが、頭に鳴り響いたままだった。
大陽
大陽
そんな時、背後から肩を掴まれた。
男
大陽
男
大陽
男は短い黒髪で、背は同じくらい。
息切れをしていた。そして、こちらをじっと見つめる目には力がこもっていた。
男
大陽
しかし、とある瞬間が蘇ってきた。
隆の友人
その響きには聞き覚えがあった。
大陽
大陽
大陽
男
男
男
大陽
男
強くこちらを見る男の顔をもう一度一瞥した。
感情のない目、それでいて美形。
この人は、と思った。
大陽
大陽
大陽
男
男
男
大陽
万次郎
万次郎
万次郎
大陽
万次郎
万次郎
万次郎
万次郎
万次郎
万次郎
万次郎
万次郎
万次郎
万次郎
万次郎
大陽
万次郎
万次郎
万次郎
万次郎
大陽
大陽
大陽
大陽
大陽
万次郎
万次郎
万次郎
大陽
万次郎
万次郎
万次郎
万次郎
万次郎
万次郎
万次郎
大陽
大陽
大陽
万次郎
大陽
大陽
大陽
大陽
大陽
万次郎
早足で去った。
そうでもしないと、泣きながら助けを求めてしまいそうで。
しかし、そんな心は澄みきっていた。
ようやく目が覚めた。
ぐずぐずしている暇などない。
自分は何をしていたのか、と思い知った。
行動しなければ。
いつまで受け身でいるつもり何だ、と自分を叱った。
地を蹴る足には力が籠り、体にはエネルギーがみなぎり、気が付けば風を切って走っていた。
隆
隆
刑事
刑事
隆
隆
隆
刑事
証拠や証言をかき集めて、ようやく令状が発行された。
2ヶ月。
たった紙1枚を発行するまでに、それだけの時間を要した。
彼に別れを告げられてからずっと、考えた。
あの言葉の意味を。
初めは、何も飲み込むことが出来ずにいた。
しかし、あの言葉を信じた訳ではなかった。
信じるわけがない。
2ヶ月、ただひたすらに工藤を調べた。
大陽を想いながら。
2つのネックレスが胸に光っている。
あの夜、すぐに荷物をまとめて姿を消した。
そして、2週間が経ったある日、家に戻ると、そこには置き手紙と紙袋がぽつりと置いてあった。
俺は貪るようにその封を明けた。
1枚の、無垢な白い紙にはたった二言。
''大好きです'' ''ごめんなさい''
と記されていた。
その二言が何を語っているのか、それは紙袋の中身が教えてくれた。
2つの小さなジュエリー箱が入っていた。
開けると、そこには銀に輝く1本のネックレス。
先には、小さなメダルが付いている。
そっと取り出し、一瞥するとその裏側に文字が刻まれていた。
隆
隆
隆
''𝓶𝓸𝓸𝓷''
そう刻まれていた。
もう1つの箱には、金色のネックレス。
そのメダルの裏側には、
''𝓼𝓾𝓷''
と刻まれていた。
''月''と''太陽''。
''ごめんなさい''と''だいすきです''。
2つのネックレス。
それは、全てを語っていた。
ぬすぃ
ぬすぃ
ぬすぃ
ぬすぃ
ぬすぃ
ぬすぃ
ぬすぃ
ぬすぃ
コメント
1件
タオルを握って、見てましたw じゃあ、次はワンサイズ大きいタオルを用意しておきます